2009年07月30日

レクサスHS250h その1

レクサスから初のハイブリッド「専用」車種であるHS250hが登場しました。プリウス旋風が吹き荒れる中での「プレミアムハイブリッド」であるHS。それはレクサスの中でのポジションも今までと少し異なる出で立ちであり、また一部ボディパネルを除きほぼ全ての外装・内装部品が専用となるものの、基本的なコンポーネンツを共用する「SAI」が年内にもトヨタブランドから登場予定。そんな中、395万円〜のプライスをかかげるHSはどのようなクルマなのか。簡単な試乗レビューも含めてレポートしたいと思います。


北米には日本でいうかつてのウィンダムである「ES」が存在するものの、日本には導入なし。今回のHSが日本では初のレクサスFFセダンとなります。3サイズは4770×1785×1505(mm)。ホイールベースはプリウスと同寸の2700mm。高めの車高の影響して、実際のサイズ以上に立派に、ISより1回り大きく見えます。全幅は少し大きめなものの、国内のアッパーミドルクラスと考えれば、そのサイズはほぼジャストサイズ。

FFなのでオーバーハングが長くプロポーションの悪さは否めませんが、ディティールは煮詰められており、街中ですれ違う度に、見ているこちらが恥ずかしくなってしまうレガシィB4のような、致命的な不格好さを露呈するような事にはなっていません。画像のような薄いボディカラーで17インチだと少し車格感が欠け、かつての「トヨタビスタ」を漂わす感もありますが、18インチ+スポイラー類が装着されるバージョンSは全体的なプロポーションもまとまりがでています。

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ヘッドライトは全車LED。このあたりはLShをなんとなくイメージさせるデザイン処理。フロントグリルはコンセプトモデルでチャレンジしていた造形を今回HSにて実践。標準・バージョンLは少しテカリ具合が強調されすぎな印象で少し安っぽく感じられましたが、スモーク調となるバージョンSのほうは○。なかなか斬新でおもしろい試みだと思います。

リアテール付近は相変わらずの「クリア」風処理。LEDテールを採用するとはいえ、実際の視認性的にも、車格感を損なうガキっぽさも含めて、このハイブリッド=クリアテールという風潮はいかがなものか。プリウスにエスティマにクラウン、どれも未来的な演出によるものでしょうが、個人的には首をかしげざるを得ません。GSやLSのハイブリッドはそうではないのに…と言いたいところですが、両車近日マイナーチェンジ予定なので、ひょっとするとこの悪い流れに沿ってしまう可能性もなくはないのでなんとも言えず。

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ボディパネル類のチリの小ささや抜群に素晴らしい塗装品質、メッキモール類の質感に高さなどは「さすがレクサス」と思わずにはいられない良好な出来。ただ、他のレクサス車はナンバー灯や室内灯はLEDで統一されていましたが、今回のHSでは通常のバルブ式に。こういった点でも、いわゆる「レクサスファミリー」といった統一見解が、今回のHSで徐々に方向転換を迫られている事を少し実感する1つのファクターと言えるでしょう。

ドアを開けシートに。ヒップポイントはセダンとしては高め。乗り降りはしやすいものの、シートに収まると、アップライト気味でそのポジションはどこか少しミニバン風。空力のためかプロポーションの改善のためか、Aピラーが前進し三角窓が設けられ、キャブフォワードが強調されているのもそれを感じさせる一因です。

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シフトノブは20系プリウスのようにハンドル脇に小さく構えており、一等地にはナビ操作の肝である「リモートタッチ」が鎮座。エコ・パワー・EVモードは相変わらずボタンによる操作ですが、操作系は上手くまとまっており○。現行30系プリウスのインターフェイスの安易さが、このHSで皮肉にも証明されてしまっています。唯一気になるのは、エンジンを始動する「POWER」ボタンが、右ではなく左側であり、HSではさらに上方へと追いやられてしまった点。乗れば必ず触るボタンだけに、なぜこのような微妙な位置へとなってしまったのかは大きな疑問。

メーターは左側にパワーメーター、右側にスピードメーター。ブルーを基調としており見た目の質感は高いものの、実際運転してみると左側エコメーターの動きが少し分かりづらい印象。針の色を変更するなど、もう少し見え方を工夫して欲しいところです。

