2010年03月29日

CRーZ試乗。ロングラン編その1

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販売開始1カ月で、受注台数が月間目標10倍の1万台!!価格は同じながらMT比率が約40%、20代ユーザーも15%と、若者のクルマ離れやスポーツカー離れが叫ばれる中、久々に明るい話題を届けてくれたホンダグリーンマシン003号、CR−Z。前回は速報で試乗レポートをお届けしましたが、今回は丸1日じっくりと試す機会に恵まれました。一般道、渋滞、郊外の流れのいい道路、ワインディング、高速…様々なシチュエーションで約500km走行したCR−Zのロングランレポートをお届けします。
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テスト車両は、ストームシルバーMのβ(CVT)。現在ディーラーでの展示車や試乗車のほとんど、そして受注の9割が上級グレードのαなので、今回βを見るのは初めて。納車したてで走行距離は1000km少々。慣らしが終了しかけているというところでしょうか。

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さて、早速特徴的で少し開ける時に戸惑うドアノブに手をかけて、CR−Zのドライバーズシートに収まります。前回の試乗の時にも感じたように、低めでスポーティなシートポジションは◎。しかしながらウエストラインも同じように低く、閉鎖感が強い印象はありません。今回ロングランした際に気づいたのは、フロント方向の視界の良さ。デザイン的にも視界的にも相当にこだわりをもって開発されたという大きくラウンドしたフロントウインドーのおかげで、ワインディングでコーナーを駆ける際にもAピラーが邪魔になることはありません。このポジションだけをとれば、現行シビックタイプRよりもはるかにスポーティな雰囲気。小径なステアリングを握ると脇が締まるポジションで、自然とその気にさせられます。インパネの質感も上々。

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反面、やはり絶望的なのは後方視界。エクストラウィンドーのおかげでリアバンパー直近の視界は結構良いものの、斜め後方は全く見えません。特徴的でボリュームのあるリアフェンダーも相まって、バックする際にはかなり気を遣わなければいけないでしょう。ちなみに今回のテスト車両には純正HDDホンダインターナビが装着されており、セットで付いてくるバックモニターは大変重宝しました。

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動き出してまず感じるのは、アイドルストップ制御のスムーズさが向上している事。ブレーキをかけて車速が10km/h付近でストンとエンジンが止まるのはインサイトと一緒。ややナーバスさが感じられたインサイトに比べて、CR−Zはブレーキの踏力に対してよりリニアにエンジンがストップします。反面、排気量拡大によるトルクアップの影響か、発進時のエンジンスタート時にはややショックが大きめ。とはいえ、やはりIMAユニットの「モーター単独走行ができない」というデメリットが、とくにストップ&ゴーを繰り返す渋滞路ではストレスのたまる要因になります。せめて10km/h程度までモーター単独で動き出せれば燃費的にもフィーリング的にも大きく改善するのですが…。

アクセルレスポンスはかなり穏やかになりますが、1.5Lの排気量の余裕からか、街中を走るだけならECONモードでほぼ事足ります。少し機敏さが欲しくなればパドルをカチッと弾いてシフトダウン、エンジンブレーキも同様に、パドルシフトの利便性の高さは予想以上。それだけに、もう少しシフトスイッチ自体が大きめならなおよし。加えて、せっかくATでもとても立派で握り心地のいいシフトノブが奢られているので、ATゲート側にマニュアルモードがあってもよかったかもしれません。

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足回りは前回でもお伝えしたように、かなり硬め。しかしながら「硬質感」と表現したくなるように、決して嫌味な硬さではありません。動き始めはいいものの、ある程度速度が乗ってくるとピョコピョコして途端に落ち着きと直進性が損なわれるインサイトとの違いをもっとも感じるのはこの点。燃費よりもフィーリング優先で、タイアの指定空気圧が落とされているのも1つの要因でしょう。

ちなみに、前回試乗した際に感じた時よりも、特に大きな入力があると少しユッサユッサと揺られるような振動が残るのが気になりました。今回の車両のほうが距離を重ねていたのである程度はサスに馴染みが出ているはずなのですが、これはおそらくαに装着される軽量化を謳ったアルミホイールの影響でしょう。βのスチールホイールでは少しバタつく感じが残ります。また、前回試乗した2台はともにBSのポテンザRE050Aを装着していましたが、今回のテスト車両に着いていたのはヨコハマのアドバンA10。この違いもあるのかもしれません。ちなみにグリップ力はなかなかのものがありますが、ロードノイズがポテンザと比較するとアドバンのほうがやや大きめに感じられました。



つづく…


レポート 岩田和馬


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2010年03月10日

ジュネーブ特集 輸入車編その1

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ジュネーブ情報、続いては輸入車メーカーの中で個人的に気になる数台をピックアップしてご紹介したいと思います。

・MINIカントリーマン
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噂のMINIのSUV仕様がついに登場。もちろんMINIシリーズ初の4WDをラインナップに持つ事も重要ですが、それよりもむしろ、クラブマンのような「なんちゃって片側リアドア」ではなく、キチンとした5ドアのMINIが登場したというところに注目すべきでしょう。

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最近流行りのクロスオーバー風のスタイルを身にまとったその姿は、もはやMINIってもともとどういう車だっけ?と首を傾げたくもなりますが、そんな歴史の背景に気をとらわれないのであれば、間違いなく魅力的でキュートなスタイリング。そして使い勝手もリアドア完備で実用性も十分に高いとなれば、こちらも再び世界的に人気を集める事に間違いなし!むしろクラブマンの存在意義が少し薄れてしまうかもしれません。


・メルセデスF800スタイル

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Eクラスカブリオレをワールドプレミアしたメルセデスからは、この1台。特徴的な観音開きドアや、プラグインハイブリッドと燃料電池、両方それぞれ違うパワーユニット・ドライブトレーンに対応できるプラットフォームなど、次世代につながる魅力的なコンセプトを詰め込んだこのF800スタイル…しかし最も注目すべきは、そんな先進的なコンセプトカーでありながら、やたらと現実味を感じさせる洗練されたデザイン。

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今後のメルセデスのセダンのデザイントレンドを匂わせてくれていそうなこの1台。いままでのメルセデスのコンセプトカーの流れから見て、おそらくは次期CLSあたりはこのF800のスタイリッシュなボディラインを受け継いで登場してくることでしょう。


