いやいやタイしたもんであります! 国交省は突如高速道路料金の大幅値下げを前倒して実行すると発表した。衆院の解散総選挙を睨み、国民に「甘い飴」をシャブらせようという作戦なんだろう。つい先日まで首都高を値上げしようとしていた当局(首都高速会社も民営化されたと言え国交省の仲間)の対応と思えぬ。
実際、バラマキに対し「よくやった! エラい!」と評価する人は多いかと。私も10月末のラリーで高速道路をたくさん使うから、素直に嬉しいです。おそらく自民党はこの値下げを相当強力にアピールしてくるに違いない。そしてさらなるバラマキ策を公表してくることだろう。当然ながら民主党の引き締め策より人気出るハズ。
ここでの評価は大きく分かれる。常識的に考えるなら明らかに間違った策だ。多少高速道路料金が安くなっても、一時凌ぎ。間もなくやってくる年金&国民健康保険の破綻、高齢者医療費の激増に代表される「決定的な大波」に耐える社会システムを創り上げることなど出来ない。将来的にはもっと厳しい状況が訪れるということ。
ただ現実的には息継ぎが可能。まぁカンフル剤や痛み止めのようなもの。原因を直すことなど出来ないものの、症状を緩和させられる。まぁ最後まで痛み止めを打ち続ける、という手も幸せかもしれませんけど。というか、現在の我が国の状況を見てると、この私でさえバラマキがベストな選択かもしれない、と思えてしまう。
興味深いことに経団連は「11年度から消費税を10%に上げろ」と提言するという。どうやらホンキで日本の財政を立て直す気でいるようだ。この状況で消費税など上げようモノなら、消費はイッキに落ち込む。されど考えようによっちゃ、消費が落ち込み一段と酷い状況になってニッチもサッチもいかなくなり「終了」になるかも。
●本日から同士塾(今社会貢献によって日本をなんとかしたい、と考えている起業家の集まり。近々詳しく紹介します)メンバーの異論や反論、補足、意見を紹介していきます。読者の皆さんも御意見あれば積極的にコメントをどうぞ!
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なぜ経団連は消費税10%か BFT代表 平山雅一
経団連は消費税を10%にすることを提言している。この事に関して、先日大学生に質問された。
「消費に甚大な影響を及ぼす政策をなぜ経団連は支持するのか?」
「モノが売れなく状況をなぜ企業集団である経団連は支持するのか?」
簡単に述べると、企業にとって実質的な減税となるからだ。
経団連の主張を正確に、そして乱暴に表現すると、
「消費税を10%にし、その代わり社会保険の事業主負担を撤廃せよ!」
なぜかマスコミでは社会保険料の事業主負担の撤廃のことに触れていない。企業側の最高にハッピーな社会の構図は、
・社会保険料の事業主負担を撤廃
・法人税の大幅な引下げ(15%ぐらい)
って感じ。企業の社会保険料の事業主負担(給与から天引きされている社会保険料と同額を企業も負担している)は大雑把に人件費の15%ぐらい。年500万の人を100人雇っている会社だと、年間で7500万のコストカットに。大幅な減税だ。
経団連の主張が、
「政府部門を半分に、消費税と社会保険料の事業主負担を2倍に」
って感じの主張ではないことだけはお間違い無きよう。
・平山雅一 (株)BFT代表。大阪出身。人を育てることが趣味?
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