2009年12月30日

21歳が考える、これからの車の魅力について@

今年も残すところあと数日となりました。学業とバイト、1人暮らしの生活の中でなかなかレポートとの両立は厳しいものがありましたが、そんな拙い文章に対して様々なご感想・ご意見を今年もたくさん頂き本当にありがとうございました。中には不愉快なお気持ちにさせてしまったり、返信が大幅に遅れてしまったりした事を、この場を借りて反省させていただきます。

さて、2009年は自動車業界にとっていろんな意味で印象深い1年でした。世界恐慌・景気後退による企業経営の大打撃、「自動車界の公共投資」とも言えるエコ減税、そしてそれに便乗したプリウスショック…。自動車界がよりグローバル化するにつれて、内需規模の拡大に限界が見え始めた日本の自動車市場は、今世界的に見てますます異端で孤独なマーケットになりつつあるのかもしれません。



そんな中でもやはり個人的に印象的だったのは、国沢さんからご招待頂いた東京モーターショウでの取材でした。規模縮小、海外勢の撤退、入場者数激減など、寂しいニュースばかりでしたが、内容は決して暗いものばかりではなかったような気がします。後日こちらの大阪モーターショウのほうにも足を運び、確かに景気の後退は肌身に感じざるを得ませんでしたが、車に対する情熱や憧れは、今の時代でもまだまだ庶民の中には根強く残っていると個人的には思っています。

そこで、昨今よく言われる「若者のクルマ離れ」について…。自分語りになってしまうのが手前味噌ではありますが、一応世代的にはいわゆる「貴重」となりつつある、20代なりたてのクルマ大好き人間であると自負しています。この問題について、諸先輩世代の方々がどうすればいいのか、現状はどのようなものなのか…とお話されている事はよく耳にしますが、実際に今の若い世代がどのように自動車を見つめているのか、それを語っている文や場などはあまりないのでは?というわけで今年最後となるレポートは、そういった観点から、「若い世代が感じている」自動車の存在意義や楽しみについて少し書いていきたいと思います。

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今年のTMSに、そんな若い世代に向けた代表的な提案…否、若い世代の車好きがヴィヴィットに反応した、2台のクルマがありました。トヨタのFT−86に、ホンダのCR−Z。ここでは素晴らしい我が国を代表する自動車と分かりつつも、レクサスLFAや日産GT−Rは少し横に置いといて、としておきたいと思います。

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かたや、かつての名車のコードネームをあしらった、富士重工との共同開発のFRスポーツカー。かたや、これからの次世代の主役を担うであろうハイブリッドに、スポーツという概念を組み合わせた、パワートレーンだけでなく「エコ」と「スポーツ」をもハイブリッドさせた次世代型FFスポーツの提案。2011年登場とも言われているFT−86は市販化に向けての道筋はまだまだベールにつつまれていますが、もう販売がそこまで迫っているCR−Zのほうは詳細が明るみになってきており、かなり現実味が増してきた事と思います。すでに雑誌等で、実際の市販型モデルを目にした方も多いのでは。

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デザイン、エンジン、車重、走り、燃費、価格…次世代のクルマ好きを増やし育てる1台には様々な要素が要求されます。同世代の車好きは、セダン好き・ミニバン好き・軽好き・スポーツカー好きなどのそれぞれのジャンルに偏りがち。自分のような自動車ならどんなジャンルでも大好きな雑食系クルマ好きが減っていると感じているだけに、あらゆるジャンルで高得点を狙えるクルマが今後の主役を担っていく…その答えの1つが、今年のベストセラーとも言えるプリウス、なのかもしれません。もちろん、一部クルマオタクには毛嫌いされている事も重々承知しつつ…。

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そこで今年最後、2010年へ向けてのレポートとして、今現在日本を代表すると言ってもいい、オープンスポーツ2台に乗って1日ワインディングを走りまわってきたインプレッションを踏まえて、改めてクルマの楽しさについて、「若年のクルマ好き」と目線で考えてみました。1台はダイハツのコペンアクティブトップ、もう1台はMC後のマツダロードスターRSのリトラクタブルハードトップ仕様。もちろん言うに及ばず、ともにMT仕様。ワインディング、高速道路、一般道…1日400km乗ってみて感じた事を、次回またお伝えしたいと思います。

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<レポート 岩田和馬>
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2009年12月27日

