
写真はスポーツ
9代続いたマークUを含めると11代目のモデルとなる新型マークXも長年続いている「中の上クラスのFRセダン」というコンセプトはそのまま。ですが、精悍になったスタイルにスタンダード、スポーツ、プレミアムという3つの顔を用意し、FR車らしい楽しい走りを目指すなど先代以上に若返りを図りました。スタイル自体は見る角度やボディカラーによって「クラウンっぽい」、「先代アコードっぽい」とも感じるものの、最近の4ドアセダンにしては珍しいくらい低く見える点などカッコ良くなったことは間違いないと思います。ただ、写真を整理していて気付いたのですが、どれがどの顔だったか区別しづらいのも事実で、そこはちょっと考えものかもしれません。

売れ筋と思われるスタンダード

最上級のプレミアム

4730mmの全長にしては長く見えるサイドビュー、全高は従来と同じ1435mm、全幅は20mm拡大の1795mm

後ろ リアビューは先代アコードのようなレクサスISのような感じ、そういえばバンパ一体(ぽかった)マフラーも普通の形に
インテリアは縦長になったインパネが特徴的です。

やっぱり質感はクラウンの勝ち、というより車格の差を出すのがうまいというべきなのでしょうけど
リアシートは足元空間は十分以上ですが、サイドウインドウの入り込みが意外ときついので圧迫感を感じる方もいるかもしれません。

リアシートは先代同様にトランクスルー、リクライニング機能付き
機能面は、基本的にエンジン、プラットホームともに先代のキャリーオーバー。しかし、エンジンは2.5リッターがレギュラーガソリン対応(最高出力は215馬力だった先代の12馬力落ちの203馬力)となり、3リッターも3.5リッターに格上げされました。

レギュラー対応が嬉しい2.5リッター
プラットホームも特に目新しい部分はないものの、「先代マークXでは乗り心地がゴツゴツしている」という声が多かったそうで、そのあたりのフラットライド感の向上に力が入っているそうです。なお、タイヤサイズはスタンダードとプレミアムが16インチ、スポーツが18インチとなります。現行クラウンやランクルプラドのような「熟成メインのモデルチェンジだけど劇的に良くなっていた」という仕上がりに期待したいところです。

スポーツの18インチホイール、3.5リッターは対抗キャリパー付き
価格はベーシックな250G“Fパッケージ”の238万円から。先代の同じグレードに比べると7万円ほど値下げされている上に、VSCやサイド&カーテン、ニーエアバッグまで付いていることを考えるとバーゲンプライスです。
3.5リッターは337万から380万円という価格帯。数が出るグレードとは思えませんが、「予算はあるけどクラウンはNG」、「クラウンの2.5リッターならマークXの3.5リッター」といった層には一定数売れるのではないでしょうか。
エコカー減税は2.5リッターの250G系の「リラックスセレクション」が対応しており250G“リラックスエディション”で269万円(単なる250Gとの差は助手席パワーシートくらい、パワーシートの重量増で車重のクラスをあげて減税に対応?)、重量税と取得税が50%軽減となります。面白いというか微妙なのがエコカー減税と10万円の新車購入補助金の対象とならない250G“Fパッケージ”との実売価格差(13年落ち以上の車を廃車にしてもらえる25万円の補助金は2.5リッターなら対象)で、30万円の定価での価格差が減税、補助金を含めると大幅に縮まります。しかもマークXは幸か不幸か全グレード車重が1510kg以上なので、減税対応グレードの買うと次の車検の時の重量税が上がってしまうということもありません。そう考えると、13年落ちより新しい車から乗り換える場合には来年3月までの期間限定となる面はあるにせよ、現時点ではリラックスセレクションがベストチョイスに思います。
もうマークXにマークU時代のような信仰があるわけではありませんが、それなりに需要はあるでしょうし、13年落ちとなるドリフトのベース車としても人気の90系、100系のマークUから買い替えも期待できる点を考えると、案外売れる予感がします。販売目標台数は時代を考えると強気にも思える3000台。なおレイツ名での中国での現地生産は先代がしばらく継続生産されるのか、とりあえずないそうです。
だから、コストパフォーマンスが一番重要なんです。そこをトヨタはキチンと押さえているのは流石です。
そもそも、マークXってのはトヨタの上級FRプラットフォームの良さをリーズナブルに
楽しむクルマです。
VSC+TRCが標準になっただけで立派なもんですよ、大バーゲンです。
そして、プラットフォームの熟成が進んで
今回のマークxは美味しくなってますよ。