2010年02月27日

CR−Zが発表されました 2

続いてハイブリッドシステムです。数値的に見ていくとエンジンはフィットの1.5リッターベースの1.5リッターでMT/114馬力、CVT/113馬力、モーター14馬力で、システム最高出力124馬力と最大トルク17.7kg・m。最大トルクはモーターの特性もあり1500回転で発生しますから、感覚的には1.8リッターから2リッター並み、0−100km加速も9秒後半から10秒ですから十分なパワーです。
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ハイブリッドシステム自体はエンジンが主役、モーターはアシスト的な役割をするホンダIMAで、走行モードは発進時と加速時のモーターアシスト、エンジンのみの定速走行、減速時のエネルギー回生、アイドルストップの5種類。インサイトで低速巡航時にあるEV走行モード(エンジンとモーターをクラッチやギアで切り離せないので厳密なものではないにせよ)は、インサイトに全バルブ休止状態があるために出来るのに対しCR−Zは1バルブ休止のみになるためありません。なお、エアコンは普通のエンジン駆動タイプとなります。

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ラゲッジスペース下に置かれるバッテリーとコントロールユニットを一体化したIPU(インテリジェントパワーユニット)、バッテリーはサンヨー製で容量もインサイトと同じ

CR−Zで注目なのは初代インサイト以来久々のハイブリッドのMT車の設定です。

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ミッション自体は欧州シビックの1.8リッターに組み合わされる6速MTがベースで、ハイブリッド用に細部を合わせたものとなります。やっぱりハイブリッド車でもMTで運転を楽しめるというのは嬉しいことです。ハイブリッド用のMTが出来たのですから、無責任なことを言えばインサイトへの組み合わせても望みたいものです。

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6速MT本体

CVTはスタート用のクラッチを持つ7速パドルシフト付きです。なお重量はCVT/1160kg、MT/1130kgと、MTの30kgの軽さは実走行時の大きなメリットとなりそうです。

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10・15モード燃費はCVT/25km、MT/22.5km。実走行ではどうなるか?

プラットホームはインサイトベースとなりますが、サスペンション形式や形状は同じものの、ワイドトレッド化に対応してフロントのロアアームが新作のアルミ製(インサイトより左右で4kg軽量)、リアもアクスルビームが専用、ハブもPDC114.3の5穴なっているなど、ほとんど別物です。重量配分がハイブリッド化でリアに重いものが載っていることもありフロント6:リア4とFF車にしてはノーズが軽いですから、かつてのCR−Xを彷彿とさせるシャープな走りを期待したいところです。

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タイヤサイズは195/55R16、アルミホイールはインサイトの16インチアルミより4本で5kg軽量。ブレーキディスクは14インチ径

最近のホンダ車が燃費重視のECONモードで力を入れている制御関係には、スポーツモードが加わりました。CR−Zに用意される3モード(ECON、ノーマル、スポーツ)は大まかに言うと電子制御スロットル、MT車のモーターアシスト、CVT、エアコン、電動パワステの重さがノーマルを基準にECON→燃費重視、スポーツ→スポーツ走行向けにパワー重視、電動パワステも重め、となります。気分や走るシーンによってモードを選べるにもCR−Zの大きな魅力の1つです。

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グレードは上級のα/249万8000円、ベースのβ/226万8000円(価格はCVT、MTともに同額)という「世界最高水準の安全性能」と言っていた2代目レジェンドのような2種類。どちらもスタビリティコントロールVSA付きで、装備差はアルミホイール、HIDライト、クルーズコントロール、パネルやステアリングといったインテリア関係なので、せっかく買うならαなのでしょうけど、自分好みにいじりたい人ならβもありといったところです。αにはCVT、MTともにクルーズコントロールも付きますから、ライトウエイトスポーツとしてだけでなくGTカー的な使い方も出来そうです。

価格自体は「まあそんなところか」、「思ったより安い」など感じ方は人それぞれでしょうけど、ハイブリッドカーですから先日のベンツEクラスと同様に取得税と重量が免税かつ購入補助金の対象ですから、今ならβで25万以上安く買えることになります。そう考えるとβは約200万円ですから、待ち望まれていた車両価格200万円のスポーツモデルが密かに登場したことにもなります。カリカリのスポーツモデルではないにせよ、その分付き合いやすくて、若者からお年を召した方まで広く受け入れられそうなカッコ良くて燃費のいいハイブリッドのスポーツモデルというのは商品としても非常に魅力的です。その魅力を象徴するように、1000台の月間販売目標台数に対してすでに4500台の注文が入っているそうです。

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ホンダ純正オプションのモデューロ、ホンダワークスの無限もすでにスタンバイ

ハイブリッドカーという以前に久々に出てきた比較的手軽なスポーツモデルということでちょっと興奮しているせいもあるかもしれませんが、個人的にもCR−Zは所有したい車に感じます。写真のモデューロ、無限仕様もカッコいいですし、今年からハイブリッドカーも出場できるようになったスーパー耐久やツインリンクもてぎのJOY耐などのモータースポーツにも出てくれば、車への関心を高める意味でもCR−Zの貢献度は大きいのではないでしょうか。