フォードの新興国向けベーシックカー

トヨタ、ホンダが新興国向けベーシックカーのコンセプトモデルを出展するなど、年明け早々に行われるインドのモーターショーは盛り上がりそうな雰囲気になっていますが、地味ながら9月にフォードも「フィーゴ」というこの種の車の市販車を発表しています。

9月の発表は「顔見せ」といった感じで詳細なスペックは出ておらず、デリーモーターショーで詳細が出てくると噂されています。現状分かっている情報はスタイル、エンジンは1.2リッターガソリンと1.4リッターディーゼルで、価格は3万5000ルピーから5万ルピー(1ルピー2円の計算で70万円から100万円)、インドの工場で年間20万台生産され、アジア地区やアフリカにも輸出されることくらいです。車格としては日本車で言うならパッソ/ブーンかスプラッシュ相当と思われます。

この価格が安いのか高いのか分かりにくいので、インドで売っている近そうな車と比べてみると

・ヒュンダイ i10 1.1(パッソ級)/33万2000ルピー(66万4000円)
・ヒュンダイ i20 1.2(フィット級)/40万ルピー(80万円)

・スズキ マルチ800(20年以上前のアルトを800ccにした車)/20万ルピー(40万円)
・スズキ アルト(2世代前のアルトを800ccにした車)/22万4000ルピー(44万8000円)
・スズキ Aスター1.0(パッソ級)/34万5000ルピー(69万円)
・スズキ スプラッシュ1.2/46.5万ルピー(93万円)

ちなみにカローラ(オーリスベース4ドアセダン)は100万ルピー(200万円)、タタのナノは11万5000円ルピー(23万円、630cc)です。直接競合しそうな車と比べてみると、フィーゴは十分安いです。経営状況は決して良くないフォードですが、新興国向けベーシックカーを密かに用意しているところを見ると、GMやクライスラーとは違う、苦しいけど破綻しない強さを感じます。同時にスズキもインドでは名前を出した車以外に昔のワゴンRからスイフトまで下のクラスのクルマをズラリと揃えており、スズキも新興国だと日本では分からない強さを持っていることが改めて分かります。

この種の車は新興国では昔でいう空冷ビートルやスバル360のように必ず必要でしょうから、どこがさらにインパクトある価格で出すか、どこがコストパフォーマンスの高い車を出すかなど、日本で売るかは別にしても今後面白そうなジャンルになるのではないでしょうか。

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2009年12月24日

F1ストーブリーグに激震! ミハエル・シューマッハ選手がF1に復帰!

メルセデス・ベンツのブラウンGP買収でメルセデスGPが誕生して以来、にわかに噂に挙がっていたミハエル・シューマッハ選手とメルセデスGPとの契約が正式に発表されました。メルセデスと関係の深かったミハエル・シューマッハ選手ですが、そうとは言っていないにせよ引退後はフェラーリの終身名誉スタッフのように見えていましたし、06年の引退からすでに3年が経っており、年齢も来年で41歳ですから、復帰にはビックリです。このようなケースは92年に引退したマンセル選手が、94年のセナ選手の死亡事故で代役として復帰して以来ではないでしょうか(もっともマンセル選手の場合、94年にウイリアムズでスポット参戦した後、翌95年はロン・デニス監督と絶対に合わないと言われたマクラーレンに移籍し、シーズン開幕2戦はコクピットが狭いという問題で欠場、その後2戦で辞めてしまったというひどい結末でしたが)。

メルセデスと関係が深いと書いたように、シューマッハ選手はF1デビュー前、将来メルセデスがF1に復帰した時のためにフレンツェン選手、ヴェンドリンガー選手とともに結成されたメルセデスJr.チームの一員で、その後何度かマクラーレンへという噂もありましたが、結局この契約まで実現しませんでした。それが引退から3年も経ってからシューマッハ選手とメルセデスのタッグに加えて、ベネトンとフェラーリで黄金時代を築いたロス・ブラウン氏も加わるのですから、凄い話です。

チームメイトにはニコ・ロズベルグ選手が発表されていますが、今まで「チーム・シューマッハ」と呼ばれていたくらいナンバー1ドライバーにこだわっていたシューマッハ選手だけに、シューマッハ選手とロズベルグ選手の関係というかポジションはどうなるのでしょうか。今まで91勝を挙げているシューマッハ選手だけに、今後F1を走る年数によっては100勝とか8回目のタイトルといった記録にも期待がかかります。