ステアリングはRXと同一品。革の質感やステッチも十分に気を配られており、こだわりが感じられるパーツ。展示車がフル装備状態のバージョンLということもあり、右手には細かなスイッチ類のオンパレード。普段触る頻度が高いのはミラースイッチくらいでしょうが、この難雑さはせっかくのリモートタッチを応用して、どうにかならないものかと首をかしげてしまいます。

ついそう思ってしまうのは、リモートタッチの出来の良さ故。RXと比べてインパネに対してコントローラーが傾斜する格好で装着されているおかげで、操作性の良さは格段に向上。マウス感覚で直感コントロールできるこの分かりやすさは、BMWのiDriveを始めとする遠隔インターフェイス類とは比べモノになりません。幾分解消傾向とはいえ、いまだに分厚い説明書と格闘し慣れるまではスムーズに操作できないものから比べると、このリモートタッチはPCを普段使っているのならすぐに慣れる事が可能でしょう。欲を言えば親指での選択のクリックボタンが少し押し辛く感じる時もたまにありますが、さすが後出しなだけあってよく考えられています。

これからの課題は、このリモートタッチをナビだけでなく、オーディオやエアコンの操作系とも統一的に操作できるようにすることでしょうか。相変わらずインパネ上にはスイッチが大変多く、整理整頓されている印象はありません。「スイッチが多いほど高級っぽい」というのはもう古臭いインテリジェンスです。

8インチ式の大きなポップアップ式のモニターも視認性は抜群。普段はキレイに格納され見栄えもよく、昨今の「カーナビありき」でデザインされたインテリアのような野暮ったさは感じません。このモニターの動作のスムーズさを含めて、インテリアの質感はさすがの一言。プリウスなどと比較すると一番大きな差を感じるのはまさにインテリアであり、この出来を考えればその価格差分も十分納得。なにも価格の安さだけでプリウス購入を決めた人だけではないでしょうから、長すぎる納車待ちに嫌気をさしてこのHSへ鞍替えするユーザーの方も少なからずいることでしょう。

バージョンLでは本革シートが標準装備。今回のHSではその実際の生地の差よりも、インテリアのカラーを様々チョイスできるという優位点の方に心惹かれる部分があります。画像は地味なグレーの本革ですが、キャメルイエローやタンのシートカラ―はかなりのヴィヴィッドさ。こういった「トヨタではできない」チャレンジングな多彩な組み合わせができるのもレクサスならではと言ったところでしょう。

プロポーションはどうしても鈍臭くなるものの、FFのメリットが大きく表れるのはその居住空間。レクサスの中ではクーペ的なISはもちろんの事、GSよりも広々ゆったりとしたリアシートの居心地というのはHSの大きなセールスポイント。絶対的なレベルでいえば平均的ですが、セダンとしては少し疑問なISのパッケージングから比べると隔世の差があります。

HV車の宿命ともいえるラゲッジスペースに関してですが、こちらも「HV専用車」という強みか、容量的には十分。確かに奥行きは短めではありますが、バッテリーは奥下へグッと押しやられており、スクエアなスペースは使い勝手も良さそうで必要十分以上のスペース。ゴルフバックも楽々収納可能で、これなら大きな不満は出ないでしょう。これもFFだからこそのメリットと言えます。

posted by 親方 at 04:38| Comment(5) | TrackBack(0) | 岩田和馬 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
いつ読んでも客観性に欠けた独りよがりの個人敵な趣味趣向押し付け型「ケチつけ」ばかりで共感出来ません。
プロドライバー上がりのせいか所謂「俺にはわかるんだ」的なオタクやマニアックタイプの所見が多すぎて、一般のユーザー層が見えていないような気がします。
ついでながら文章の書き方も下品です。



Posted by Dom at 2009年12月03日 13:45
この間HSとSAIも見てきたのですが、個人的にはパッケージングに疑問を感じました。運転席に座るとスカットルが妙に高くて見切りがよくない(HSやSAIだけに限ったことではありませんが)し、ルーフが中央からリヤにかけて下がってきているのでやむを得ないというのもありますが、座高90cm以上の僕がリヤシートに深く腰掛けると1500mmも全高があるのにヘッドルームはゆとりが少ない。また、そうやって足を深く折ってきちんと座ると座面角度が浅いため太ももが座面から浮いてしまい、座っているうちに足が前へ投げ出し気味になってお尻が前へずれてくる。バックレストも寝かせすぎの印象。あれだけ広い空間があるのだから、もっときちんと詰めればより居心地のいい空間(姿勢良く長時間座っていられるということ)にできるのにと残念に思います。個人的には現行マークXのリヤシート(ただしバックレストを一番起こした状態)の方が座っていて楽に感じました。側頭部の圧迫感は強いものの、頭上のゆとりはあまり差がない印象でしたし。岩田さんはそのあたりいかがお感じでしょうか?
Posted by ty at 2009年12月03日 21:29
レクサスのIS250に試乗しました。
以前、ZEROクラウンに試乗したときと同じように、不自然な静けさで、後から頭痛になり気持ち悪くなりました。たぶん、運転に必要な情報であるノイズをカットしているからだと思うのですが。このような経験をしているのは私だけでしょうか。専門家のご意見を伺いたいです。