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2010年02月26日

CR−Zが発表されました1

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「ついに」と言うべきか、CR−Z(私はゼットと言ってしまいますがジィーです)が発表されました。CR−Zのコンセプトは「燃費など、いろいろな面で気兼ねなく乗れるハイブリッドカフェレーサー」と言ったところ。カフェレーサーとは車好きやバイク好きがカフェで自分の車、バイクを自慢するしたり話をしたりするという外国の文化ですが、こういった言葉を聞くと「老若男女幅広く乗れる車を目指したのかな」とも思います。

スタイルは昨年の東京モーターショー出展車とほぼ同じ形で市販化となりました。最も大きな違いはコンセプトカーでグリルの中にあったホンダマークが移動し、ナンバープレートが付いた点。個人的にはショーモデルの方が好きだったので「ナンバープレートをランエボのように横にオフセットして、ショーモデルのスタイルにする案はありませんでしたか」とデザイナーの方に伺うと、「CR−Zは世界に輸出され、ナンバー位置は1つにするのが条件でした。オフセットするのはアメリカなどの横長のナンバーに対応できないので断念し、アメリカの衝突安全規制で大きなバンパービームが入っていて空気の取り入れにも影響がないこの位置にしました」とのことでした。ディーラーなどで事前に配布されていた簡易カタログや実車を見始めた頃はもうちょっと鋭い顔の方が良かったような気もしましたが、見ているうちに何故か可愛くなってきてしまいました。

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サイズは全長4080mm×全幅1740mm×全高アンテナを含んで1395mm、ホイールベース2435mm

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昨年のモーターショー仕様のCR−Z

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CR−Xのグラスルーフを思い出させるスカイルーフは上級グレードのαにオプション設定

インテリアは思ったより質感が高く、2ドア車らしいパーソナルな雰囲気も持ち合わせています。座ってみると、「クラッチペダルがもう少しシッカリした踏み応えでも」と感じる面はあるものの、シフトフィールもいいですし、着座位置やペダル配置もシックリきます。ちなみにキー抜き忘れ、ライト消し忘れの警告音、バックギアに入れた際の音はハイブリッドカーらしい未来感を出すという目的で、今までのホンダ車とは違う電子音的なものになっています。

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ステアリングは小さめの360mm

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αのドアグリップとセンターコンソールは高輝度メタルガーニュッシュ

メーターはRX−8のようなアナログのタコメーターとデジタルスピードメーターのミックスで、走行モードによって色が変わります。

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見にくいですが、バッテリーの残量表示もインサイトよりも明確に。インサイトと同様に燃費のいい運転ほど円がグリーンに近づくアンビエントメーター、過減速の度合いを表示するエコドライブバー、葉っぱの数でエコドライブ度を評価するエコスコア表示も装備

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リアシートはイザという時には有難いけど、緊急用の広さ。基本的には手荷物や上着を置くスペースと考えるべきでしょう。

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意外に広いラゲッジスペース
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2010年02月25日

ベンツEクラスディーゼル&ステーションワゴンが発売されました

昨日はベンツEクラスのディーゼル車「E350ブルーテック」とステーションワゴンの発表会がありました。まずディーゼル車です。

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先代Eクラスのディーゼルは、日本でディーゼル車が持たれがちだった「臭い、汚い、遅い」に代表される悪いイメージを覆したという意味では画期的なモデルでした。新型は3リッターV6ターボで最高出力211馬力、最大トルク55.1kg・mのパワー面と7速ATとの組み合わせなる点は先代とさほど変わりないものの、排ガス規制がこれから日本で売るディーゼル車に不可欠なエクストレイル20GTと同じガソリン車と同等の厳しさとなるポスト新長期規制に対応となりました。日本では2例目、AT車としては初めてのクリーンディーゼルとなります。先代の初期モデルは輸入車特例により平成15年規制で販売され始め、途中で平成17年規制(こちらも輸入車特例)に対応となりましたが、新型は特例など関係なくポスト新長期規制をクリアしています。日本のポスト新長期規制クリアということで、日本仕様と同等の内容でポスト新長期規制とほぼ同じレベルのヨーロッパのユーロY(2014年9月施行予定)とアメリカのTear2Bin5にも対応しています。

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ガソリン車と区別がつかないエンジンルーム、3リッターガソリンV6とディーゼルの車全体の重量差はセダンで200kg!

ポスト新長期規制クリアの主な技術的要因はベンツが「ブルーテック」と呼んでいる、排ガスに尿素水を噴射し、NOxの排出を大幅に削減したことによります。このシステムは日本車でも日産ディーゼルや三菱ふそうが大型トラックに使っており、それほど珍しいわけではありませんが、こういう車を出した事実は高く評価すべきだと思います。

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E350ブルーテックの排気システム

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見るからにコストが掛かりそうな補機類

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タービンも実物は写真で見るより大きいです

乗用車ではあまり馴染みのない尿素水について触れておくと、消費量は1000kmあたり約1リッター、価格はベンツ純正の主に携帯用として使う1リッターが1120円、量り売りの10リッターで1960円。入手場所はベンツディーラーはもちろん、トラックでも使っていますから全国のトラックステーションや一部のガソリンスタンド、三菱ふそうと日産ディーゼルのサービス工場も含めれば全国で2000か所近くあることになります。ちなみにトラックステーションやガソリンスタンドだと、ベンツディーラーより若干安いようです。