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2009年12月23日

トヨタによるVW販売が終了に

トヨタ系のDUO店でのVWの販売が来年末で終了になることが発表されました。といってもDUO店は今後VWグループジャパンとの直接契約に移行するだけで、働いている人の所属などは変わるにせよ、ユーザーには特に影響はないようです。リリースによると、VWとしては合理化のためDUO系ディーラーを運営するために必要だったディストリデューター=トヨタをもう置きたくない(トヨタに支払うお金も必要だったんでしょうか、そのお金が不要になれば価格が若干下がることもあるのかもしれません)とパートナーシップ解消の理由を挙げています。もしかするとそれ以外にも、VWとスズキが資本提携したことやVWとトヨタが自動車メーカー世界一を争っているのに、トヨタでVWを売っているのは?といった部分もあったのかもしれません。

思い出すとDUO系ディーラーは、92年にVWがそれまでのパートナーだったヤナセとの契約を終了し、VW直営のディーラーだけでは販売網が足りないということで出来たものだと記憶しています。その当時ゴルフUがあった我が家では、DUO系ディーラーが出来た3年後にDUOでゴルフVを購入し、そのゴルフVに私もしばらく乗っていたことを思い出します。

まあ、ユーザーにはほとんど関係ないことですが、VWとトヨタのパートナーシップ解消でトヨタのディーラーと同じ敷地に合ったDUO店は移転するのかとか(そういえば住まいの近くにあるネッツ店と一緒にあったDUO店は今年になって移転していました)、VW直営とDUO店だと差があると言われることもあるサービスがVW直営レベルに統一されるのかなど、気になるところです。
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2009年12月22日

ホンダが次期SUPER GTマシンを発表!

ホンダが来年のSUPER GTに、レース専用車「HSV」で参戦することを発表しました! 参戦は開幕戦となる3月の鈴鹿ラウンドからです。

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3.4リッターV8エンジン+FRレイアウトでレギュレーションに対応

発表では特に触れられてはいませんが、マシンは開発中止となったNSX後継車ベースのようです。

まあ、本来ならNSX後継車の市販車があって、SUPER GTもこの車でという青写真だったのでしょうけど、NSX後継車はお蔵入りになり、いつまでも生産が終了したNSXで自動車メーカーがレースに出るわけにもいかない、ならばこの車で、ということのように感じます。このあたりは「一応市販車ベースのレースなのに市販車がない車で?」という意見も当然ではありますが、逆にSUPER GTのSC430やGT−Rが市販車とどれだけ関係あるんだ?というのも正論です。ですので、個人的にはホンダがSUPER GTに残り、サーキットだけとはいえ幻になりかけていたNSX後継車が世に出たことを好意的に受け取りたいと思います。

パフォーマンスや参戦台数なども気になるところです。
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2009年12月21日

新型ステップワゴンに乗りました その2

ハンドリングは分かるような乗り方はしていませんが、この種の車としてはレベルの高い普通といったところ。ただ、ホンダお得意の低床重心設計に加えて、全高も低かったため先代で乗ってすぐに感じた「他のこのクラスのミニバンと違うぞ」という、曖昧な言葉ですがホンダらしさのようなものはありません。乗り心地はほんの少し硬さはありますが、不快なショックは一切なく、先代で若干認められた負荷の軽い時にリアが落ち着かないところ(ミニバンという性格上、フル乗車時も想定しなくてはならないために起きていた現象だと思いますが)もほぼなくなっていました。

1つだけ気になったところは晴れた日中の自発光メーターの視認性です。写真で分かるが微妙ですが、なぜかライトを着けている時のように薄いです。調整スイッチも触りましたが、私がやった限りでは変わりませんでした。調整できるものなのかこういうものなのか、気になるところです。

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まとめると新型ステップワゴンはこのクラスのミニバンとして、ほとんど弱点のないよくまとまったとてもいい車に感じました。しかし、個人的にはあまり成功しなかったのは事実としても、全高は低いけど室内空間はちゃんと確保されていてノア/ヴォクシーやセレナとは明らかに違ったキャラクターだった先代ステップワゴンが妙に好きだったのも事実です。やむを得なかったとはいえ、先代のコンセプトのままモデルチェンジして欲しかったというのは、ミニバンが必要な生活をしていない車好きの勝手なわがままでしょうか。

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今になるとちょっと恋しい先代ステップワゴン

東京青山のホンダに車を返却した帰りに、ちょうどアシモのデモンストレーションをやっていました。

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デモンストレーションの後、思わず拍手と一礼をしてしまいました。






