まず最初に前置きとして、試せたグレードは「L」「Sツーリングセレクション」「G」。SツーリングとGは軽く街中を試乗した程度、そしてLでは約550km強のロングランで燃費計測・走りのチェックなど細かくインプレッションしました。それらを今回はまとめた上でレポートする事を、あらかじめご了承願います。
スタイリングは随分と精悍となり、ディティールには空力的な処理が散見できます。年内納車も厳しいと言われる中、今年から来年にかけて、これから新型プリウスを街中でウジャウジャと見かける事になるでしょう。差別化のために、エアロやホイールなど、プリウス用のドレスアップパーツの需要も今後多く見込まれるはず。
また、燃費第一とはいえ、やはり純正の15インチタイアはかなり足元が貧弱に見えます。ボディのボリュームが大きく向上しただけに、見た目とのバランスで言えば17インチのツーリング仕様のほうが自然。思えば、初代が登場した時も、タイア幅は165ながら径は15インチ。そう考えると、幅狭のまま外径だけを大きくするチャレンジがあってもよかったかもしれません。
続いてインテリア。こちらではグレードの差がモロに出てくるところです。LとSでは見た目はリアワイパー、フォグランプがなくなる程度ですが、インテリアはセンターコンソールの違いや肘掛けの質感、また最大の難点として挙げられるのが、シートリフターがない事。ちなみに自分の場合、Lではどうしても自分のポジションを決める事ができませんでした。
Lで走った感想も後述しますが、もし自分ならこれだけでLは選択肢から外れます。また、SとGではシート表皮が異なりますが、個人的にはその差はほとんど感じませんでした。Sでは本革巻きステアリングが装着されませんが、こちらはオプションにて装着可能。握りはやはり断然本革巻きのほうがしっくりときます。
ステアリングのスイッチ類は、先代から比べるとかなり集約されました。先代ではエアコンのON/OFFや前後ウインドーの熱線までステアリングでコントロール可能でしたが、新型はそこまで徹底していません。操作の分かりやすさでいうと、個人的には先代が若干上。しかし、新型はタッチトレーサーという新機構があるだけに、こういった形で簡略化されたのでしょう。
その他基本的な事は、前回のレポートでお伝えした通り。Lではポジションに不満が残ったものの、S以上のグレードでは問題なく、ステアリングにテレスコ調整機能がついたおかげで、先代ではどう調整してもルーミーさが残ってしまうポジションは随分自然なものとなりました。
今回のロングランで新たに分かったのは、シートのレベルアップ。先代のそれはお世辞にも褒められたものではありませんが、新型はかなり良くなりました。それでもまだ「最高!」というレベルではないものの、1日元気よく走りまわった時の疲労感の違いは明白。少しタイトなポジショニングを取る自分の場合、新型のほうがはるかにフィット感、サポート性は上に感じられました。薄型化によるクッション性の低下も全くなし。シートサイズも十分なものです。
また、今まで共用していたナビモニターとTHSユニットのエネルギーモニターが新型から分離され、エネルギーモニターはセンターメーター内に。ナビユニットは通常のDIN企画となって、ユーザーの好みのものが装着できるように。
これでナビ表示とエネルギーモニターを同時に表示・確認できるようになり、個人的には好感を覚えたものの、常に乗るユーザーはナビシステムをそれほど毎回使わない事を考えれば、精細度が大きく落ち、分かりやすいとはいえなくなったエネルギーモニターには賛否が分かれるかもしれません。
このエネルギーモニター、下にはトリップメーターも備わっており、メインの画面では時間毎燃費記録・システム状況画面・そしてエコインジケーターが表示可能。エコインジケーターは普段の運転の際のアクセルワークに大きく貢献する画面ではあるものの、緑色の単色表示では、パッと見の視認性にやや欠ける印象。夜だとパワーモードが若干赤色に光っているのが見えますが、全体的な質感の面でも安っぽい感じは否めません。