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尿素水のタンクは本来スペアタイヤがあるスペースに

ちょっと気になる尿素水が空になってしまった場合どうなるか?という点に関しては、空になるとエンジンが掛からなくなるそうです。ちょっと怖い話ですが、尿素水が少なくなってくるとメーター内に警告が出るとのことですから、警告を無視せず補充すれば問題ないでしょう。

もちろん燃費は10・15モードでセダン/13.2km(1910kg)、ステーションワゴン/13.4km(1960kg)と車重が重いステーションワゴンの方がいいという不思議な状況なのは別として、良好です。ランニングコストを計算してもセダンの300E(10・15モード燃費が9.6km)の実用燃費をリッター10km、ディーゼルを13kmとすると尿素水のコストを含んでも1万kmあたり5万2000円ディーゼルが安く済む計算です。

購入時のイニシャルコストも絶妙で、セダンの場合でほぼ同等の装備でE300の730万円に対し、E350ブルーテックで798万と68万円差ですから14万kmでペイ出来るとも考えられますし、5.5リッター級の55kg・mの最大トルクを生かした速さの価値を仮に20万円と見れば10万kmで元は取れるともいえます。

さらにE350ブルーテックはクリーンディーゼルですから、取得税と重量税が免税になるエコカー減税と10万円か13年落ち以上の車を廃車にした場合に出る25万円の新車購入補助金も対象です。残念ながらエコカー減税も新車購入補助金も対象にならないE300セダンと比較すると、今なら購入する時点で差額はエコカー減税と新車購入補助金を10万円(合計約53万円)としても差し引きで15万円、13年落ち以上の車を廃車にすれば差額なしとなってしまいます。ここまでの支援金が出るのを根本から考えれば「ベンツが高い車だから」という結論にまとまるにせよ、この買い得感や商品性の高さにはビックリしてしまいます。

ここまでの支援があると「V6のEクラスを買う人はみんなディーゼルを選んでしまいそう」とまで思ってしまいますが、Eクラスに全体おけるE350ブルーテックの販売比率をインポーターでは3割くらいと見ているそうです。なお、今後のディーゼル車に導入については未定とのコメントでした。

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インテリアはタコメーター以外違いなし
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続いてステーションワゴンです。

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ステーションワゴンユーザーにとっては憧れのEクラスステーションワゴンですが、ハード面で目立つのはセルフレベリングも兼ねたエアサスになることくらいです。

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相変わらず荷物を積むのを躊躇してしまうほど立派で広いラゲッジスペース、電動テールゲートも装備

ラインナップもセダンと同等で大まかに言うと1.8リッターターボのE250CGI、E300、E350ブルーテック、E350、E350 4MATIC、E550、E63AMGと豊富で、価格帯は669万円から1530万円となります。

サイズが全長4900mm、全幅1855mmと日本ではちょっと大きい以外、文句のないステーションワゴンとなるのではないでしょうか。


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2010年02月24日

新型パッソ&ブーン 詳細レビュー

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例のリコール問題に端を発して、かなり大掛かりな規模で予定されていた発表会が頓挫。天下のトヨタの自粛ムードでせっかくのデビュー時の露出度もイマイチに感じられる新型トヨタパッソ&ダイハツブーン。唯一ともいえるTVCMも、先代の加藤ローサから、なぜか女子大設定なのに森山中が目立ってしまうという…感想はさておき、実車の印象をお伝えしたいと思います

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写真は今回のラインナップの目玉ともなる+Hanaの1.0Lモデル。先代からの流れを含んだ標準仕様に加えて、よりプラスアルファな付属価値を追求したのがこの+Hanaの目的と言えるでしょう。目元がよりハッキリとし、シャンパンゴールド塗装のドアミラーやホイールキャップが特に目を惹きます。標準仕様もちょっと貧弱に感じられた先代に比べて、少したくましくなった印象で好感が持てます。

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新型のハイライトはインテリア。シンプルな作りは先代と同じ流れではあるものの、その質感とオシャレ度のアップはなかなかのもの。この展示車の装飾を見ても分かる通り、かなり女性ユーザーをターゲットにしている事が伺えます。オプションで、最近話題の「ナノイー発生器」まで装着する事ができるあたり、若い女性ユーザー層をグッととらえるに違いありません。

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特にこの+Hanaは、各部分にホワイトの内装色を取り入れるかなりヴィヴィッドなもの。特にステアリングを白くするのは、後々必ず汚れが目立ってしまう可能性大ではありますが、今回はその配色に挑戦する意気込みを評価したいところです。特徴的なドアハンドル周りのデザインやシボ加工の新しさもなかなかのもの。先代パッソで感じられた「安かろうそれなりだろう」という印象は薄れました。