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2009年12月20日

新型ステップワゴンに乗りました 1

先日新型ステップワゴンに街乗りオンリーという形ではありますが、乗る機会がありました。グレードは初期受注で2番人気のG・Lパッケージです。

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車に乗ってまず感じたのは広いガラス面積、ベルトラインの低さによる視界の良さと解放感です。視界の良さに加えてスタイルも真四角に近いですから、非常に運転しやすいです。解放感と言えば、乗った日は冬場にしてはお日様が出ていて暖かい日だったため、暖房なしでも車内はポカポカで、車内で日向ごっこか昼寝でもしたいと思ったくらいでした。

走り出すとハンドルの軽さが印象的で、駐車場や街中では視界の良さとハンドルの軽さのおかげで取り回しがとても楽というかサイズの割には気楽に乗れます。この感じはフリードによく似ています。

動力性能自体はこのクラスのミニバンとしてはごく普通ですが、CVTとの組み合わせになったこともあり、ノア/ヴォクシーのバルブマチックでない標準エンジンやセレナに比べると格段に速いように感じました。先代ステップワゴンの2リッターは4速ATとの組み合わせだったことも影響してライバル2台と動力性能を比べた場合、少なくともノア/ヴォクシーには劣っていましたから、着実な進歩を認められます。

また、ステップワゴンと同じR型の2リッターを積むストリームに対して、ステップワゴンのエンジンは燃費向上のためフリクションを少なくする目的でバランサーシャフトなしになっています。高回転まで回した際のフィーリングをちょっと心配していましたが、アクセル全開でも「レッドゾーンまで気持ち良く回る」とまではいかないにせよ、特にうるさくなることもなく不満はまったくありません。

1つエンジン関係で気に入ったのは、燃費重視の制御になるECONモードです。ECONモードが付く最近のホンダ車に街中で乗ったのは初めてだったのですが、ONでも力不足を感じることもありませんし、むしろアクセルペダルのストロークが長くなったような感じになり、コントロール幅が広くなったところに好感を持ちました。例えるなら、自分のブレーキ操作に忠実に反応してくれるコントロール性のいいブレーキパッドに出会ったような感じでしょうか。大きな弱点ではないにせよ、新型ステップワゴンはECONモードオフだと、スタートの際に気を使わないでアクセルを踏むとちょっと飛び出すような傾向があり、ECONモードオンだとコントロール幅が広がる分飛び出し感もなくなるという副次的なメリットもあります。これだけのメリットがありますから、フル乗車などのケース以外ECONモードは基本的にオンにしておくべきだと思います。

ECONモードのことを書いたところで燃費をご報告すると、夜間と正午前後の比較的空いた都内を、ECONモードのオンオフもしながら気を使わずに44km走って(それぞれ暖気を含む)、リッター11kmでした。このクラスのミニバンの街乗りでこれだけ走ってくれれば大満足ではないでしょうか。

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要求される要素を高次元でバランスさせているエンジン
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2009年12月14日

新型フーガ試乗レポート

先日レビューでお伝えした新型フーガに早速試乗する機会を得ましたのでレポートしたいと思います。いくつかエンジン・サスペンションの組み合わせが存在するフーガですが、その中で今回は2種類の個体を試す事ができました。1台はホワイトの250GT(ノーマルサスペンション仕様)と、もう1台はブラックの370GT VIP(コンフォートサスペンション仕様)。残念ながら注目の20インチタイア+スポーツサスペンション仕様のタイプSは試す事は出来ませんでした。

当日は残念ながらあいにくのお天気で、豪雨で路面もヘビーウェット状態。そんな中、250GTの方は市街地〜高速までの少しまとまった距離を、370GT VIPでは距離と時間は僅かながら、リアシートでの乗り味のチェックも行う事ができました。

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さて、早速ドアを開けて室内へ。以前お伝えした通り、他の日産車との共通部品が本当に見当たらず、各スイッチ類のタッチや動作部分の動きの質感など、非常にしっかりと煮詰められています。8インチとなって見やすくなったモニターの視認性も◎。もちろん豪華に感じるのは当然最上級モデルでフル装備の370GT VIPのほうですが、「普通の」本木目パネルにファブリックシートの250GTでも、基本的な上質さに大きな違いはありません。

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唯一大きな差として感じるのは、プレミアム本革が使用されるステアリングの質感の違い。これは標準仕様と直接比較すると、一度握るだけでそれはそれは明確な質感の差が存在します。贅沢を言うならば、これは是非全グレードに展開してもらいたかったところ。