ここはやはりメーターの色変化でアクセルワークを指南するインサイトのエコティーチング機能のほうが、分かりやすさと見栄えは確実に一歩先を進んでいる印象。絶対的な性能だけでなく「クルマとドライバーの疎通」というインターフェイス面での優位性も、こういったハイブリッドモデルではとりわけ重要になってきます。今回プリウスに乗って、逆にインサイトが、性能の差をできるだけカバーするために、インターフェイス関連が非常によく考えられているという事を実感しました。
また、インターフェイスで言うと、このシフトノブと「ECO」「PWR」「EV」ボタンにも一言。一応シフトノブに関して、開発陣の方は「一番操作しやすい場所に配置した」とのことで、確かにそれは間違いないのですが、それならばなぜ、この新設された「ECO」「PWR」ボタンも、どうせならシフトゲートの一部として操作できるようにしなかったのか。
現状ではシフトノブに触るのは、発進時と停車時、エンジンブレーキ時、そしてバックの時くらい。せっかく一等地にシフトノブを配置しておきながら、運転の際によく触れるであろう「ECO」と「PWR」のスイッチはボタン式。「バイワイヤ式なので、ボタン式のポジション採用も考えたものの、やはり手元を見ずに、一番運転しつつ操作しやすい場所にシフトノブを設置した」という開発者の言い分が、全く理解できない点がここ。走っている際に選択する頻度が明らかに高いモード選択がボタンでありながら、このような実際のインターフェイスの出来と大きく矛盾する、荒唐無稽の説明は全く理解に苦しみます。
実際、走りながら「ECO」「PWR」モードを選択する際、どうしても手元をつい確認しながらの動きになってしまうのは、全く人間工学的観点からも疑問としか思えません。また、スイッチの形もただ単に同じような形状に統一されており、特に夜間の走行中などには分かり辛い事この上なし。これなら、ステアリングにスイッチとして設置する事も十分に考えられたはず。
サイドのウォークスルーを諦めて、せっかくこのような一等地にシフトノブに配置したのであれば、「N」「R」「B」のポジションに加えて、「ECO」と「PWR」のモードもシフトノブで選択できるようにすれば、このシフトノブの位置の優位点を大きく生かして、使いやすさや操作性の分かりやすさは大きく向上したはず。実際の性能ではなく、こういった何の工夫もない適当さによってインターフェイス上での魅力を大きく削いでいるのは、まったくもって非常にもったいない、その一言です。
さて、実際の走りについてですが、すでに多くのところで書かれている通り、グレードによって乗り味がかなり変化するのが新型プリウスの特徴。まず、スタート時からの静粛性については、これは「S」や「G」が一枚上手。もともと絶対的に出る音が少ないため、「L」でも十分静かなのですが、エンジンがかかった瞬間やロードノイズの侵入など、実際に乗り比べてみると、軽量化のために防音材も大きく減らしている「燃費スペシャル」のLは、先代止まり。SやGではさらにクルマ本体の静粛性が向上している印象。どうせ新型を買うならば、やはりS以上を選んでいたほうがいいでしょう。100km/h〜ではさらに大きく違いが出るはず。
しかし、体感上の速さの進化でいえば、それを一番実感できるのはこのL。絶対的な軽さに加え、先代と同じ185幅のタイアを履く事もあって、加速感の向上が一番分かりやすく体感できます。このLはプリウス中の最高燃費車であると同時に、最速グレードでもあります。
もちろん、「最速」と言えるのは直線のみ。シャシーのポテンシャルアップによって、ボディの剛性感、サスペンションの接地性も非常によくなっているものの、このシャシーに対してこの185のグッドイヤーは完全にプア。例えるならば、骨格は確実に良くなっているものの、それに伴う筋肉が全くついていけていない、そんな印象です。