・アウディA1

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アウディからはMINIとガチンコライバル、最小モデルのA1が登場。おそらくベースはVWポロ?コンパクトながらアウディのデザインエッセンスを見事に受け継いだそのスタイリングは、写真で見てもかなり魅力的。A2は残念ながら結局日本導入されずじまいで終わってしまいましたが、このA1なら日本市場でも十分いけるでしょう。価格を含めその動向には注目したいところ。

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そしてジュネーブではさらに「A1 e−tron」という名のEVのコンセプトも登場。FFでフロントをモーター駆動するのですが、最大のポイントはラゲッジスペース下に収められる発電用のエンジンに、なんとあのロータリーが使用されていること。おそらくはそのスペース効率の良さと振動の少なさで採用されたのでしょうが、これを日本のメーカーではなくアウディに先にやられてしまったのが、実に悔しい。もちろん、そもそもアウディの歴史をたどれば、NSUにつながるのでこちらが元祖と言えば元祖ですが…。

日本もロータリーはマツダが水素で頑張っていますが、こういったコンセプトが海外メーカーから出された以上、日本のメーカーももっとロータリーエンジンの存在可能性について真剣に向き合うべきでしょう。いくらエコが進もうと、このエンジニアリングの火を絶やしてはいけません。

・アウディA8ハイブリッド

アウディからはもう1台。先日登場したばかりのA8に登場したハイブリッド。ボディデザインはキープコンセプトで、最近のアウディ路線に照らし合わせると少しコンサバティブにも見えますが、中身は実に革新的な要素が満載。

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もちろんそれはハイブリッドの考え方にも。エンジンはなんと2.0L直4ターボまでダウンサイジング。これに45ps相当のモーターをプラスし、8速ATを組み合わせ。60km/h前後で2kmほどEV走行も可能。もちろんアルミボディによってこのセグメントのセダンとしては圧倒的に軽量であるという武器はあるものの、アウディが売りであるクワトロではなくFFとして割り切って、その上でCO2排出量を144g/kmまで抑えるあたり、欧州勢のハイブリッド旋風乗り遅れを怒涛の勢いで挽回しつつある現状を露骨に感じる事ができます。トヨタも5LのV8にモーターをくっつけて、必要以上に重く速いプレミアムハイブリッドでブランド構築を企んでいる場合ではないのかもしれません。欧州勢の背後から迫る勢いは、予想以上に急で油断は絶対に禁物…そんな印象を抱かせる1台です。

・NEWエリーゼ

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話変わって次はフェイスリフトを受けたNEWエリーゼ。シリーズ1が登場してから今年でもう14年となりますが、その独自の存在感と魅力は一向に薄れる事ありません。

今回は2回目の大きなスタイリングの変更。丸目のキュートな顔つきから、スズメバチを連想させる鋭い顔付きとなり、そして今回はシンプルかつ洗練されたフェイスとなりました。ライトにLEDを埋め込んでイマドキ感を演出し、すっきりとまとまっています。おそらくは先日登場したエヴォーラと共通のイメージをもたせたかったのでしょう。

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ベースモデルのエンジンは今回からトヨタ製の1.8Lから1.6Lバルブマチック仕様へと変更。これによりパワーはキープされながらさらに燃費と排ガス性能が一段と向上しました。年々プレミアム性が増すエリーゼですが、車重は相変わらず800kg台。今回のモデルチェンジでイマドキの顔になったおかげで、まだまだエリーゼの人気はこれからも続きそうです。

・アストンマーティン シグネット

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あのアストンマーティンが「顧客のセカンドカーに」ということで、iQに思いっきりプレミアム性をもたせて仕上げたのがこのシグネット。もちろん、メーカー全体のCO2排出量規制を目論んだプロダクトと言えるでしょう。

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しかしまぁ、同じ車とは思えないほどのこのスタイリングのまとまりと高級感。このシグネットで始めて、このiQという車の価値と魅力の高さを表現できたと言っても過言でないのでは。もちろんそれは同時に、トヨタがiQをあの鈍臭い理解し難いスタイリングのせいで、せっかくの魅力を剥いでしまっているということに気づく事となるかもしれませんが…。

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内装もアストンマーティンの名をつけるだけあって超豪華フルレザー仕立て。どうやらシグネットはアストンマーティンのオーナー限定でこのシグネットを販売するそうですが…価格は果たして、400万?500万?いずれにしても、改めてブランドという力の偉大さを思い知った次第です。



レポート:岩田和馬
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2010年03月06日

CR−Z 速攻試乗レポート!

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今日本の自動車界の最注目車といえば、もちろんこのCR−Z。ホンダグリーンマシン003号として、ハイブリッドスポーツという新しい提案をこのCR−Zはどのように具現化したのか?クルマの細かな紹介はさて置いて、早速実車の試乗レポートをお届けします。


試乗時間はごくごく限られた時間・距離なので、今回は2度に分けてそれぞれ試乗を行いましたが、それでもあくまで簡単なファーストインプレッションに留まることをまず始めにご了承願いたいと思います。

まずスタイリング。ボンネットの高さやラウンドしたフロントスクリーンなど、コンセプトカーの段階からできるだけイメージを崩さないように生産型までもっていった苦慮が伺えます。唯一残念なのはフロントナンバープレートの位置でやや「豚っ鼻」に見えてしまわくもないところ?

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デイライトとしてではなくポジションとしてしか使えないのは残念ですが、アウディ風の4連LEDライトも個性的。輸出仕様ではどうやら4連ではなくさらにLEDの数が増えるそうです。サイドミラーからチラリと見えるボリュームのあるリアフェンダーのおかげで、リアからの眺めはドッシリとしていて安定したフォルム。角度によってはその筋肉質的なボディラインがさらに際立ちます。

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もちろんこの個性的なスタイリングの影響は居住性や視界に。リアシートは女性や子供でも実用的に使用するのは至難の技。178cmの自分ではまさに拷問に近いものがあります。とはいえ、シートがあるとないとでは、いざという時に大違い。ここは贅沢な荷物用スペースとして考える割り切りが必要です。シートを倒せば浅めではあるもののラゲッジに関しては十分に広くて扱いやすいスペースが。また斜め後方視界は絶望的であるものの、後方直下の視界はまずまず。もちろん、このような事はあまりCR−Zで気にしてはいけない事、二の次ではあります。

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試乗車はともにαのCVT車。特徴的なノブを握ってドアを開けシートに収まると、ヒップポイントの低さが印象的。ステアリングは360mmと小径で、これは今は亡きNSX後継車であったV10スポーツに採用されるはずだったパーツ…との噂も。