さて、左側のスイッチを押してエンジンスタート。一瞬振り切れるメーターのウェルカムアクションと共に、かなり豪快なエンジン音が室内へ。特にこの季節のコールドスタートの時は、排気系の音が耳につきます。

他の風切り音やロードノイズ、サスからの音などの遮音性は非常に優れているだけに、発進直後と2000〜3000回転の常用域に後方から聞こえてくるこの音は明らかに意図的な演出によるものでしょう。これは走り始めてから常に耳に残り意識する音であり、これを「高級車らしからぬノイズ」と判断するか、はたまた「心地いい演出されたサウンド」と評価するかで、このフーガのイメージは個々で大きく変わってくることかと思います。今回は豪雨の中での試乗ということで、他からの侵入音もかなり大きめではありましたが、とりわけ3.7Lモデルの後席ではこの排気系の音は少し過剰に思えるほど響いてきました。

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いきなりネガティブな書き出しになってしまいましたが、従来の日産車から比較して大きく改善されたのは発進時の際のスロットルマナー。このクラスの日産車はどうしても初期のアクセルレスポンスが敏感すぎる嫌いがあり、ここぞ!という時の瞬発力はさすがなものの、ジェントルかつスムーズに走りたい時にはかなりアクセルワークに神経を使わされる傾向がありました。

しかしながら、新型では「ドライブモードセレクター」の存在によってドライバーが任意にコントロールできるようになり、完全にこの悪癖は克服されたと言っていいでしょう。個人的には街乗りだけならば「ECO」状態で十分。これでパワー的にはなんの不満も感じられません。

3.7Lモデルはこれでも十二分な極太なトルク感を味わう事もできますが、このVIPには今回注目の装備の1つであるエコペダルが搭載されており、アクセルを踏む事をやんわりと拒絶されます。もちろん、セレクターを「SPORTS」にし、ドカンと踏み込めば怒涛の加速を味わう事ができますが…。

ここ1発でのパンチ力で有利なのは当然3.7Lモデルですが、せっかくのパワーをエコペダルで抑制して…というような走りのリズムに、どこかチグハグさや矛盾が感じられたのも事実。このエコペダルがVIPのみに標準装備されている理由もなんとなく分かったような気がします。

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ということで、個人的にバランスの良さを感じたのは、圧倒的に2.5Lモデルのほう。こちらは3名乗車で高速走行も行いましたが、確かに最初の一踏みでのトルク感では排気量のハンディを感じる事がありますが、それを実に上手くカバーしてくれるのが、今回2.5Lモデルにも搭載された7速AT。こちらはギア比・ファイナルともに3.7Lと共通ではあるものの、トルコンの滑りを感じさせずスパッと変速してくれるつながり・マナーの良さ、そしてシフトダウンは日産お馴染みのシンクロレブコントロールでブリッピング。十分に走りを楽しむ事ができます。

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そしてその印象の良さはフットワークにも。標準状態で245幅の18インチという大径タイアを履きつつ、とくにフロア剛性の高さも手伝って、持て余している感じはほとんどありません。少し低速では若干硬めなものの、高速域ではダンピング性も直進安定性も非常に落ち着いたマイルドなセッティング。電動化が進む中、油圧式パワーステアリングにこだわるだけあって、ステアリングフィールも接地性をキチンとリニアに伝えてくるあたりは大変好印象。また、ヘビーウェットでも効きとコントロール性が抜群に良いブレーキもクルマのフットワークの良さを引き立ててくれる一因と言えるでしょう。気をつけたいのは、このクラスのFRセダンとしては予想以上にハンドルの切れ角が少ないこと。大きなボディサイズも含め、取りまわし性能にはそれなりの覚悟が必要です。

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さらに乗り心地を…という方には、VIPのコンフォートサスペンションもお勧め。その名の通り、ノーマルサスで若干感じられた硬さはこちらでは全くと言っていいほど払拭されており、それこそ歩道の段差を1つ乗り越えるだけで明確な差が感じられます。同条件でワインディングなどペースを上げた状態で比較できなかったのは残念ではありますが、極端にこのフーガのフットワークの良さを犠牲にするのでなければ、他のグレードでもオプションで選択可能なこのコンフォートサスは、なかなかお勧めかもしれません。