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基本デザインは同じながら、+Hanaの存在で標準系はさらに思い切ったコスト削減?に取り組んだようです。+Hanaはベンチタイプのシートになるのに対し、シートは久しぶりに普通乗用車系で見るヘッドレスト一体型のハイバック型シート。リアヘッドレストはキチンと装着されるのになんとも不思議な印象です。そういった意味でも、標準系の仕様+ベージュカラーのベンチシートが選択できるブーンのほうが、個人的にはニーズに合った選びやすい親切なグレード設定になっていると感じます。

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そして今回注目は全車サイドエアバッグがオプション設定となってしまった事。2007年に大々的にサイド&カーテンエアバッグの随時標準装備化を謳い、マイナーチェンジの車やパッソセッテの一部グレードで見られなんとか上手くごまかしてきたつもりのトヨタも、今回この新型パッソで正式な公約違反!となったようです。

ただ、これは幾分少し仕方ない面もあるかもしれません。リーマンショック以降、価格がもたらす販売影響力は大変大きくなりました。宣言をしてそれを自ら破ってしまったものの、他社と比較すれば標準装着化が進んでいることは間違いありません。ここは個人的に、「台数あたりの作動率の差」と「アクティブセーフティ」の観点から、VSCの標準装着化!という公約に切り替えてもいいかもしれないのでは、と思います。

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そんなパッソで評価したいのは、そのVSCについて。標準装備化とはなりませんが、今回商用グレードを覗いて100万円台のXでもVSC+TRCがオプション装着可能となったのは素直に歓迎したいところです。パッソを買うユーザー層に、目に見えないこの63.000円のオプションを装着する人はかなり少なくなりそうではありますが、そういった「あまり車に興味がない、ベテランの車エンスーが乗るようなジャンルの車ではない」このパッソのような車にこそ大切な装備と言えます。例えば任意保険の減額などでこの差額分をカバーするような共同プランができてくれば装着率も飛躍的に上がったりするのではとも思ったりするのですが…。

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そこで問題提議をもう1つ。それはタイヤ。14インチは175/65R14から165/70R14へと変更になったのはまだしも、いまどき155幅の頼りない80扁平13インチを設定しているのはいかがなものか。確かに今回全長で僅かに長くなっているものの(歩行者保護の観点から)、それ以外の基本的なサイズが拡大されずに軽量なボディもそのまま踏襲されたコンセプトには同意したいところですが、やはりせめて最低14インチサイズは奢りたいところ。ちなみに13インチ装着車にVSC+TRCをオプション装着(この場合72.450円)すると、タイヤも自動的に14インチサイズとなるため、特に13インチ仕様にはVSCの装着は絶対にお勧めです。最小回転半径は4.3→4.7mに拡大しますが、それでも小回り性能的には十分優れています。

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エンジンは3気筒の1.0Lと4気筒の1.3L。先代からの進化はともにCVTが組み合わされるようになったこと。特にアンダーパワーの1.0Lでは動力性能的に大きな進化になると言えるでしょう。質感的でもパワーでも1.3Lのほうにアドバンテージがあるのは当然ですが、そうなると価格的には+Hanaで150万円近く、標準系でも130万円を超え、こうなると強力なライバル達に比べて、特に標準系では安っぽさが否めなくなります。やはりここは1.0Lがパッソ&ブーンのメインと考えるべきでしょう。ちなみに、1.0Lモデルのエンジンルーム内がスッカスカなのは先代と全く同じ。リアシートの居住性にしろラゲッジスペースの広さにしろ、パッケージング面での進化はほとんど見られません。

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正直言って、クルマ大好き人間にはあまり興味のもてない…逆に言えばそういった目線をいっさいもたないユーザー層がターゲット、それが新型パッソ&ブーンと言えるでしょう。

しかしだからこそ、このパッソ&ブーンからドライブ人生を始めるであろう運転ビギナーが乗る機会が多いであろうからこそ、安さやスタイルやインテリアの可愛さやオシャレさ、ナノイー発生器などの飛び道具だけではなく、アクティブセーフィティ性能やクルマをドライビングする楽しさもキチッと残しておかなければいけないと個人的には思います。その点、そのまま継承となったシャシー性能などがどのように進歩しているのか。試乗する機会があれままたレポートしたいと思います。



レポート:岩田和馬
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2010年02月20日

キザシに乗りました

先日、スズキのキザシに乗る機会がありました。次にいつ乗れるかまったく分からない車ですから、非常に貴重な経験です。

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よく見るとSX4セダンがそのまま大きくなったようなスタイル

最初に今までよく見たことがなかったインテリアをチェックすると、質感は上々でこのクラスとして合格点を付けられる仕上がりです。ただ、いくつか気になる点もあり挙げていくと、

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・本革シートなのはいいけどシートヒーターがない

・パーキングブレーキがやたらに重い

・ステアリングをチルトすると、位置によっては裏側が丸見え

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・ステアリングにオーディオのスイッチがあるのですが、ディーラーオプションの試乗車のカーナビには非対応。だからといって、オーディオレスでの販売でメーカーオプションのオーディオ&ナビはなし。スイッチに対応するディーラーオプションのナビがあるのか、もしなかったら「何のためのスイッチなんだ?」という話にも

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VWとの提携はまさか関係ないにせよ、メーターの表記はゴルフXのGTI&R32そっくり