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そしてCR−Zのインテリアで大きな注目といえばやはり懲りに凝ったメーターデザイン。エンジンスタートするとタコメーターの針が一気に振り切れ、ブルーのイルミネーションが鮮やかに浮かび上がります。デジタル表示の速度計は少し賛否が分かれるかもしれませんが、ECONモードでグリーン、スポーツモードでレッドの表示となる瞬時視認性の高さもなかなかのもの。左右のインフォメーションモニター表示の質感も高く、この車の大きな見所の1つです。

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さて、エンジンスタート。PRNDとポジションが簡素化されたシフトノブを動かして、ゆっくりと動き出します。走り始めてまず感じるのは足の硬さ。さすがにスポーツを名乗るだけあって、足回りはかなりゴツゴツした印象。しかしながらフリクションを感じるような嫌な硬さではなく、速度を上げていくとダンピング性能も含めてちょうどいい具合に感じられました。インサイトのような安っぽい硬さではなく、硬質な印象です。

タイアサイズは195/55R16で、銘柄はBSポテンザRE050A。ここは燃費を意識した転がり性能重視ではなくポテンザを履かせたホンダ開発陣の強い意思も感じます。実際の乗り味の印象の良さも、このタイアが起因している影響も大いに考えられるでしょう。

さて、気になる動力性能のほうは、まずECONモード状態だといわゆる「ちょっとパワフルなインサイト」という印象。ステアリングも軽く、アクセルの反応も穏やか。ノーマルモードにしても、ややレスポンスがよくなったかな?と感じる程度で、あまり大きな差は感じず。基本的に優等生な味付けとなっています。

どことなく物足りなさを感じつつ、モードを1番下のスイッチを押してスポーツへ。このスポーツモード状態にこそCR−Zの本領、本域、そしてその価値が大きく詰まっています。

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メーターがレッドへ変化したのを確認すると、Dレンジ状態でも巡航回転がポンっと1000回転ほど上昇。先ほどの穏やかなスロットルレスポンスとは打って変わって、右足の踏み込みに対する反応はグッとシャープになり、街乗り領域では思わず少しギクシャクしてスロットルワークに気を遣うほど、メリハリの効いた状態を維持。

そして何よりもいいのがステアリングのフィールの変化。アシスト量が大きく落とされ、一気にステアがドシッとした重みを持ち、手応えが倍増します。これによって電動パワステが苦手とする微操舵時でもビシッとラインを舐めるようにトレースできるようになり、路面とのコンタクト性も一気に向上。かと言って日常域で苦慮するほどの重ステというわけでもないので、個人的にはステアフィールだけで考えるなら、燃費悪化を覚悟しつつ常にずっとこのスポーツモードでドライブし続けていたいほどです。

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その良さは、走るペースを上げていくとさらに実感できます。コースには簡単なワインディング路も含まれていたので、パドルを弾いてマニュアルモードへ。2速へシフトダウンしてアクセルを床まで踏み込むと、3500回転付近からマフラーの小細工に頼らない、いかにもホンダらしい澄んで乾いた「エンジン」サウンドを発しながら、6000回転までキレイに吹けあがってくれます。高回転付近での爆発的なパワー感こそないものの、日常域+アルファの伸びと気持ちよさは十分に感じられます。注目の電動アシストは〜4000回転付近の中回転域までのスロットルレスポンスの助長とトルク感の増大に大きく役立っているようで、初速の乗りの良さは確かに1.5Lという排気量をいい意味で感じさせません。しかしそこから上…トップエンド付近では思っていた以上にキッチリとエンジンの存在がはっきり勝っていると感じ取れたのは嬉しい点でした。弾けるアシストターボというよりも、低中速のトルクの上げ底感を担うIMAらしさはこのCR−Zでさらに大きく感じられます。

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スポーツモード状態では、マニュアルモードもギア固定されてレッドゾーン付近まできっちり回すことができます。しかし、さすがにシフトアップ直後やブレーキング時でのシフトダウンの時に、CVTっぽい回転落ちの鈍さのようなフィーリングが感じられるのは致し方ないところ…もちろんこれでも十分にスポーティさは感じられますが、この点に違和感を覚えたらならやはり6速MTをチョイスするほうがベターといえるでしょう。燃費を意識して3速で180km/h出る計算の超ワイドレシオだった初代インサイトの5速MTのようではなく、このCR−Zはちょうどフィットの5速MTに6速を追加したようなギアレシオ。1→2速がやや離れ気味なのは気になりますが、6速MTでスポーツモードをチョイスするとモーターアシストの制御も大きくスポーツ寄りになるということで、やはりここは是非1度MTも試してみたいところ。

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ややリアの挙動がナーバスに感じられたインサイトとは違って、CR−Zはリアのスタビリティの高さ、ドッシリ感が印象的。クイックにノーズを左右に振っても、リアの接地性が失われないので、緩いRのコーナーはもちろんの事、例えばアンダーステアが出やすい奥に深めになるヘアピンでも、ステアリングの操作に対して4輪がキッチリと路面を捉えて接地性変化が少ないのはとても好印象。かといってキビキビ感が失われているような事はなく、なかなかいいペースでコーナーを駆ける事ができます。もしもの時に備えてVSAが標準装着されているのも○。4輪ディスクのブレーキ性能も動力性能を考えれば十分な効きであり、ノーズダイブの少なさに加えてここでもリアのスタビリティの高さがブレーキング時の姿勢の安定感に結びついています。

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これよりも速いクルマは世の中に溢れている事でしょう。サーキットへ行けば物足りなさを感じる事も容易に想像はできます。しかしながら、日常域+αの領域でワインディングなどを楽しむのであれば、このCR−Zの手足で扱いきれる気持ち良さ、ちょうど良さ感はここ最近のクルマでは逆にとても新鮮に感じられました。個人的な感想でいうならばノーマルモードはほぼ使う事なし。燃費を意識する日常時はECONモード、ちょっと機敏に走りたい時はスポーツモード…という使い方。できれば、スロットルレスポンスやCVTの制御、モーターや電動パワステのアシスト量の変化などを、ナビを利用してそれぞれ自分の好みに組み合わせたCPUセッティングで…というような事ができても面白いかもしれません。特にステアフィールに関しては、スポーツモードで思わずニヤリとする方もいるのでは。