それでも、荒れた路面でブレーキング時にリアのスタビリティが不足気味になる傾向は薄れており、先代と同じ頼りないタイアでも確実にポテンシャルは向上しているのですが、このシャシーとタイアのアンバランス感は乗っていて、かなり違和感アリ。また加速感でいえば最速なものの、日本では使えない120km/h〜の領域からは明確に直進性やスタビリティが低下し、そこに安心感が伴う速さではありません。
もちろん、「プリウスでそんな走りなどしない」という意見はごもっとも。しかしながら、登りのワインディングで少しアクセルを多めに開けると、途端にホイールスピン&トルクステアに見舞われて、VSCが作動。ドライ路面でもこれほどのパワーを新型プリウスが実際持ち合わせている事を考えれば、高速域での安定感を含めて、最低限もう少しレベルを上げておきたいところ。
今回ブレーキもリアがディスクに格上げされ、その絶対的なすトッピングパワーだけでなく、ブレーキフィールも随分とよくなった印象なので、とりわけタイアのグリップ不足が顕著に目立ってしまいます。
そう考えると、195幅のBSエコピアを履くS/Gグレードは、スタビリティとグリップバランスが適度にとられていて、やはり実用域でのマッチングを考えるとこちらのほうがベター。単純に言うならば、「プリウスとしての進化」をより求めるならL、「プリウスの魅力を分かりつつ、自動車としての進化も」というのならS/Gの15インチ仕様を、という感じでしょうか。こちらは若干重くなり、タイア幅も太くなりますが、Lのどこか常に頼りない印象がつきまとうことはほとんどなくなります。
しかし、基本的なポテンシャルが満足できるレベルにあるものの、そこに伴う質感の面でいえば、S/Gでも「並」。荒れた路面での少しバタつく乗り味や、スムーズさは十分なものの路面とのコンタクト性がほとんど感じられないステアフィールなど、基本的な部分では先代プリウスの味を継承しているのが実情。先述したように、スタビリティや剛性感の面では進化しているものの、感覚的な部分での質感の向上はあまり感じられません。
それらを求めるならば、俄然お勧めとなるのが17インチを履くツーリングセレクション。215幅の17インチタイアだけでなく(17インチはBS・ミシュラン・トーヨーの3銘柄の中から)、ダンパーやサスペンションも専用品、また電動パワステのユニットも専用で、ステアリングギア比もこちらのほうが若干クイックな設定。
このグレードは17インチを履く事から「スポーティ」なグレードと思われがちですが、実際には走り面ではむしろ「プレミアム」なグレードと考えたほうがいいでしょう。当然ノーマルよりも少し硬めとなるものの、高速域でのフラット感を考えれば、乗り心地の良さはむしろこちらのほうが上。
ややスローすぎるステアレシオを含め若干違和感の残る標準系よりも、キチッとした操舵感を伝え、またステアレシオの方もツーリングセレクションのほうがむしろナチュラル。クルマの動きもスポーティというよりは全体がシャキッとした印象となり、今回の新型プリウスのシャシーのポテンシャルを一番有用に生かしているのがツーリングセレクションといえるでしょう。
もちろん、プリウス最大の魅力である「燃費」という事を考えると、少しばかり矛盾するグレードではあります。それに加え、Lの時に感じた「加速性」という面でも、このツーリングセレクションは、それほど大きく感じられません。排気量アップの効果も、このツーリングセレクションでは、重量増+17インチタイアで相殺されてしまうようです。走りの質感部分での魅力は大きいものの、動力性能の面でのメリットは感覚的に先代と同レベルにとどまります。また、最小回転半径が5.5mと大きくなってしまうのも、少し気になる点。
しかし個人的には「燃費」と「走りの質」のバランスを考えても、このツーリングセレクションは魅力的。また、この足と電動パワステユニットは、S/Gでソーラーパネル付電動サンルーフを選択するとセットで装着されるので、15インチ+ツーリングセレクションの足という組み合わせも可能。しかし、サンルーフが欲しい人なら良いものの、必要なければ単なる贅沢品。ソーラーパネルも現状ならエアコンの動作のみであり、それで20万円を大きく超える金額は微妙なところ。