リアシートはライバル車と比べると狭い感じもありますが、全長がこのクラスにしては短

乗るとスズキらしいスポーティさを強く感じます。エスクードの2.4リッター4気筒を大改良したエンジンは気持ちよく「シューン」と回るほどではありませんが、パワーやスムースさは十分納得できるレベルです。

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ハンドリングや乗り心地もスポーティなヨーロッパ車的で、ステアリングフィールはシャープでありながらしっとりしていてセンター付近も落ち着いています。乗り心地も柔らかい部類ではないにせよ、引き締まっていてスピードを上げると快適に感じるタイプでした。例えるとしたら、エクシーガのSTI仕様に似ている気がしました。

不満を挙げれば、エンジンマウントが固いせいなのかアイドル振動が大きめなのと市街地走行のような場面でアクセル操作に対してギクシャクするケースがある点くらいで、「このクラスに初めて参入してよくぞ!」と思うくらいまとまった車です。

しかし日本で売れるかというと、このクラスの車自体が日本では不調ですし、受注生産になっていることからも分かる通り、期待出来ないのは事実でしょう。まあ個人的にはスズキのチャレンジを評価したいですし、もし短命に終わったとしても「そんな車あったねえ」と後世まで語れるのは間違いないと思います。
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2010年02月19日

JAIA試乗会その7 仏シトロエンC4編

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○シトロエンC4 1.6Tエクスクルーシブ
さて今回のJAIA輸入車試乗会の最後を飾るのが、フランスからこのシトロエンC4。今年でデビューして5年経過するとは思えないほど、デザインの鮮度は失われてはいません。個人的には、厚化粧気味になる以前のフェイスリフト前のフロントマスクに愛着を感じますが、これもこれで最近のダブルシェブロンの方式に乗っ取った進化なのでしょう。

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そのモデル途中のマイナーチェンジで、C4はセダン・クーペともにPSA・BMW共同開発のエンジンへとスイッチ。そして従来の2.0Lの後継モデルとなるのが、ミニクーパーSなどと共通の1.6Lターボを搭載した今回のモデル。ちなみに出力はNA比+20psの140psと、同ターボエンジンを搭載する他の車種に比べかなりジェントルなセッティングがなされていることが分かります。

走り出した印象も想像通り。知らずに乗ればこれがターボ車だとは思えない自然なトルクの出方とレスポンス。しかしトルクピークを境にした〜3500回転までがどうもザラっとしたフィーリングで、パワーは十分なもののエンジンに関しては印象薄。とてもMINIと同じエンジンを搭載しているとは思えません。しかしながら不思議とアクセルを勢いよく踏んでエンジンをぶん回すと、6000回転までスカッと気持ちよく回ってくれるのは、やはりその血筋が存在しているから…?

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それと同じ事はATにも。悪評高き?AL4型の4速ATは、街中で普通に加速していっても3速が大変お気に入り。逆に4速巡航状態からアクセルをポンと踏んでもなかなかキックダウンしてくれず、変速タイミングで悩みモタモタ…ある程度これでも改善されたとの事ですが、一般的基準で見ると個々のドライバーの学習機能の癖を考えたとしても、まだまだこの程度では低レベルと言わざるを得ません。自分なら、常時マニュアルモード状態で走る事でしょう。

ただこちらも不思議な事に、右ハンドル化の悪影響をモロに感じるペダルレイアウトに気を遣いつつ、アクセルを積極的に開けたり閉めたりしてペースを上げて元気よく走ってみると、違和感なくシフトダウンもアップも上手に決めてくれ途端に軽やかなフィーリングに…これもフランス車独特の味というべきか。ちなみにプジョーも含めて近々最新の6速ATへとアップグレードが噂されているので、そちらに期待したいところ。

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足回りはハイドロではなくコンベンショナルなコイルサスを採用するC4。しかしながら微入力域でのしなやかさと、サス伸び側のストロークの長さを生かし4輪ともヒタッと路面を掴みながら走るサマは、さすがセッティングの妙。この味を直接同乗者に伝え…と言いたいところながら、肝心の乗り味は固めで、シトロエン風の乗り味を期待して乗りこむと「うーん…」と首を傾げる事でしょう。

この最大の原因はタイア。いくら見た目重視とはいえ、45扁平17インチはこのクルマのキャラクターには明らかにオーバークオリティ。ここはNAモデルの55扁平16インチか、いっそCGの長期リポート車で実践していた65扁平15インチくらい思い切ってハイトの高いタイアまでインチダウンすれば、さらに乗り味とハンドリングのバランスが光る事でしょう。ちなみに、小回り性能もボディサイズから想像する以上に悪く、取り回しにも事前に注意が必要です。

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さてこのクルマの一番の魅力は、あえて「座る」ではなく「掛ける」と表現したくなる座面背面がフカッと体を支えてくれるシートに身を預けて、センターパッドが固定された超個性的なステアリングを握り、なんとも言えないヌメッとした(いい意味での表現です)ステアリングフィールを堪能する瞬間。コーナリング速度やロールの少なさ、タイアを鳴らしてその時の横Gを体感しながら…というような種類のクルマではいっさいありません。ごくごく普通の速度で、街中を走り、高速巡航し、ブレーキングし…といった日常の何気ないリズムの中で、濃密に感じられる味わい深さ。