今回はCVTで時間・コースも限られていたので、まだまだこのCR−Zの全容を掴みきれたとは言えません。しかし今言えるのは、ハイブリッド云々という前提を差し置いて、エコであろうとなかろうと、まず1台のクルマとしてこのCR−Zには大きな魅力を感じます。グレードの1つとしてハイブリッドを用意する車を除外したとして、例えばプリウスやインサイトからハイブリッドシステムを取り除いた時に、素の1台のクルマとしての魅力や価値は果たしてあるのかどうか?と聞かれれば、なかなか素直に頷けないかもしれませんが、このCR−Zは例えハイブリッドでなくても十分に魅力を感じる事ができるクルマと言い切ってしまってもよいでしょう。ハイブリッドでありながら、エコや燃費コンシャスに捕らわれすぎずに、新しいクルマの価値観と向き合って開発に取り組みCR−Zを送り出したホンダ開発陣にまず拍手!機会があれば少しまとまった距離や様々なシチュエーションで、そしてできればそれを6速MTで試すことができれば…またレポートしたいと思います。




レポート:岩田 和馬
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2010年03月04日

ジュネーブ特集 国産車編

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毎年この時期恒例のジュネーブショーが開幕しました。今回は各メーカーかなり気合いを入れた新車やコンセプトカーがずらり。そこで何台か気になる車をピックアップして紹介していきたいと思います。まずは国産車から。


○レクサスCT200h

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レクサス初の5ドアハッチバッグは、プレミアム感を意識したハイブリッドモデルで登場。THSシステムの中身はもちろんプリウス。その点、HSよりもこのCTのほうが兄プリウスといった印象が強いかもしれません。ちなみに欧州で今回オーリスのハイブリッドモデルをデビューさせるなど、リコール問題で揺れる中トヨタ・レクサスはハイブリッド攻勢をさらに強めていきます。このままいけばレクサスはハイブリッドメインブランドへと移行…?

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ライバルはBMW1シリーズ、アウディA3、そしてゴルフ5。並み居る強敵にハイブリッドレクサスはどう立ち向かうのか注目です。


○日産マイクラ(マーチ)

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そして日産からは8年ぶりとなるマーチのFMC。今回からタイ生産の輸入車扱いとなり、価格コンシャスぶりが目立つであろう次期型のスタイリングは、ぶっ飛んで革新的だった3代目よりは幾分落ち着いた印象。より男女幅広い年代層のユーザーに受け入れられそうです。ただ写真で見る限り、マーチの伝統である「視界の広さ」がややスポイルされている?ように見えなくもありません。やや新鮮味が足りなく感じられるのは、それほどいまやモデル末期の3代目のインパクトが相当強かった反動とも言えるでしょう。

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国内仕様のエンジンは1.2Lの3気筒に、副変速付のCVT。また来年には1.2L+ガソリン直噴スーパーチャージャーを搭載したモデルも予告されており、いよいよ国産車にも「過給機排気量ダウンサインジング」の波が訪れてきました。果たして実車のクオリティと価格とのバランスは?「安かろう、それなりだろう」というレベルではもう通用しなくなってきています。

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日産にとっても、このマーチは世界中に輸出される戦略的モデル。日本での販売は今年初夏頃?楽しみに待ちましょう。


○マツダプレマシー

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エディックス亡き、イプサム亡き今、唯一とも言える欧州輸出ミニバンであるマツダプレマシー。その実力の高さはモデル末期ながらライバルたちにヒケを取らず、個人的にも非常に印象の良い実力派ミニバンが3代目へとスイッチ。

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基本的なフォルムやコンセプトはガッチガチのキープコンセプトながら、スタイリングのほうは思いっきり攻めている印象。アクセラ譲りの個性的なフロントフェイスに、「NAGARE」のコンセプトをまさに一目見ただけで感じさせるサイドビューの斬新なボディライン。リアもキャッチーな縦型テールを横に寝かして、ドシッと印象を加えています。メカニズム面での注目はやはりi−stop。レシプロエンジンで頑張るマツダにとっては今後必要不可欠なアイテム。登場は秋ごろ?


○日産ジューク


個性的なデザインと言えば、今回のジュネーブでこのクルマを外すわけにはいかないでしょう。

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東モでも姿を見せた「カザーナ」が、ほぼそのコンセプトイメージを保ったまま市販化。この際好き嫌いどうこうは横に置いといて、このインパクトと生産化にGOサインを出した事にまず驚き。インテリアもセンターコンソールのバイクのガソリンタンク風の塗装処理など、SUV×スポーツカーというコンセプトを具現化するためにとにかく攻めています。

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エンジンは1.6LのNAとターボ。ターボには4WDが設定されるものの、基本はFFということからもこのクルマのコンセプトが伺えます。ライバルはズバリ、先日登場したばかりの三菱RVR?個人的にはこのジュークにしろRVRにしろ、北米市場だけを見てボディ拡大に歯止めがかからない中、こういった日本でも十分に実用的なサイズのSUVモデルが登場するのは大変いい事だと思います。


○スバルインプレッサXV

スバルからはインプレッサの新シリーズ「XV」が登場。簡単に言えばインプレッサ版アウトバック。だったらフォレスターはどうするんだという事はさておき、フロントグリルからもその意図はすぐ伺えます。

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これを見て、かつてこんな車があった事を思い出す方も少なくないのでは?SUVとステーションワゴンのクロスオーバーの先駆けとなったランカスターのヒットに気を良くして、インプレッサに設定された「グラベルEX」。

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当時流行りのフロントガードバー+背面タイヤを装着したこのモデルは、その波に乗る事なく売り上げ的にはサッパリ。時代は巡って今年、スバルがハッチバックとなったインプレッサで再びこのジャンルに挑戦。残念ながら日本導入は未定とのことですが…。スバルにとって、新世代ボクサーエンジン登場のアナウンスのほうが重要なニュースかもしれません。



レポート:岩田 和馬
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2010年02月24日

新型パッソ&ブーン 詳細レビュー

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例のリコール問題に端を発して、かなり大掛かりな規模で予定されていた発表会が頓挫。天下のトヨタの自粛ムードでせっかくのデビュー時の露出度もイマイチに感じられる新型トヨタパッソ&ダイハツブーン。唯一ともいえるTVCMも、先代の加藤ローサから、なぜか女子大設定なのに森山中が目立ってしまうという…感想はさておき、実車の印象をお伝えしたいと思います

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写真は今回のラインナップの目玉ともなる+Hanaの1.0Lモデル。先代からの流れを含んだ標準仕様に加えて、よりプラスアルファな付属価値を追求したのがこの+Hanaの目的と言えるでしょう。目元がよりハッキリとし、シャンパンゴールド塗装のドアミラーやホイールキャップが特に目を惹きます。標準仕様もちょっと貧弱に感じられた先代に比べて、少したくましくなった印象で好感が持てます。

