2010年01月15日

21歳が考える、これからの車の魅力についてB 〜ロードスター試乗〜

さて、お次はロードスター。昨年09年には登場20周年を迎え、オーナーの方で三次のテストコースでのイベントに駆け付けた方もいたのでは。今回は現行NCのマイナー後モデル(NC2)のテストを行う事ができたので、その印象も含めてお伝えしていきたいと思います。

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テスト車は幌仕様ではなくメタルトップのRHT仕様のRS・6MT。ボディーカラーはとてもシックで上品なカッパーレッドマイカ。マイナー前モデル(NC1)と実際に乗って比較すると、以前この場のレポートでお伝えしたように、スタイリングはもちろんの事あらゆる面で熟成と改善が図られており、魅力度は想像以上にアップしていました。

スタイリングに関しては、野暮ったさがなくなり幾分スッキリとシャープにまとまった印象。個人的な事を言わせてもらうとNC1のスタイリングは登場当初から拒絶反応を示していただけに、このマイナーチェンジは個人的には○。温故知新には頼らない新鮮さが出たのも重要なポイントと言えるでしょう。

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インテリアも細部に変更が。ドアトリムの変更で足元がよりスッキリとし、メーターのフォントも変更されてより視認性がアップ。ただ見た目の質感で言えば以前のデザインも捨て難い…?同じように、ピアノブラックからシルバーに変更を受けた装飾パネルも、ホコリが目立たなくなった利点はあるものの好みが分かれる変更かもしれません。シートヒーターが5段階の温度調節機能付になったのは大変嬉しいポイント。

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さて、早速走り出してみましょう。シンクロ容量拡大やカーボンコーティングの施行などにより、6速MTのシフトフィールはまさに痛快。各ギアが吸いこまれるようにスコンスコンと気持ち良く入り、ストロークも適切。ガンガンに飛ばしながら素早いシフトをする時だけでなく、街中でゆっくりとしたペースで走っていてもシフト操作をするだけで気持ち良さが感じられる…6段となってATのポテンシャルもグッと向上していますが、やはりこの車は是非ともMTで乗りたいところ。

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そしてNC1なら個人的には5速の標準モデル(現行はSグレード)がお気に入りでしたが、このNC2では是非ともこの6速MTモデルがおすすめ。その理由は、この6速MTのみに「インダクションサウンドエンハンサー」が装着されるため。これは登場時に話題を集めた装置の1つで、エンジンルーム内のシンセサイザーが、エンジン吸気状態時に空気の流動量を増幅させることで、よりドライバーに乾いたサウンドと鼓動を伝える…という地味ながら実にロードスターらしい装置。

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その効果もあってか、今回NC2で一番良くなっていたと感じたのはエンジンフィールとそのサウンド。パワーこそ170psと変更を受けていませんが、クランクシャフトの鍛造化やピストンのフルフロート化、新設計のバルブスプリングなどの改良でエンジンには大幅に手が入っており、レブリミットも500回転上がって7500回転まで回るように。そのおかげでフィーリングはNC1のエンジンと比べると「激変」と言ってもいいほどで、いやはや失礼ながら、マツダのレシプロエンジンがここまで良く感じる事になるとは思っていませんでした。

いわゆるVTECのような可変リフト機能を持ち合わせていないので、トップエンド付近の弾けるような2段ロケット的な加速感は持ち合わせてはいませんが、こちらは3000〜5000回転のいかにもNAらしい乾いたサウンドとレスポンスの良さ、吹け上がりのナチュラルなフィーリングが持ち味。ワインディングを走っているとちょうど一番気持ちよく感じるサウンド領域とドンピシャで、歴代ロードスターでもエンジンフィールに関してはどこか事務的な印象が強く最大の魅力ポイントとして挙げる人は少なかったでしょうが、今回のNC2に関しては、エンジンに惚れた!という人がいてもなんらおかしくはないでしょう。数値上には一切変更がないのにこの激変ぶり、マツダのエンジニアのクルマを愛するひたむきさがアクセルを踏み度に思い出されます。

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そして足周りの改善も。ロールセンターを26mm下げたほか、それに合わせてサスペンションをリセッティング。その効果はターンイン時のフロントの接地性の向上とアペックス付近でのリアのスタビリティの良さに結びついています。NC1ではいわゆるNAで見られた「コーナーをヒラリヒラリと駆け抜けていく」という感覚を現代基準のボディサイズとサスペンション・タイヤキャパシティで演出しようとし、それが逆に初期ロールの大きさや唐突な挙動の変化を生む事になっていましたが、NC2ではFRスポーツの王道とも言えるよりナチュラルな挙動を手に入れました。タイアは205/45R17のBSポテンザRE050Aでややオーバークオリティ感もありますが、そこはRS専用のビルシュタインダンパーのおかげでバネ下のバタ付き感はさほどなく、乗り心地も十二分に快適と言えるレベルです。

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こちらもRS専用の大径ブレーキは、車重が軽いこともあってそれこそ効き過ぎるくらいに感じるほどのストッピングパワーを発揮し、ステアリングフィールも素手で路面をなぞっているかのようにコンタクト性とダイレクトさにあふれています。またDSCが標準装備されているのも、いざという時にはとても心強し。もちろん制御はスイッチ1押しでギリギリの領域まで介入を我慢させるもよし(途中介入する仕組み)、7秒間スイッチ長押しの裏ワザモードを使って完全解除してFRらしく遊ぶのもよし。この状態だとRSのよく効くトルセン式LSDのおかげもあって、定常円旋回もいとも簡単にバッチリと決めることができます。

非日常的な事ではありますが、FRの醍醐味を味わえるクルマがどんどん減りつつある現在では、こういった遊び心もスポーツカーには大切な要素です。その点こういったユーザーに委ねる部分を残しつつ現代の時代の流れもしっかりと組みこんでいるあたりも、ロードスターというクルマの大きな美点の1つと言えるでしょう。

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さらに注目したいのは、RHTの電動格納ルーフ。個人的にはオープンカーと言えば幌!とまだまだ思っているほうなのですが、このロードスターに関しては…クローズド時のスタイリングのまとまりの良さとラゲッジスペースを犠牲にしない実用性の両立、開閉時間の短さとその際の作動音の小ささ、またRHTのルーフオープン時が最も前後重量バランス的には50:50に一番近く、また重量物の移動差による挙動の変化も最小限。重量差は幌仕様と比べて50kgと決して小さくない数値ではありますが、クローズド時の遮音性もNC1のRHTよりさらに改善されていることもあって、さすがにここまで優位点があると幌よりもRHTの魅力度に軍配が上がります。単純にロードスターをFRクーペとして割り切って乗ってしまうのもそれはそれでアリでしょう。…続く。


レポート:岩田和馬
posted by 親方 at 03:32| Comment(0) | TrackBack(0) | 岩田和馬 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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