変更点を挙げていくと
★1.3リッター
・空気抵抗低減も狙った前後のデザイン変更
・エンジンのフリクション低減、熱効率向上による燃費アップ(リッター24kmから24.5km)
・ECONモードの追加


その他にもパワステなどのフィーリング面の見直しなど、細かい部分の改良も多数施されています。価格は若干上がって123万円からとなりましたが、フィットならでは広さなどの内容を考えればまだまだ割安と言えるのではないでしょうか。
★1.5X
・内外装の高級化
・遮音材の追加による静粛性の向上

ブラウン系のボディカラーがより高級感を感じさせる
このグレードは以前から余裕ある1.5リッターエンジンにクルコンが付いているなど、「ちょっと乗ってみたい」と思わせるグレードでした。今回のマイナーチェンジでは足回りが安定志向の欧州仕様のセッティングになるなど、上のクラスの車からダウンサイジングしてくるユーザーや小さくてもいい車が欲しいというユーザーの選択肢にも挙がりそうな車になりました。
★RS


・6速MT、専用マフラーの採用
・ボディ下面のパフォーマンスロッドの追加などによるボディ剛性向上
・サスペンションセッティングの変更
スタイルからして一番変わったのがスポーツグレードのRSです。やっぱり「ホットハッチはこのくらいやってくれるといいな」と素直に感じます。変更点に関してはスポーツグレードらしさを増すという意味では常套手段に思いますが、個人的に注目したいのは6速MTのギアレシオです。同じギアボックスを使うCR−Zと比べるとギアレシオ自体は1速/ローギヤード、2速は同じ、3速/ハイギヤード、4速以上/ローギヤードというものなのですが、ファイナルが約10%ローギヤードになっています。さらにタイヤの外径もCR−Zより小さくローギヤードになっていますから、ハイブリッドとエンジン車という違いはあるにせよ、小排気量車らしい高回転を維持出来るセッティングになっていることを望みたいところです。またシフトフィールも大味な部分を感じたCR−Zに比べると、カチカチというかピリリとしておりちょっと嬉しくなってしまいました。
さらにインテリアもオレンジの内装色が目立つだけでなく、ステアリングの10時10分の部分が太くなっていたり、ステアリングとシフトノブに社外品のようなステッチが入っているのもスポーツ性という意味では見逃せない演出です。

フィットの1.5リッターは草レースをしていた際に「これで耐久レースしてみたい」と思っていた車で、新生RSには比較的安く買えるスポーツモデルとしての仕上がりに期待したいところです。ちなみになぜフィットで耐久レースをしてみたかったかというと、1つは速さはともかくとしてサーキット走行でも燃費が良さそうなこと。もう1つはフィットはセンタータンクなので給油口と燃料タンクの間のホースに凄くたくさんガソリンが入りそうな気がするので、燃料タンクの量以上にガソリンを多く持てれば航続距離が伸ばせて、給油回数を減らせればトータルで勝てるのではないかという目論見があったからです。何せ私の出ていたレースでは長丁場になると軽くて燃費がいいスターレットのNAやカローラUの1.5リッターが普通に優勝していましたから。
話は大幅にずれましたが、とにかくこのマイナーチェンジでフィットはハイブリッドや既存グレードの改良でさらに魅力的なコンパクトカーになりました。スイフトのフルモデルチェンジや今後はヴィッツとラクティスのフルモデルチェンジもありますが、王者の座は当面安泰と言えるのではないでしょうか。