2010年05月11日

注目の最新独車試乗1〜ゴルフ1.2TSIトレンドライン〜

http://twitter.com/kazuma_iwata

ツイッター、随時更新中!
フォローして頂ければ幸いです。


この5月をもって、この場でレポートをアップさせて頂き始めてから丸2年経過し、3年目へと突入しました。いつもご覧頂いたりコメントして頂いたりと、本当にありがとうございます。3回生となりゼミや就職活動なども本格化し始めてきており、なかなか以前のように頻繁にとはいきませんが、これからも叱咤激励のほどをよろしくお願い致します。

・・・・・・

いったいどこまで小さくなっていくのだろうか。VWが推し進め世界中のガソリンエンジンに広まりつつある「過給+排気量縮小」のダウンサイジング化の流れ。そのTSI系の究極の最終形とも言える1.2Lターボを搭載するゴルフ「トレンドライン」の試乗レポートをお届けします。

008.jpg

まずはスタイリングから。いかにもベーシックモデルらしく、エクステリアはシンプルそのもの。1.4コンフォートラインとの違いは、バンパーのフォグ・コーナリングライトの有無とメッキパーツの省略、アルミホイールが装着されない程度…ですが、この3つだけでも結構見た目の雰囲気は大きく異なります。なお燃費を意識してか、タイアも205/55R16に対して195/65R15と1サイズ細いエコタイアが装着(試乗車はコンチネンタル)されています。また蛇足ながら、リアエンブレムの「TSI」の表記がハイラインは「SI」が赤、コンフォートラインは「I」のみ赤、そしてこのトレンドラインは全てシルバー塗装という差別化で各グレードが判断できるようになっている遊び心も。

004.jpg

インテリアの印象はパッと乗った感じでは、ゴルフらしい空間そのもの。しかし細かく見ていくと、コンフォートラインと比べて、ステアリングやシフトノブが本革→ウレタンとなるのはすぐ気付くとして、インパネのパネルの模様が異なっていたり、シートの表皮や一部の調整機能が省略されていたり、エアコンが一部セミオート化されていたりと変更点は少なくありません。このトレンドラインだけを見てそれしか知らないのであればいいものの、一度コンフォートラインやハイラインを見てしまうと…このあたりの判断は個々で分かれそう。しかしながら6エアバッグやESPなどの安全装備はトレンドラインでも抜かりなし。リアシートに収まれば上級グレードと差も分からなくなります。

005.jpg

さて注目のエンジンですが、ダンパーで開閉するボンネットを開けると、対比してその質素さとスッカラカンぶりに驚くはず。見た目がゴチャゴチャしていて、これでは「だから国産車はこういうところが欧州車に劣っていて…」と一昔前なら叩かれていたかもしれな……と、これはゴルフのお話でした。まぁいわばこういった無駄な保護パーツを用いないのも、一種のエコ…?

地面が見えそうなくらいスッカラカンなそのエンジンルームを見ていると、パッケージング的視線で見ると無駄以外の何物でもありませんが、そんなおかげで軽量化の効果は大きく、1.4LTSIシングルチャージャーと比較して20kg以上も軽くなっています。ちなみに1.4LはDOHCですが、こちらの1.2はシンプルなSOHC2バルブ。…しかしシンプルだけにあらず、ターボのウェストバルブの開閉が油圧式から電動式となり、さらにきめ細やかに過給圧コントロールがなされるようになっているなど、実に細部にわたって改良が施されている最新ハイテクエンジンそのものなのです。


さて、いよいよ試乗へ。今回は市街地メインの15〜20分程度の規模だったので詳しくその印象を記す事はできませんが、結論から言えば今までその排気量の大きさのイメージをことごとく(いい意味で)破ってきたTSIエンジンシリーズ、結果今回もその例に漏れず。わずか105psの1.2Lターボエンジンですが、アクセルに対する反応は実にパワフルで、街中を走る限り力不足はほとんど感じられません。それもそのはず、1270kgと比較的軽量なボディを7速DSGで走らせるこのトレンドライン、いわゆる数値データ上のゼロヨン、0−100km/h加速、追い越し加速などのタイムを見る限り、先日話題を振りまいたCR−ZのCVT仕様のデータと、ほぼあらゆる速度域やシチュエーションでほとんど差がないのです。厳密に言えばコンマ数秒ずつ遅れはあるものの、こう言ってもらえれば、このトレンドラインの性能の「必要十分さ」はお分かり頂けると思います。