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まだまだシトロエンの良さとはいったい何なのか?自分の中では見つけられていませんが、このC4からその片鱗を少ないながらも感じられたような気がします。そういう意味では、17インチを履いてターボエンジンでガラスルーフまで装備されるこの324万円の上級グレードより、素の16インチを履く269万円のNAグレードのほうが、よりこのC4らしさを味わえるかもしれません。

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今回のエクスクルーシブのような「上質なシトロエン」の新しい方向性は、今後随時展開される「DS」シリーズで明らかになっていくことでしょう。そういった意味でも、その第1段の「DS3」の仕上がりが個人的には楽しみです。



今回JAIAの試乗会に初めて参加させて頂き、なかなか普段は体験できない様々な国、メーカーの輸入車にイッキ乗りできたこの1日は、クルマ好きな自分にとって非常に刺激を受ける経験でした。やはり国産にはない味がある輸入車は実に楽しい!しかし、だからといって輸入車バンザイ!とならず、改めて輸入車を味わってから感じる国産車の良さというものもたくさんあると感じられました。

と同時に、以前に比べて国産車と輸入車との垣根の違い…近づいた部分もあればまだまだ全然適わない部分もあったり、そういった事は互いに顕著に感じられました。今後国産車に大切な事、それは良い悪いだけで輸入車絶対主義に則りそれらの良い部分をマネようと追随するだけでなく、日本という独自の味やキャラクターを、個性としていかにクルマに演出していくか…世界のクルマを見ると日本のクルマがさらによく分かる、ということを身にしみて実感できた今回の試乗レポートでした。



レポート:岩田 和馬
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2010年02月18日

新型RVRが発表されました 2

ハード面はアウトランダーベースと書きましたが、違いはけっこうあります。

まずエンジンは現行のギャラン フォルティスと同じ1.8リッターで、トランスミッションは6速MTモード付きCVT(Gはパドルシフトも装備)となります。開発段階では「同じ4気筒同士なら基本的にコストも変わらないし、2リッターにするか」という議論もあったそうですが、燃費を重視して1.8リッターを選んだとのことです。なお、新型RVRは北米、欧州、中国を中心としたアジア圏にも輸出されますが、輸出先ではユーロ5対応のディーゼル(MT)や1.6リッターもラインナップされるそうです。

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またRVRで力が入っているのが燃費の向上です。失礼ながらあまり燃費のいいイメージがなかった今までの三菱車(あくまでイメージだけです)とは打って変わって、それほど珍しいものではありませんが、減速時のエネルギーを使って発電してオルタネーターの使用を減らすことでエンジンの負担を軽減し燃費を上げる「減速エネルギー回生システム」、このクラスの三菱車では初となる電動パワステが採用されています。そして何よりもまたまた車重が重いイメージのある今までの三菱車とは対照的に、RVRの車重は左右で約3kg軽い樹脂製フェンダーの採用などでFF車の軽量なグレードでライバル車より軽い1350kgと、ギャラン フォルティスの標準グレード(1330kg)とそれほど変わりません。比較対象をアウトランダーに変えると、普及グレード同士で主な重量物が集まっているホイールベースは同じで150kg以上軽いのですから、大変立派なことではないでしょうか。

結果、10・15モード燃費はFF車15.2km/l、4WD/15.0kmで、取得税と重量税が50%軽減されるエコカー減税に対応しています。

4WDシステムはアウトランダーやデリカなどと同じ、2WD、4WD、LOCKの3モードがある電子制御タイプとなります。LOCKモードはもちろん、4WDモードを選んでおけば常時20%くらいは後輪にもトルクが配分されるので、雨や雪道での安心感は高そうです。さらに4WD車には姿勢制御デバイスASCも標準装備されます(FF車には8万4000円のオプション)。

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タイヤサイズはG/17インチアルミ、M&E/16インチスチール

最後に価格はFF車で、オーディオ&カーナビ以外フル装備となるベースグレードのE/178万5000円、中間のM/192万1500円、最上級のG/218万7150円(4WDは21万円から26万2500円高)と、内容を考えれば非常にリーズナブルです。

特にベースグレードのEのお買い得感が、オプションの選択に制約がある面はあるにせよ高いのです。ただEはサイドシルガーニッシュが黒になるため淡い色を選ぶとそこだけ目立ってしまう難点はありますが、そこは黒系の色を選べばカバーできそうです。

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Eを買うなら色は黒かガンメタか?