変わってツーリングセレクションでは、LEDヘッドライトを始め、Lには標準なもののS/Gにはオプションのフロアアンダーカバーに、リアバンパースポイラー、17インチタイア&アルミが装着されて25万円。この乗り味が欲しいのなら、どちらかを選ぶ事になりますが、このあたりの選択の巧みさが、トヨタの販売戦略の上手いというか、憎いところです。
個人的には、Sツーリングセレクションに本革巻きステアリングを装着、そしてタイアサイズをあえて205幅の16インチ仕様にインチダウンする方法で乗り味を模索してみるのがお勧めパーソナルチョイス。もちろん、あくまでもプリウスのキャラクターを考えれば、最低限のスタビリティを確保した上で、できるだけ緩くソフトな味付けのセットアップをするのが本意的。
よく模範的仕上がりで、価格的にも比較対象として持ち上げられるものの、プリウスはゴルフを目指す必要は全くないと考えます。今回の6の素晴らしい完成度には感服しつつ、これがプリウスの目指す走りのキャラクターかと言われると、全くそれはナンセンス。そう考えれば基本的にはLグレードだけ乗っていれば不安はありません。
しかし、そこに「質」が伴うかどうかは話が別。新型のエンジン+モーターのポテンシャルや、シャシー能力とのバランスを考えれば、やはり今新型を買うとなれば、ツーリングセレクションの乗り味の質感は欲しいところ。基本的なキャラクターは大きくは変わらないので、ある程度燃費とトレードオフで手に入れる価値があると思えば、お勧めはツーリングセレクションとなります。
また、今回使用したカーナビはトヨタ純正メーカーオプションのものではなく、7インチのSD式シンプルナビ。しかしDVDの再生はもちろんの事、基本的な実用域での使い勝手はこれで十分なスペック。HDD内蔵でなくても、iPodが接続できれば音楽メディア内のボリュームも十分。
収まりの良さや画面の綺麗さなどでは確かに純正品やハイスペック品に若干劣りますが、このシンプルナビにバックモニターを装着するのが一番賢いチョイスのような気がします。それよりも気になったのは、新型のオーディオスペースの位置の傾きが、直射日光の当たり方によって画面が反射して全く見えなくなる時があるのは△。角度調整で若干改善はできたものの、実際のナビ装着の際にはぜひ1度確認を。
さて最後に、気になる燃費報告。今回のロングランで試したのは、燃費スペシャルグレードのL。先述したように、軽量なため動力性能でも圧倒的に有利で、パワー不足を感じた事は一切なし。ECOモードではさすがにアクセルレスポンスの鈍さが際立って、ほとんど街中でしか使用できませんでしたが、PWRモードにした際のスムーズかつ強力な加速感は、気持ち良いの一言。
また、足回りがLはフラフラなため躊躇なくとはいきませんが、性能的には2.4Lクラスの言葉に偽りなく、ハイペース領域でもグングンと加速していきます。この高速域での加速の余裕さと巡航時の回転数の低さは、排気量アップの恩恵によるものでしょう。また、リダクションギアの採用による効果も忘れてはいけません。反面、安定性は増すものの、重量とタイアの関係か、ツーリングセレクションだとここまでの動力性能の劇的さは感じず、感覚的には2.2L程度。もちろんこれでもレベル的にはゆとりたっぷりです。
Lでは特に防音材がカットされるため、新型のエンジンとなっても相変わらずエンジンのフィールはガサツ気味で洗練されていませんが、そもそもエンジンの始動している時間が新型はさらに短縮されました。街中でのモーター走行領域は先代よりも確実の広がっており、排気量アップで高速域の燃費が改善されたとはいえ、平均速度が遅いほど燃費が良くなるという傾向は、新型プリウスでも引き継がれています。