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新型のハイライトはインテリア。シンプルな作りは先代と同じ流れではあるものの、その質感とオシャレ度のアップはなかなかのもの。この展示車の装飾を見ても分かる通り、かなり女性ユーザーをターゲットにしている事が伺えます。オプションで、最近話題の「ナノイー発生器」まで装着する事ができるあたり、若い女性ユーザー層をグッととらえるに違いありません。

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特にこの+Hanaは、各部分にホワイトの内装色を取り入れるかなりヴィヴィッドなもの。特にステアリングを白くするのは、後々必ず汚れが目立ってしまう可能性大ではありますが、今回はその配色に挑戦する意気込みを評価したいところです。特徴的なドアハンドル周りのデザインやシボ加工の新しさもなかなかのもの。先代パッソで感じられた「安かろうそれなりだろう」という印象は薄れました。

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基本デザインは同じながら、+Hanaの存在で標準系はさらに思い切ったコスト削減?に取り組んだようです。+Hanaはベンチタイプのシートになるのに対し、シートは久しぶりに普通乗用車系で見るヘッドレスト一体型のハイバック型シート。リアヘッドレストはキチンと装着されるのになんとも不思議な印象です。そういった意味でも、標準系の仕様+ベージュカラーのベンチシートが選択できるブーンのほうが、個人的にはニーズに合った選びやすい親切なグレード設定になっていると感じます。

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そして今回注目は全車サイドエアバッグがオプション設定となってしまった事。2007年に大々的にサイド&カーテンエアバッグの随時標準装備化を謳い、マイナーチェンジの車やパッソセッテの一部グレードで見られなんとか上手くごまかしてきたつもりのトヨタも、今回この新型パッソで正式な公約違反!となったようです。

ただ、これは幾分少し仕方ない面もあるかもしれません。リーマンショック以降、価格がもたらす販売影響力は大変大きくなりました。宣言をしてそれを自ら破ってしまったものの、他社と比較すれば標準装着化が進んでいることは間違いありません。ここは個人的に、「台数あたりの作動率の差」と「アクティブセーフティ」の観点から、VSCの標準装着化!という公約に切り替えてもいいかもしれないのでは、と思います。

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そんなパッソで評価したいのは、そのVSCについて。標準装備化とはなりませんが、今回商用グレードを覗いて100万円台のXでもVSC+TRCがオプション装着可能となったのは素直に歓迎したいところです。パッソを買うユーザー層に、目に見えないこの63.000円のオプションを装着する人はかなり少なくなりそうではありますが、そういった「あまり車に興味がない、ベテランの車エンスーが乗るようなジャンルの車ではない」このパッソのような車にこそ大切な装備と言えます。例えば任意保険の減額などでこの差額分をカバーするような共同プランができてくれば装着率も飛躍的に上がったりするのではとも思ったりするのですが…。

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そこで問題提議をもう1つ。それはタイヤ。14インチは175/65R14から165/70R14へと変更になったのはまだしも、いまどき155幅の頼りない80扁平13インチを設定しているのはいかがなものか。確かに今回全長で僅かに長くなっているものの(歩行者保護の観点から)、それ以外の基本的なサイズが拡大されずに軽量なボディもそのまま踏襲されたコンセプトには同意したいところですが、やはりせめて最低14インチサイズは奢りたいところ。ちなみに13インチ装着車にVSC+TRCをオプション装着(この場合72.450円)すると、タイヤも自動的に14インチサイズとなるため、特に13インチ仕様にはVSCの装着は絶対にお勧めです。最小回転半径は4.3→4.7mに拡大しますが、それでも小回り性能的には十分優れています。

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エンジンは3気筒の1.0Lと4気筒の1.3L。先代からの進化はともにCVTが組み合わされるようになったこと。特にアンダーパワーの1.0Lでは動力性能的に大きな進化になると言えるでしょう。質感的でもパワーでも1.3Lのほうにアドバンテージがあるのは当然ですが、そうなると価格的には+Hanaで150万円近く、標準系でも130万円を超え、こうなると強力なライバル達に比べて、特に標準系では安っぽさが否めなくなります。やはりここは1.0Lがパッソ&ブーンのメインと考えるべきでしょう。ちなみに、1.0Lモデルのエンジンルーム内がスッカスカなのは先代と全く同じ。リアシートの居住性にしろラゲッジスペースの広さにしろ、パッケージング面での進化はほとんど見られません。

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正直言って、クルマ大好き人間にはあまり興味のもてない…逆に言えばそういった目線をいっさいもたないユーザー層がターゲット、それが新型パッソ&ブーンと言えるでしょう。

しかしだからこそ、このパッソ&ブーンからドライブ人生を始めるであろう運転ビギナーが乗る機会が多いであろうからこそ、安さやスタイルやインテリアの可愛さやオシャレさ、ナノイー発生器などの飛び道具だけではなく、アクティブセーフィティ性能やクルマをドライビングする楽しさもキチッと残しておかなければいけないと個人的には思います。その点、そのまま継承となったシャシー性能などがどのように進歩しているのか。試乗する機会があれままたレポートしたいと思います。



レポート:岩田和馬
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2010年02月19日

JAIA試乗会その7 仏シトロエンC4編

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○シトロエンC4 1.6Tエクスクルーシブ
さて今回のJAIA輸入車試乗会の最後を飾るのが、フランスからこのシトロエンC4。今年でデビューして5年経過するとは思えないほど、デザインの鮮度は失われてはいません。個人的には、厚化粧気味になる以前のフェイスリフト前のフロントマスクに愛着を感じますが、これもこれで最近のダブルシェブロンの方式に乗っ取った進化なのでしょう。

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そのモデル途中のマイナーチェンジで、C4はセダン・クーペともにPSA・BMW共同開発のエンジンへとスイッチ。そして従来の2.0Lの後継モデルとなるのが、ミニクーパーSなどと共通の1.6Lターボを搭載した今回のモデル。ちなみに出力はNA比+20psの140psと、同ターボエンジンを搭載する他の車種に比べかなりジェントルなセッティングがなされていることが分かります。

走り出した印象も想像通り。知らずに乗ればこれがターボ車だとは思えない自然なトルクの出方とレスポンス。しかしトルクピークを境にした〜3500回転までがどうもザラっとしたフィーリングで、パワーは十分なもののエンジンに関しては印象薄。とてもMINIと同じエンジンを搭載しているとは思えません。しかしながら不思議とアクセルを勢いよく踏んでエンジンをぶん回すと、6000回転までスカッと気持ちよく回ってくれるのは、やはりその血筋が存在しているから…?