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LEDイルミ付きのパノラマガラスルーフはGに10万5000円のオプション

世界各国に輸出され、今後三菱の重要な柱となるべく登場したRVR。一見すると目立つ部分は少ないようにも見えますが、価格を含めた商品力はなかなか高いです。国内の販売目標台数はちょっと控え目にも感じる1500台で、すでに3300台の注文が入っているとのことです。発売当日はWebサイトが殺到しているらしくつながりも重いなど、注目度も高いようでまずまず順調なスタートを切ったと言えそうです。

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2010年02月17日

RVRが発表されました 1

今日は8年振りに復活した三菱RVRの発表会でした。昔のRVRは2列シートのミニバンとでも言うべき車で、リアシートのスライド機能や後にSUV風のスポーツギアが追加されたりと、少なくとも平成3年発売の初代モデルに関してはユーザーから高い支持を集めた車でした。それが新型というか復活した3代目はこんな風になりました。

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テールランプがちょっとレクサスISに似てるけど、フロントと同じくらいアグレッシブでカッコいいリアビュー

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こちらが初代RVR、思えばちょっと画期的な車でした。新型RVRには写真のスポーツギアの意思が引き継がれているのかも

簡単に言ってしまえばコンパクトなSUV、ミニアウトランダーといったところ。以前のRVRの車名には「レクショーナルビークルランナー」の意味がありましたが、新型RVRには特に意味はないそうです。

ミニアウトランダーというのは機能面もそうで、ベースもアウトランダー(全長4640mm×全幅1800mm×全高1680mm)で、サイズ的には2670mmのホイールベースは両車共通。RVRの全幅と全高はそれぞれ1770mm、1615mmとアウトランダーより若干小さく、アウトランダーより345mm短い全長4295mmはフロントオーバーハング/95mm、リアオーバーハング/250mm削られたものとなります。

一番近いライバル車はデュアリス、その次に近いのがRAV4なのでしょうけど、RVRはその中で最もSUV方向という個性があり、そういった意味では直接的なライバル車がいない、なかなかいいポジションを狙ったと思います。

なお、SUVで大切なアプローチアングルとディパーチャーアングル(前後バンパー下端と路面との角度、大きいほど悪路では有利)は、前者/アウトランダーとほぼ同等の19.2度、後者/切り詰めたリアオーバーハングが効いてアウトランダーより10度近く大きい30.1度と上々。最低地上高も195mmが確保されています。

インテリアはアウトランダーと似たデザインですが、ダッシュボードの質感などは車格や後述する価格を考えると相応以上の仕上がりです。

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リアシートはサイズを考えれば及第点か、人によっては「思ったより狭い」と感じるかもしれません。

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ちょっと微妙な部分もあるリアシートと対照的に、ラゲッジスペースはなかなか広く4人分のアウトドア用品を十分積めそうな広さが確保されています。

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床下収納もあるラゲッジスペース、最上級グレードのGにはロックフォードフォズゲート社のオーディオの設定も
posted by 親方 at 20:42| Comment(0) | TrackBack(0) | 永田恵一 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

JAIA試乗会その6 独BMW760Li編

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○BMW760Li
ただでさえ十二分すぎるパワーを持つV12の6.0Lをツインターボで武装し、最高出力は従来型+99psの544ps。車重は2.3トンにも迫る巨体、地方のマンションが買えそうな2000万円クラスの価格。それが必要か否かという価値判断基準で見ると正気の沙汰とは思えない…しかし、存在意義などに目配せなどしていれば、ブランドなど育ちません。JAIA試乗会6台目のクルマはこのBMW760i。ちなみに今現在ロングボディのみの設定で、言わずもがなBMWのフラッグシップを誇る1台です。

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先代型E65系の7シリーズは、それはそれはいろんな意味でぶっ飛んでいる革新的存在でした。その斬新さと奇抜さは他社メーカーのクルマに大きなインパクトを与えた事は間違いありませんが、さすがにBMW自身もちょっとやりすぎたと思ったのでしょう。新型はどちらかと言えばコンサバティブとも取れる落ち着いたデザインを採用してきました。

それはインテリアでも同じ。ドアを開けエンジンをスタートさせ発進…という流れでさえ今までのクルマと大きく異なったアプローチをとっていた旧型に比べれば、新型は説明書なしでもOKな範囲に落ち着きました。もっとも、コラムからフロアに戻されたジョイスティック型のシフトはこれはこれで操作し易いとはとても言い難く、10インチ超のモニターに視認性は素晴らしいものの、これでも改善されてマシになった方とは信じられないiDriveのインターフェイスの合理性の欠如した操作性は相変わらずではありますが…。

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しかし、あくまでもBMW最大の美点はその走り。それが例えSUVであろうと、新感覚5ドアハッチバックだろうと、そしておそらくは自ら運転するのではなく運転手を雇うような層が買うこのクルマでも、その例に漏れる事はありません。

・今あるBMWの全てを味わえる1台

発進時のレスポンスに一瞬ナーバスな一面が時々現れるものの、走り始めればとにかくスムーズかつ圧倒的な加速力。1500〜7000回転弱まで一瞬に、しかしながらその経過はとてつもなく艶のあるドラマティックなフィーリングを味わわせてくれます。アクセルを思い切り踏まない限りはいたって静寂でジェントルですが、走行後のエンジンルーム内の熱の凄さと街乗り燃費の極悪ぶりからも、このクルマのとてつもないポテンシャルを実感できます。そしてその性能を余す事なく伝えてくれるのが、レクサスLSに並ぶギア数を持つ8速AT。その変速のスムーズさとレスポンスの素早さ、マナーの素晴らしさはトルコン式ATの究極と感じるほど洗練され尽くしており、シルキーさの真骨頂のようなエンジン性能の素晴らしさと同じくらい感動を覚えました。