ここで、それぞれのシチュエーション別の燃費を紹介。デフォルトとして、エアコンはオート26度でON、オーディオON、3名乗車でテストしました。
まずは、メーター上80km/h巡航。やや誤差があり平均速度は70km/代なものの、走行車線をゆったりと走った状況で楽勝に30km/L超え。このくらいの速度では、ノーマルモードで普通に走れば、誰でも30km/Lは楽勝でしょう。このあたりの燃費の良さは驚異的です。
続いては、少しペースを上げて100km/h+α巡航。メーター上での平均車速はちょうど100km/hで、この時の燃費が26.0km/L。先代ではこのあたりの速度域になるとガクンと燃費が落ちましたが、新型の排気量アップによる燃費への効果がこの速度域で顕著に表れた形になりました。
そして3つ目は、PWRモードにしてアップダウンの激しいワインディングを、アクセルを存分に踏んでかなり活発に走りまわった時の数値。始動直後の冷間時を除けば、これが新型プリウスの最低燃費を出すシチュエーションと考えてもいいでしょう。これくらいまでペースを上げると、さすがに185幅のタイアでは全くアテにならず、VSCが頻繁に介入。またスロー過ぎるステアレシオもこういった場面では気になります。
しかし、ブレーキングで荷重がフロントに移ってもリアのスタビリティは高く、タイアが負けているもののアンダーステアは最小限。このあたりはシャシーのポテンシャルアップを実感するところです。コーナー脱出時でホイールスピンをするなど、少し非現実的ではありますが、それほどのポテンシャルを新型は秘めている、という事をお伝えしておきます。
そのような走りでもこの燃費を叩き出す事を考えれば、実用上はまず15km/Lを切る事はほぼないのでは。タウンスピードでの燃費の良さもプリウスの自慢であり、普通に走って25km/Lを超える燃費を出す事は新型プリウスにとって楽勝ムード。上級グレードや17インチ仕様でも、20km/Lは固いところでしょう。
そういった様々な走りのシチュエーションをテストしつつ、最終的な燃費はメーター上で24.5km/L。この燃費計はかなり正確性が高く、実際給油した際の数値もほぼ同値の24.4km/L台でした。奇しくも以前同コースでテストしたインサイトと平均車速が59km/hと全く同値。ちなみにこの時のインサイトの数値は約21.9km/L。高速セクションが7割強とやや多めだったので、思っていたよりも差は開きませんでしたが、インサイトのテストの時はエアコンを使用した区間は僅かだったのに対し、新型プリウスの時は常時ON。またインサイトの時はハイペース区間の燃費計測は実施しなかったので、同時に同じ内容で比較すれば、差はさらに広がっていたかもしれません。
インサイトと比較すると、新型プリウスが高速域の燃費が改善されたとはいえ、高速巡航燃費はインサイトでもプリウスに匹敵する数値を狙う事が可能。コーチング・ティーチング機能も非常に分かりやすく、エコ運転さえ楽しみにしてしまうところはさすがホンダ。またハンドリングは軽快で、エンジンサウンドもインサイトのほうがスポーティ。
ただ、得意の高速巡航燃費を出す時の速度域では、足周りのセッティングが合っておらず、プリウス以上にフラッフラ。かといって、5ナンバーサイズが有利になる街中では、途端に燃費がガタ落ち。このあたりのセッティングのあいまいさが、インサイト自体の中途半端さを少し助長しています。また実用性はプリウスに全く及ばず、スポーティなリアドア付クーペと考えたほうが無難です。そして価格を比べてしまうと…。
インサイトで勝っているのは、個人的な好みでスタイリング、アンビエントメーターによるコーチング機能、軽快なハンドリング、気持ちいいエンジンサウンド。その程度。残念ながらこうして比べてしまうと、車格の差うんぬんに関係なく、まず1台の車としての完成度からしてプリウスはやはり圧倒的です。
ちなみに、同区間での先代プリウスの燃費テストは23.1km/L。先代のユルイ仕上がりも嫌いではありませんが、新型の動力性能向上+燃費向上を思うと、さすがに少し見劣りしてしまいます。