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それと同じ事はATにも。悪評高き?AL4型の4速ATは、街中で普通に加速していっても3速が大変お気に入り。逆に4速巡航状態からアクセルをポンと踏んでもなかなかキックダウンしてくれず、変速タイミングで悩みモタモタ…ある程度これでも改善されたとの事ですが、一般的基準で見ると個々のドライバーの学習機能の癖を考えたとしても、まだまだこの程度では低レベルと言わざるを得ません。自分なら、常時マニュアルモード状態で走る事でしょう。

ただこちらも不思議な事に、右ハンドル化の悪影響をモロに感じるペダルレイアウトに気を遣いつつ、アクセルを積極的に開けたり閉めたりしてペースを上げて元気よく走ってみると、違和感なくシフトダウンもアップも上手に決めてくれ途端に軽やかなフィーリングに…これもフランス車独特の味というべきか。ちなみにプジョーも含めて近々最新の6速ATへとアップグレードが噂されているので、そちらに期待したいところ。

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足回りはハイドロではなくコンベンショナルなコイルサスを採用するC4。しかしながら微入力域でのしなやかさと、サス伸び側のストロークの長さを生かし4輪ともヒタッと路面を掴みながら走るサマは、さすがセッティングの妙。この味を直接同乗者に伝え…と言いたいところながら、肝心の乗り味は固めで、シトロエン風の乗り味を期待して乗りこむと「うーん…」と首を傾げる事でしょう。

この最大の原因はタイア。いくら見た目重視とはいえ、45扁平17インチはこのクルマのキャラクターには明らかにオーバークオリティ。ここはNAモデルの55扁平16インチか、いっそCGの長期リポート車で実践していた65扁平15インチくらい思い切ってハイトの高いタイアまでインチダウンすれば、さらに乗り味とハンドリングのバランスが光る事でしょう。ちなみに、小回り性能もボディサイズから想像する以上に悪く、取り回しにも事前に注意が必要です。

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さてこのクルマの一番の魅力は、あえて「座る」ではなく「掛ける」と表現したくなる座面背面がフカッと体を支えてくれるシートに身を預けて、センターパッドが固定された超個性的なステアリングを握り、なんとも言えないヌメッとした(いい意味での表現です)ステアリングフィールを堪能する瞬間。コーナリング速度やロールの少なさ、タイアを鳴らしてその時の横Gを体感しながら…というような種類のクルマではいっさいありません。ごくごく普通の速度で、街中を走り、高速巡航し、ブレーキングし…といった日常の何気ないリズムの中で、濃密に感じられる味わい深さ。

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まだまだシトロエンの良さとはいったい何なのか?自分の中では見つけられていませんが、このC4からその片鱗を少ないながらも感じられたような気がします。そういう意味では、17インチを履いてターボエンジンでガラスルーフまで装備されるこの324万円の上級グレードより、素の16インチを履く269万円のNAグレードのほうが、よりこのC4らしさを味わえるかもしれません。

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今回のエクスクルーシブのような「上質なシトロエン」の新しい方向性は、今後随時展開される「DS」シリーズで明らかになっていくことでしょう。そういった意味でも、その第1段の「DS3」の仕上がりが個人的には楽しみです。



今回JAIAの試乗会に初めて参加させて頂き、なかなか普段は体験できない様々な国、メーカーの輸入車にイッキ乗りできたこの1日は、クルマ好きな自分にとって非常に刺激を受ける経験でした。やはり国産にはない味がある輸入車は実に楽しい!しかし、だからといって輸入車バンザイ!とならず、改めて輸入車を味わってから感じる国産車の良さというものもたくさんあると感じられました。

と同時に、以前に比べて国産車と輸入車との垣根の違い…近づいた部分もあればまだまだ全然適わない部分もあったり、そういった事は互いに顕著に感じられました。今後国産車に大切な事、それは良い悪いだけで輸入車絶対主義に則りそれらの良い部分をマネようと追随するだけでなく、日本という独自の味やキャラクターを、個性としていかにクルマに演出していくか…世界のクルマを見ると日本のクルマがさらによく分かる、ということを身にしみて実感できた今回の試乗レポートでした。



レポート:岩田 和馬
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2010年02月17日

JAIA試乗会その6 独BMW760Li編

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○BMW760Li
ただでさえ十二分すぎるパワーを持つV12の6.0Lをツインターボで武装し、最高出力は従来型+99psの544ps。車重は2.3トンにも迫る巨体、地方のマンションが買えそうな2000万円クラスの価格。それが必要か否かという価値判断基準で見ると正気の沙汰とは思えない…しかし、存在意義などに目配せなどしていれば、ブランドなど育ちません。JAIA試乗会6台目のクルマはこのBMW760i。ちなみに今現在ロングボディのみの設定で、言わずもがなBMWのフラッグシップを誇る1台です。

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先代型E65系の7シリーズは、それはそれはいろんな意味でぶっ飛んでいる革新的存在でした。その斬新さと奇抜さは他社メーカーのクルマに大きなインパクトを与えた事は間違いありませんが、さすがにBMW自身もちょっとやりすぎたと思ったのでしょう。新型はどちらかと言えばコンサバティブとも取れる落ち着いたデザインを採用してきました。

それはインテリアでも同じ。ドアを開けエンジンをスタートさせ発進…という流れでさえ今までのクルマと大きく異なったアプローチをとっていた旧型に比べれば、新型は説明書なしでもOKな範囲に落ち着きました。もっとも、コラムからフロアに戻されたジョイスティック型のシフトはこれはこれで操作し易いとはとても言い難く、10インチ超のモニターに視認性は素晴らしいものの、これでも改善されてマシになった方とは信じられないiDriveのインターフェイスの合理性の欠如した操作性は相変わらずではありますが…。

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しかし、あくまでもBMW最大の美点はその走り。それが例えSUVであろうと、新感覚5ドアハッチバックだろうと、そしておそらくは自ら運転するのではなく運転手を雇うような層が買うこのクルマでも、その例に漏れる事はありません。

・今あるBMWの全てを味わえる1台

発進時のレスポンスに一瞬ナーバスな一面が時々現れるものの、走り始めればとにかくスムーズかつ圧倒的な加速力。1500〜7000回転弱まで一瞬に、しかしながらその経過はとてつもなく艶のあるドラマティックなフィーリングを味わわせてくれます。アクセルを思い切り踏まない限りはいたって静寂でジェントルですが、走行後のエンジンルーム内の熱の凄さと街乗り燃費の極悪ぶりからも、このクルマのとてつもないポテンシャルを実感できます。そしてその性能を余す事なく伝えてくれるのが、レクサスLSに並ぶギア数を持つ8速AT。その変速のスムーズさとレスポンスの素早さ、マナーの素晴らしさはトルコン式ATの究極と感じるほど洗練され尽くしており、シルキーさの真骨頂のようなエンジン性能の素晴らしさと同じくらい感動を覚えました。

