ポロは日本車だとフィットやヴィッツがライバルとなるコンパクトカーですが、個人的には本国で発売されている１．２リッターＴＳＩ＋ＤＳＧがプリウスやインサイトに対抗できる有力候補として注目していました。しかし、今回発表されたのは１．４リッターＮＡのみです。コンセプトとしてはキープコンセプトで、先代の魅力だった高いクオリティや質の高い走りなどを徹底的に磨き込むといった方向です。
スタイルは写真の通りです。
まさしく「ミニゴルフ」といった印象で、４ｍ以下の全長の車にしてはとても立派な車に見えます。ボディカラーは赤、白、黒、シルバーといったお決まりのカラーに加えて、青（来年初めから導入）、黄色（受注生産）といった鮮やかなものも用意されます。
インテリアも造形はオーソドックスなＶＷ流ですが、とてもコンパクトカーとは思えない質感。ガソリンのメーターまでデジタルになっているところはちょっとビックリしてしまいました。メーターと言えば、水温計もなくなっています。
リアシートはコンパクトカーとしては平均的な広さです。ゴルフもそうですが、ＶＷのリアシートは「とても真面目なメーカーだからすごく広い」というイメージだと意外に狭く、期待が大きいと拍子抜けしてしまうかもしれません。
ガラス面積が狭いせいもあって、閉所感も意外と感じます
ラゲッジスペースもリアシート同じく、コンパクトカーの平均レベルです。
標準状態
ボードでかさ上げした状態
エンジン、プラットホームといった機能面は基本的に先代のキャリーオーバーで、目立つのは５馬力アップの８５馬力になった１．４リッターエンジンと６速ＡＴでも贅沢だったトランスミッションが７速ＤＳＧ（コンパクトで軽量な乾式クラッチ）になった点。
本国仕様の動力性能は最高速１７７ｋｍ、０−１００ｋｍ／１１．９秒と十分満足できるもので、１０・１５モード燃費も１７．０ｋｍ／ｌと輸入車のカタログ値としては優秀です。ちなみに車重は１０８０ｋｇと先代より６０ｋｇも軽量化（先代は１１４０ｋｇもあったのか、という気もしますが）されました。
先代は数値よりずっとパワフルだった１．４リッターエンジン
価格はＥＳＰ、サイド＆カーテンエアバッグといった安全装備までフル装備で先代と同じ２０３万円。残念ながらエコカー減税、購入補助金は１３年落ちの車を廃車にした場合の２５万円のみとなります。先代にあったドアが２枚減るだけでいきなり３０万円も安くなる３ドアの導入も期待したいところです（３０万円という価格差の理由はまったく理解できませんが）。
なお、来年の春に導入される１．２リッターＴＳＩ＋ＤＳＧは排ガス星４つと基準燃費＋２５％適合となるそうで、購入補助金は期限切れになってしまうにせよ、確実に重量税と取得税の７５％軽減の適応となります。しかも価格は「先代の１．６スポーツライン（２２５万円）の後継相当」ということなので、２３０万円くらいでしょうか。この価格なら、ハイオク指定という不利はあるもののインサイトＬＳ（トップグレード、２２１万円）とも十分勝負になるわけで、ハイブリッドカーに対する強力な対抗馬で出ることに嬉しくなってしまいました。となると、ゴルフの１．２リッターＴＳＩもエコカー減税対応になるでしょうから、２５０万円前後の価格ならこちらはプリウスの強力なライバルとなりそうです。
というわけでポロを買うなら、１．２ＴＳＩを見てからにした方が良さそうです。
で日本仕様のポロは全長3995mmと25mm長くなっています。「何でだろう?」と日本仕様カタログを眺めていたら写真とイラストを見る限り、フロントバンパーより、チンスポイラーが前方に突き出しているのです。欧州ではフロントバンパーまでしか計測しないのに、日本ではスポイラーまで計測したのでこの差が出たのだろう、と推定しています。
このスポイラーはカドがたっており、バンパーより前に出ていては通常、国土交通省の認可は降りない筈ですが、「輸入車」だから認められたのかな、とも思いました。レポーターとしてのご意見は如何でしょうか。