少し内容がずれているのですがお願いします。
Posted by 元スバルディーラーマン at 2010年02月20日 16:54
Domさん>
私はプロドライバー上がりでもなんでもありません。まだ一般素人です。まずその時点からの誤読なさっているようです。


tyさん>
お返事が遅れてしまい大変申し訳ありません。なかなか実車のリアシートを改めて確認する機会を設けられませんでした。お詫びします。

さて、HSのリアシートの件ですが、カタログ上の寸法表記の影響かもしれません。たしかに「頭上、膝前にこぶしが何個入るか」といった安易なスペース検算でだと広く見えるものの、実際の収まりの良さとはまた雰囲気が違います。今回の場合、やはり原因はシート座面の短さ・薄さのような気がしますね。ふくらはぎ付近がキチンとシートと接地せず体が前へとずり落ちてきそうになる。それをシートバックを寝かせてごまかそうとしている、といった印象でした。リアシートの掛け心地だけでいえば、プリウスのほうが座りやすいかもしれませんね。


元スバルディーラーマンさん>
おそらくそのような静寂によって特異な症状を感じられるのは貴方を含めて非常に少ない人数でしょう。普通はそのような事はまず考えられません。仮に窓を開けて走行音を入れながらドライブすればその感覚は解消されるのでしょうか?まず偶然や先入観に近い、個人的趣向の好き嫌いによる感覚発作的な症状なのでは。ノイズがあって頭痛がする、ならまだ分かりますが…。ならば現行のクラウンでは?マークXでは?マジェスタでは?LSでは?どうなるんでしょうか。

ちなみに、ZEROクラウンもレクサスISも、内装材の仕様について登場当初から大変すったもんだの事情が絡んでいます。そちらの方の原因を疑った方がよろしいのでは。少なくとも「ノイズが少なすぎて頭痛がする」なんていうのは、申し訳ありませんが言い掛かりに近いとしか思えません。
Posted by 岩田 at 2010年02月21日 01:37
同じレクサスつながりでもISシリーズ、最近とみに渋くて惚れてしまいます。
街中に腐るほど多いBMW3シリーズ(殆どが320i)やメルセデスCクラス(C200Kが圧倒的主流)らの間にあって、アウディA4やVWパサートCCらと並んで独特の存在感を発揮するIS250/350/F。中でもIS250/350のFパッケージは煮詰められたサスチューンを持った逸品、レクサスもプレミアムDセグメントにおけるブランド戦略が軌道に乗り、今後が大いに楽しみです。
かく言う小生は2004年式のヴィッツ1300U-L/81665kmを使用し、高速域でのエンジンの轟音に悩まされておりますがそれを尻目に我が両親は2009年式レクサスIS350(標準仕様)を駆って秋の伊香保に出かけやがった、この幸せ者め!

もう一つ、「レクサスISのある風景」で印象的に感じたのは某地方のダム建設現場にて、鉄板の敷かれた敷地をソロソロと入っていく一台のISセダン(多分バージョンLか標準と思われる)、前席にヘルメット姿のゼネコン役員二人を乗せて、実にアクティブに、密度濃く決まっていました!「ゼネコン上層部」と来たら黒塗りのクラウン/マジェスタ/セルシオと決まっている中、それより短くてシャープなISを駆る姿、vividさを現場に振りまいて感じられました。

LSからISまでのFRセダン三車種にHS250hさらに2ボックスFFハッチのCT200hを加えてどんどん広がるレクサスの世界、日本発プレミアムブランドの文化を鮮やかに発信する姿が見物だと思います。
Posted by 真鍋清 at 2010年11月03日 23:46
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