初代、2代目、そして3代目。ハイブリットとしての進化も驚異的スピードながら、新型は「自動車」としての進化もキッチリ盛り込んで仕上げてきた印象です。中には「ハイブリッドは本当にエコなのかどうか?」という事に関しては、議論が今後も続くでしょうが、これからの時代の実用車として考えれば、新型プリウスのこの仕上がりと完成度、そしてバリューフォーマネーは、これだけの注目と注文を集めてある意味当然だと納得せざるを得ません。「所詮ハイブリッドなんて」と鼻で笑っていた欧州メーカーにとっても、このプリウスは驚異的な1台でしょう。今までの従来的自動車評価軸や価値観をぶっ壊しかねない、そんな実力を秘めています。
もちろん、ハイブリッドだけ、プリウスだけ、が選択肢!というわけでは当然ありません。ハイブリッドでなくても、燃費や価格以外にも、クルマの魅力はたくさんたくさんあります。しかし、あえてそちらで勝負してくるなら、それこそ生半可なレベルではこのプリウスに太刀打ちすることは不可能。燃費や価格以外で「プリウスよりも魅力的!」と唸らせてしまう、それだけ本気のクルマ作りがこれからのどのセグメントでも求められてくるのかもしれません。
ある意味、21世紀に自動車という商品がどれほど人間にとって魅力的になれるのかどうか。その試金石となるのが、このプリウスという1台なのかもしれません。
レポート;岩田 和馬



個人的に気になるのはAピラー。ウィッシュなど最近のトヨタ車同様三角窓を大きくしていますが、そもそもAピラーの位置と太さが問題でカーブや交差点で視界を大きく遮ります。最近のホンダ車と違って太さや形状に相変わらず全く工夫がない。手間がかかる割に大してアピールポイントにならないことにはトヨタは金をかけないのでしょうかね。目立たないけど大事なことだと思うんですが。あと、SやGはハロゲンだけでディスチャージヘッドランプさえ選択できないのも不可解。Lでシートリフターを省くなど、わけのわからない装備設定はやめてほしいです。
やっぱりレンタカーはLグレードなんですね。シートリフターやリアワイパーがないので、やめて欲しいなと思っていたのですが・・・。
クラスは確実に上がりましたね。あらゆる点で性能はレベルアップしています。もちろんそれらを「量」ではなく「質」で勝負する…ただ単に拡大・成長・クラスステップアップ志向となるのはプリウスの進化の本筋ではないような…と感じる側面もあります。
Aピラーについては見え方だと思います。最近のホンダ車はこのあたりの改善は著しいものがありますが、tyさんの書き方ではさもトヨタだけがそういった点を考えていないような印象を抱かせます。私自身はホンダがようやく着手し始めているだけで、トヨタも日産もマツダも他メーカーはまだまだこの点について改善が必要なクルマはたくさんあります。Aピラーについて、トヨタだけが、というわけではないように思います。
シフトノブについて、先日レクサスのHSを見て余計に「?」となりました。こちらは20プリウスの同じように小さくまとめられたもの。こちらがやはり本筋のような気がします。既にHSは実車チェック・試乗済みなので、またよろしくお願いします。
LEDライトとLグレードの設定…については、ここはさすがトヨタのずる賢いところですね。205万円は客寄せパンダ仕様で、本筋はおそらくSツーリングあたりだと思います。
レンタカーについては、トヨタレンタカーでは「L」だけでなく「S」も一部地域では配車されているそうです。あのテールの傾斜角なのでリアワイパーはともかく、シートリフターは欲しいところですね。
確かにトヨタが率先して始めれば、他メーカーも追随してくるかもしれませんね。自民党でありマイクロソフトでありトヨタであり、トップを走るものに対しては必ずアンチがはびこるもので、そういった地道な改善を通して紳士な取り組みと改善を全メーカー一丸となって進めていってほしいものです。