006.jpg

始動直後のカラカラとしたエンジン&排気音に安っぽさはあるものの、走り出してしまえば室内は静寂そのもの。FFでありながらステアリングなどに振動が伝わらないのもゴルフの美点、そして余計なものはシャットアウトしながらも、路面のインフォメーションをキッチリと伝えてくるステアフィールの良さは相変わらず抜群。ノーズが軽くなった事でステアリングの手ごたえも少しライトな印象でターンインも実に軽快にこなしつつ、ブレーキング時のリアのどっしり感もさすが。細めのタイアの影響か、路面からガツンとした入力時の穏やかさもシリーズ中ベストのコンフォートさを味わえます。


…と各方面でひたすら絶賛される理由が走っていて分かりつつ、あまり書かれていない個人的に気になる部分もチラホラ。限られたパワーを余すことなく伝えてくれて、間違いなくゴルフの走りの良さの印象を高めてくれる、この電光石火の如くスパッと変速をしてくれるクロスレシオの7速DSGですが、走り始めのほんの一瞬、やはりまだナーバスさがチラホラと顔を出します。1.4LTSIを始め、GTIではかなり改善されつつあると思っていましたが、この1.2との組み合わせでは、エンジン過給が始まる前の極低回転での一瞬のモタつきとそのあとのつながりの唐突さが少し気になりました。もちろんコツをつかんでゆっくり丁寧にアクセルを開ければその違和感は減りますが、ストップ&ゴーの頻発する日本のシティユースでは少し気になる点かもしれません。因果関係のほどは分かりませんが、この1.2Lのネガは、アクセルを深く踏み込んだ際のパワーの大小ではなく、むしろもっと低速での日常域で顔を出すように思えました。

003.jpg

また、プリウスやインサイトに比べれば「格が違う」レベルの差があるものの、ゴルフ同士で比較してしまうと、このトレンドラインが履くエコ傾向のタイアでは、コンフォートラインやハイラインと比べると全体にザラっとした印象はどうしても拭えず、65扁平のおかげで入力自体は穏やかなものの、言うならば「乗り心地」はいいけども「乗り味」は少し劣ってしまうように感じられます。基本的に絶対レベルではこのトレンドライン単体で見れば十二分の実力を持ってはいますが、一度上のグレードが持つゴルフの乗り味を良さを知ってしまうと、燃費の向上分の代償はある程度感じられる…というのが正直な感想です。

001.jpg

さて結論。エンジンの見た目は安っぽい1.2LTSIエンジンながら、乗ればまた「やられた!」と笑顔がこぼれてしまう、そんな嬉しい裏切りを再び見せてくれる実力の高さ。しかしその他の部分、エクステリアやインテリアの差、タイアに起因する乗り味の差は、少なからずとも車好きであるならば、そしてゴルフ「6」に乗るならば、ちょっとだけ気になるのも事実。もちろん燃費ではトレンドラインのほうが上でしょうが、「必要十分」であっても、コンフォートラインとの装備差と21万円という価格差を照らし合わせると……257万円という価格は十分にバリューではありますが、ゴルフシリーズ全体の位置関係で見比べてしまうと、もうちょっと安くてもよかったのでは、というのが本音。

007.jpg

僅かな装備差と走りの質感の差には目を瞑って、むしろあえてこのベーシックさがゴルフらしくて、ドイツ車らしくていい!と感じられれば、トレンドラインをお勧めしない理由はありません。しかしながら、肥大化しクラスを超越する質感を得たゴルフ6の姿に、旧来ゴルフの質素堅実シンプルさを求めるのは、個人的に今となっては少し違和感が残ってなりません。むしろそういったものを望むのであれば、もうすぐ登場予定、同じエンジンと同じトランスミッションを搭載する、ポロの1.2TSIに期待をしたいと思います。ないものねだりを言ったところで仕方ありませんが、もしゴルフに「1.2TSIコンフォートライン」があれば、個人的ベストチョイスのゴルフと言える…それが今回の試乗した上での結論です。


・・・・・

01_l.jpg

さて次回は最新輸入車試乗レポート第2弾、フルモデルチェンジしたBMW5シリーズの試乗インプレッションをお届けします。




posted by 親方 at 22:31| Comment(1) | TrackBack(0) | 岩田和馬 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
ゴルフの1.4TSIはアウトバーンにてたった122psの分際で時速220km/h前後をマークしたという試乗報告を見たことがある。
いかにマニュアル仕様とはいえ、これはどうにも出来すぎには他ならない。
そんな卓越した効率を弟分、1.2TSIにも生かし、1.8L並のトルクで1.6L級のパワーを持った新しいタイプの実用エンジンとして熟成に熟成を重ねてもらいたい。
Posted by 真鍋清 at 2010年05月29日 01:59
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。
※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

この記事へのトラックバック
×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。