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足回り関係はそれこそ至れり尽くせり電子制御盛りだくさん。とてもここで全て紹介し尽くせませんが、その効果はステアリングを握れば一発で分かります。この巨体、車重を全く感じさせないそのフットワークの良さと軽快感。足回りの設定はコンフォート、ノーマル、スポーツ、スポーツ+と4種の選択が可能で、コンフォートはダンピング性能の物足りなさをハッキリ感じるくらいのソフトさ、ノーマルは文字通りバランスが取れており、スポーツになるとまるで走る度にクルマが小さくなっていくような、そんな錯覚を感じるくらいの俊敏さを味わえます。ちなみにスポーツ+はDSCがカットされるため、とても公道で試す気にはなれず。タイアはフロント245、リア275の19インチですが、FRで544psのこのクルマのポテンシャルに十分余裕のあるキャパシティとは到底感じられなかった…と言えば、この760Liの凄さがお分かり頂けるでしょうか。さらにこれより上を求める方のためにも、わずか+25万円のエクストラでMスポーツも用意されています。

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フラッグシップだろうとロングボディだろうと、リアシートがモニター付で広大だろうとお構いなし。間違いなくこのクルマでも、一番乗りたいのはドライバーズシート。需要だのエコだのの理屈は横に置いておいて、相変わらずBMWというメーカーの絶対的フィロソフィーには敬服するしかありません。

レポート:岩田 和馬
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2010年02月16日

JAIA試乗会その5〜独メルセデスE350クーペ〜

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○メルセデスベンツ E350クーペ
「スタイルはEクラス、でも中身はCクラスのクーペ」だったCLKが、ブランニューとなりEクラスクーペと名称も改めて日本市場に登場したのは昨年の夏頃。成り立ち自体にはこの型でも従来と同じなのに、Eクラスを名乗るだけで俄然クラスアップしているように感じられるから不思議です。
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爬虫類を思わせるフロントフェイスこそ好き嫌いが分かれそうではありますが、リアドアがなくなった事によりEクラス特有のリアフェンダーの特徴的なデザイン処理がさらに際立つようになったのも、このクーペの良さの1つ。ピラーレスのクーペながら、ニヤけてしまうほどバシッと閉まるドアの開閉感にホレボレしながらエンジンをスタートさせると、後ろからニョキっとシートベルトを自動で差し出してくれます。

・クーペならば、量よりも質を

DOHCのV63.5Lエンジンは、そのパワーは十分以上のゆとりの性能であることはもちろんの事、スムーズさと吹けの良さに関してもかつてのSOHC時代のモサーっとした眠たさが嘘かのように軽やかなフィーリング。その良さをさらに引き出してくれるのはATの7G−トロニック。レスポンス穏やかなコンフォートとキビキビ俊敏に走れるスポーツの2種の制御の仕方も実に上手です。

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そうは言っても「シャシーはエンジンより速く」というメルセデスの公式通り、ハンドリングに関してもこのEクーペは実に素直。フットワークだけに注目すれば、ロールも大きめでゆったりとした乗り味ではありますが、相変わらずズバ抜けてスムーズなステアフィールに足回りの動きの良さとしなやかさはさすがであり、Bピラーレスながらボディ剛性に関しても全く不安を覚えません。タイアは昨今のエコ意識の高まりに合わせて、転がり抵抗も視野にコンパウンドチューンが施された235/45R17のコンチネンタル。オプションで前後異型の18インチを履くAMGスポーツパッケージも選べますが、クルマの性格を考えればこのノーマルでも十分立派なサイズでしょう。

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今回試乗したのはV6の3.5L搭載モデル。最近では流行りの「エフィシェンシー」を名乗る4気筒1.8L直噴ターボを搭載するE250CGIが注目されがちではあります。しかし、このEクラスクーペでお勧めなのは個人的には350。価格は約200万円もの無視できない大きな差が存在しますが、この上質なミドルクーペの雰囲気を味わってしまうと、その魅力はなかなか捨てがたいものがあります。絶対的なパワーは十分でもその加速する過程でのフィーリング、無視できない5速ATと7速ATの差などなど。また直4とV6とのノーズの重量差によるフットワークの違いも、これがCクラスならば魅力に感じるけども、Eクラスのクーペとしてキャラクターを考えると…個人的には350がベストバランス。むしろ4気筒のほうで気になるのは、先日の改良でCクラスの1.8LSCに代わって搭載された200CGI仕様の方のエンジンかもしれません。

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800万円超とかなりの高額なミドルサイズのプレミアムクーペ。このクルマを今回のようなヴィヴィッドなレッドのボディーカラーでサラリと乗りこなせれば、それはそれは素敵なシチュエーションでしょう。いずれ登場するであろう、「幌仕様」のEクラスカブリオレにも今から是非期待したいところです。


レポート:岩田 和馬
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2010年02月11日

JAIA試乗会その4〜独ゴルフGTI編〜


○VWゴルフGTI
さてお次はゴルフのホットモデルであるGTI。今話題なのはつい最近に登場したRモデルですが、以前のR32はV6エンジンという優位性はあったものの、今度は同じ4気筒ターボ。4WDではあるもののその分重く、また価格もナビの標準化に伴って500万円超。いくらなんでもゴルフで500万円オーバーは…というわけで、改めてこの機会にGTIに試乗。テスト車は18インチホイール+電子制御可変減衰ダンパーのDCCが装着されたモデル。ちなみにオプション価格は21万円、見た目のカッコよさと走りの自由度(コンフォート、ノーマル、スポーツと3種類設定可能)アップからすると、なかなか魅力的な装備と言えそうです。

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ゴルフ6が素晴らしいポテンシャルをもっているのはここの試乗記でもお伝えした通り。さてその最強グレードであるGTIは…もちろんその名に恥じず、こちらも実力の高さはまさに「恐るべし」と表す事ができるでしょう。先代GTIのような視認性を無視したデザイン性重視のメーターが、コンベンショナルなフォントへと戻ったのは○。やる気満点の異型ステアリングを握りしめて走り出します。