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足回り関係はそれこそ至れり尽くせり電子制御盛りだくさん。とてもここで全て紹介し尽くせませんが、その効果はステアリングを握れば一発で分かります。この巨体、車重を全く感じさせないそのフットワークの良さと軽快感。足回りの設定はコンフォート、ノーマル、スポーツ、スポーツ+と4種の選択が可能で、コンフォートはダンピング性能の物足りなさをハッキリ感じるくらいのソフトさ、ノーマルは文字通りバランスが取れており、スポーツになるとまるで走る度にクルマが小さくなっていくような、そんな錯覚を感じるくらいの俊敏さを味わえます。ちなみにスポーツ+はDSCがカットされるため、とても公道で試す気にはなれず。タイアはフロント245、リア275の19インチですが、FRで544psのこのクルマのポテンシャルに十分余裕のあるキャパシティとは到底感じられなかった…と言えば、この760Liの凄さがお分かり頂けるでしょうか。さらにこれより上を求める方のためにも、わずか+25万円のエクストラでMスポーツも用意されています。

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フラッグシップだろうとロングボディだろうと、リアシートがモニター付で広大だろうとお構いなし。間違いなくこのクルマでも、一番乗りたいのはドライバーズシート。需要だのエコだのの理屈は横に置いておいて、相変わらずBMWというメーカーの絶対的フィロソフィーには敬服するしかありません。

レポート:岩田 和馬
posted by 親方 at 00:06| Comment(0) | TrackBack(0) | 岩田和馬 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年02月16日

JAIA試乗会その5〜独メルセデスE350クーペ〜

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○メルセデスベンツ E350クーペ
「スタイルはEクラス、でも中身はCクラスのクーペ」だったCLKが、ブランニューとなりEクラスクーペと名称も改めて日本市場に登場したのは昨年の夏頃。成り立ち自体にはこの型でも従来と同じなのに、Eクラスを名乗るだけで俄然クラスアップしているように感じられるから不思議です。
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爬虫類を思わせるフロントフェイスこそ好き嫌いが分かれそうではありますが、リアドアがなくなった事によりEクラス特有のリアフェンダーの特徴的なデザイン処理がさらに際立つようになったのも、このクーペの良さの1つ。ピラーレスのクーペながら、ニヤけてしまうほどバシッと閉まるドアの開閉感にホレボレしながらエンジンをスタートさせると、後ろからニョキっとシートベルトを自動で差し出してくれます。

・クーペならば、量よりも質を

DOHCのV63.5Lエンジンは、そのパワーは十分以上のゆとりの性能であることはもちろんの事、スムーズさと吹けの良さに関してもかつてのSOHC時代のモサーっとした眠たさが嘘かのように軽やかなフィーリング。その良さをさらに引き出してくれるのはATの7G−トロニック。レスポンス穏やかなコンフォートとキビキビ俊敏に走れるスポーツの2種の制御の仕方も実に上手です。

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そうは言っても「シャシーはエンジンより速く」というメルセデスの公式通り、ハンドリングに関してもこのEクーペは実に素直。フットワークだけに注目すれば、ロールも大きめでゆったりとした乗り味ではありますが、相変わらずズバ抜けてスムーズなステアフィールに足回りの動きの良さとしなやかさはさすがであり、Bピラーレスながらボディ剛性に関しても全く不安を覚えません。タイアは昨今のエコ意識の高まりに合わせて、転がり抵抗も視野にコンパウンドチューンが施された235/45R17のコンチネンタル。オプションで前後異型の18インチを履くAMGスポーツパッケージも選べますが、クルマの性格を考えればこのノーマルでも十分立派なサイズでしょう。

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今回試乗したのはV6の3.5L搭載モデル。最近では流行りの「エフィシェンシー」を名乗る4気筒1.8L直噴ターボを搭載するE250CGIが注目されがちではあります。しかし、このEクラスクーペでお勧めなのは個人的には350。価格は約200万円もの無視できない大きな差が存在しますが、この上質なミドルクーペの雰囲気を味わってしまうと、その魅力はなかなか捨てがたいものがあります。絶対的なパワーは十分でもその加速する過程でのフィーリング、無視できない5速ATと7速ATの差などなど。また直4とV6とのノーズの重量差によるフットワークの違いも、これがCクラスならば魅力に感じるけども、Eクラスのクーペとしてキャラクターを考えると…個人的には350がベストバランス。むしろ4気筒のほうで気になるのは、先日の改良でCクラスの1.8LSCに代わって搭載された200CGI仕様の方のエンジンかもしれません。

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800万円超とかなりの高額なミドルサイズのプレミアムクーペ。このクルマを今回のようなヴィヴィッドなレッドのボディーカラーでサラリと乗りこなせれば、それはそれは素敵なシチュエーションでしょう。いずれ登場するであろう、「幌仕様」のEクラスカブリオレにも今から是非期待したいところです。


レポート:岩田 和馬
posted by 親方 at 02:37| Comment(4) | TrackBack(0) | 岩田和馬 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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