2009年06月17日

プリウスの生い立ちに迫った本

文藝春秋から発行された文庫本「ハイブリッド」(木野龍逸氏著)を読みました。この文庫、自動車雑誌などで紹介されているのを何度か見ていたのですが、なかなか書店に置いてなく、昨日たまたま寄った書店で見つけることができました。

そもそもプリウスはバブル時代に開発された車に対する疑問を持った当時のトヨタの上層部が、21世紀に向けた「サイズの割に室内は広く、燃費がいい」というコンセプトで企画された、市販車とはいえコンセプトカーにかなり近い性格の車でした。そこに「燃費を普通の車に2倍にしよう」という目標が加わり、その切り札として技術陣が温めていたシリーズパラレルハイブリッドシステムを搭載した車になったわけです。

しかし、まったく未知のメカニズムだけに開発は当然というか問題の嵐。それ以上に驚くのが本格的な開発スタートから市販化までに与えられた時間で、抽象的に表現すると「プラットホームやエンジンをキャリーオーバーするガソリン車でも短いんじゃないか」と思うほどです。その困難を乗り越えて市販化した技術陣の凄さや市販時期の前倒しを微妙に繰り返した上層部の決断は、読んでいて非常に印象的でした。

また、今のように燃費の良さやサイズに対する室内の広さがユーザーから求められていなかった時代に初代プリウスを計画した経営陣の英断、産まれたてで大きなトラブルの発生も想定された初期型の初代プリウスのために、正月休み返上で特別なサービス体制を組んだことやそのような未完成な車だった初代プリウスを受け入れてくれたユーザーがたくさんいたことも心に残りました。

とにかく読んでみると「よく出来てるけどつまらない」といったネガティブなイメージを特に車好きから持たれてしまうトヨタに対する見方が、「やるときには凄いことをやってしまうメーカー」という方に変わってしまうと思います(私個人は特にアンチトヨタではなく、トヨタのスポーツモデルに耐久力の高さにとても助けられた経験もあるのでむしろトヨタ好きな方かもしれません)。

値段も文庫本のため750円+消費税と手頃なので、ぜひ読まれていかがでしょうか。

hybrid.jpg


posted by 親方 at 23:49| Comment(0) | TrackBack(0) | 弟子永田 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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