熟成に熟成を重ねた6速DSGはこういった低速時でも、いまやそのマナーにはなんの違和感も唐突感もありません。足回りは、スポーツグレードだというのに荒れた路面でも跳ねるような動きは全く見せず、ロードホールディングの高さは圧倒的。ただ最新のDCCをコンフォート状態にしても、大きめの入力があった時の18インチ40扁平タイア自体の硬さを伝えてくるのは致し方ないところ。むしろこのタイアサイズでこれだけの乗り心地を実現しているのはDCCがあればこそ、なのでしょうが、逆に言えば17インチ仕様にこのDCCが装着できるようになれば、それこそ快適性とパフォーマンスの両立レベルはさらに上がるのでは。

・完全無欠最強のホットハッチ

さて、慣れてきたところでひとたびアクセルを踏み込むと、乾いた気持ちよいエキゾーストサウンドを響かせながら、先代比+11psの2Lターボエンジンはレスポンス良く反応して4000、5000、…そしてレッドゾーンの6000回転をはるか越えて6700回転付近までイッキに吹け上がります。ここでパドルを弾けばまさにスパッっと電光石火のごとく切れ目のない変速を行い、さらにグングンと加速。高速域でのスタビリティの高さは天下一品。ブレーキング時でもFFながらノーズダイブの大きさを感じさせず、驚異的なリアのどっしり感を保ったまま減速、シフトダウンでもDSGは見事すぎる変速を決めて、コーナーへ…。

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この一連の流れで感じる、楽しさと安心感とのバランス。ドライバーへ伝わるインフォメーション性の豊かさと頼もしさ。ゴルフの美点は、ガンガン飛ばしている時はもちろんの事、街中をごくごく一般的な速度域で普通に走るだけでも、実にその良さがしっかりと感じられる点。刺激性の大きさの違いというだけで、これはトレンドラインであってもGTIであっても、変わる事はありません。誤解を恐れずに言うならば、これよりも速いクルマ、広いクルマ、快適なクルマ、実用的なクルマ、コストパフォーマンスに優れるクルマ、楽しいクルマ、はそれぞれ幾多に存在しますが、それらをひっくるめて1台にバランスよくまとめた時に、まさにこのゴルフGTIほど全てに置いて優等生さをキープできるクルマは、世の中にそうそうないでしょう。

ハッキリ言って、優等生すぎてどこか1つくらいケチをつけてやりたい…へそ曲がりな性格だとそう思ってしまいたいくらい、どういった状況でも視点でも、実に良くできています。よく出来すぎていて面白くない…とも言えるかもしれませんが、それらのバランスは「オール4」の優等生でまとめられているのではなく、「オール5」でバランスされているからもうグウの音も出ません。

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実用上では1.4Lのツインチャージャーでなんら不足のない性能を確保している事を考えると、これが性能的にも価格的にも、これがゴルフのトップレンジとしてのギリギリのところでしょう。さらに望むとするならば、Rが最近の過給化排気量ダウンの流行に乗っ取って、V6から直4ターボへとなり結果GTIとキャラクターが接近したと言える現状をみると、果たして「次のGTI」はいったいどういった手法で我々ユーザーをあっと驚かせてくれるのか。それが少し楽しみでもあります。



レポート:岩田 和馬
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JAIA試乗記その3〜米シボレートラバース編〜

○シボレートラバースLT
さてお次はシボレーの…SUVというべきか、ミニバンというべきか。一瞬表現する事に慄いてしまう、トラバース。まず概要を軽く説明すると、ボディサイズは全長5.2m超、全幅約2m、ホイールベース3m強、最小回転半径6.2mという日本規格外のスケールのデカさ。写真では案外それほど大きくは見えないものの、タイアサイズが55扁平の20インチというとんでもない巨大なサイズである事を考えてもらえば、それがデザインによる錯覚であるとご理解いただける事でしょう。

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パッと見SUVっぽいスタイルですが、それにしては低めでスポーティなフロントバンパー下部のデザインに注目。中身は3列シートの8人乗り。シボレーはこのトラバースをCUV(クロスオーバー・ユーティリティ・ビークル)と謳っていることからも、ミニバンとSUVのクロスオーバーのアメ車的解釈…とでも言えばいいでしょうか。

ラインナップはFFのLSと、今回試乗した4WDのLTの2種。いずれもエンジンはV6の3.6L直噴で、6速ATが組み合わされるというようにいたって現代的。車重はFFのLSでさえも2トンを軽々と越える超重量級。果たしてその走りは…。

・案外マトモな走りの印象

インテリアは質感面で言えば「やっぱりアメ車」な印象ですが、操作系も含めて極めて乗用車ライク。エンジンをスタートすると、グリーン色に光るメーターの針がビューンと一振りするデモンストレーション。おぉぉコルベットみたい!!…という冗談はさておいて、でっかいボディにビビりながらスタートさせます。

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足回りは完全にソフト志向。ロールも大きく動きもゆったりしていますが、別にギャンギャン飛ばすクルマのキャラクターでもないのでこれはこれで○。驚いたのが「ただひたすら柔らかい」というだけでなく、案外ボディやステアリングフィールがしっかりとしている事。このトラバースのシャシーは乗用車向けのモノコック構造であり、柔らかいけども安っぽいルーズな印象は抱かせません。電動パワステは軽めのセッティングでハンドルのグリップも握りやすく、狭い路地などに迷いこんだりしない限りは、取り回しのしやすさも思っていた以上で案外ラクに運転できます。

さすがに2.3トンの車重に対してV6エンジンは余裕しゃくしゃく…とまではいかないものの、それをマニュアルモード付の6速ATが実に上手くカバーしており、低速域でのんびりクルージングするような場面では静粛性は高く、ひとたび踏み込めば上までシュンとキレイに吹けてくれます。ボディサイズを考えればやはりV8のほうが合っている…のでしょうが、日本で乗る分にはこれで十分。さらに言えば約100kg軽くなるFFのLSならもう少し余裕のある走りを得る事ができるでしょう。

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そして最後に価格。この4WDのLTは598万円。FFのLSなら498万円と、このボリュームを考えれば決して高くない?SUVであってもミニバンであっても、ついついスポーティな路線へとシフトしがちな日欧車と比べれば、このジャンルのアメ車はまさに「元祖ミニバン 我が道を行く」状態。それに実力の高さは乗用車ライクでなかなかのもの。

ただ日本では、こういったプレーン風味で比較的まとまりのあるアメ車より、もっと個性的でアクの強いアメ車らしさを存分に出したモデルのほうが売れるんやろうなぁ……というのが、個人的な本音ではあります。



レポート:岩田 和馬
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