もちろん、それが電子制御を用いて、1つの足でこの良さそれぞれが両立する事ができれば言う事なし、なのですが…。しかし、いわゆる「素」のサスペンションとボディバランスでここまで大きなクルマをこの乗り味にまで仕上げてくるシャシー性能の高さは、フーガ最大の美点かもしれません。

繰り返しになりますが、今回のように2台をいろいろな条件でたっぷり試乗できる機会に恵まれただけに、タイプSを試せなかったのが非常に残念。また機会があれば、このモデルの印象をお伝えできれば…と思います。




レポート:岩田 和馬
posted by 親方 at 23:55| Comment(0) | TrackBack(0) | 岩田和馬 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年12月13日

SAIに乗りました 2

走りの方はレクサスHSとほぼ同じ印象です。2.4リッターエンジン+2モーターのハイブリッドシステムはプリウスと比べると、発進時のモーター走行時間が少なく電気自動車的なフィーリングは薄く、ホンダのハイブリッドに近い印象です。レクサスHSと比べると個体差なのかエンジンが若干スムースな感じで、車重が70kg軽いこともあって若干加速はいいような気がします。動力性能自体はプリウスと比べるとほぼ同等くらいで十分以上。同じシステムを使うレクサスHS250hの車名の通り2.5リッター並みです。そう考えると車重の要素があるにせよ、「プリウスは速い車なんだな」と今更ながら思います。また、トヨタブランドとレクサスブランドの格の差から来るイメージや値段差からなのか、HSだと正直「何かとエコ度合いは下がるけど高級な6気筒が欲しいかな」という気持ちもあったのですが、SAIだとそういう印象は特になく、むしろV6より2.5リッターくらいまでなら軽量でパンチ力に優れる4気筒が正しいように感じます。

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日本ではまだ馴染みの薄い2.4リッターのFFハイブリッド

ただ、プリウスに比べると200kg以上車重や車重に対するバッテリーの性能不足なのか、軽いブレーキのつもりでもメーター内左上にあるハイブリッドシステムの使用状態を表示する「ハイブリッドインジケーター」のチャージ側は一杯になってしまい、ブレーキパッドを使うことになります。減速時のエネルギー回生という部分では無駄に捨ててしまっている部分が多そうです。ちなみに実用燃費をハイブリッド担当のエンジニアの方に聞くと「先代プリウスでリッター20kmくらい走るパターンで15〜16km、対レクサスHSだと軽い分でプラス5%くらい走る感じです」とのこと。同じ排気量のアテンザやアコード、マークXの燃費をYAHOO自動車のユーザーレビューの平均値で見ると9km台後半から10kmですから、そのあたりのエンジン車と比べれば1.5倍くらいは走るようです。この燃費を「十分いい」と感じるか「いいけどもう一声」と感じるかは人によって大きく変わるのではないでしょうか。

ハンドリングは車重やタイヤサイズ(レクサスHSの主流は17インチ)の軽さ、小ささが要因なのか、気持ち軽快な印象。電動パワステもプリウスのツーリングセレクションと同様にコストはかかるけどフィーリングは良くなるブラシレスモーターを使っていることもあるのか、手応えもしっかりしています。このクラスになれば当然だし、今時そんなことを思う人も少ないかもしれせんが「ハイブリッド、エコカー」といった言葉からイメージするひ弱さはまったくありません。

乗り心地はタイヤがプリウスほどではないにしろ、転がり抵抗低減も配慮したもののせいもあるのか舗装の悪いところだとしなやかさに欠けます。ここまで比較対象として何度も出てきたプリウス、レクサスHSと比べるなら、対プリウス/普通のプリウス相手ならSAIの勝ちだけどダンパーの違うツーリングセレクションやソーラーサンルーフ付き相手だと負け、対HS/大きな差でないけどHSの勝ち、といったところでしょうか。

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Sの16インチタイヤ、銘柄はダンロップSPスポーツ

ちなみに乗り心地の印象はタイヤサイズの違うSとGを比べても、18インチのG(タイヤの銘柄はBSポテンザRE050)の方が当然サイドウォールの厚みは薄いですが、構造などでカバー出来ているのか差は感じられませんでした。まあ、そうは言ってももしSAIを買うなら車両価格、先々のタイヤ交換代の安いSが基本で、Gを買う予算があるならその分で普通のGとほぼ価格になるSのASパッケージを選ぶかなというのが個人的な選択ですが。

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全体にSAIはレクサスHSもそうだったのですが、ハイブリッド専用の上級セダンという魅力はあるにせよ、この価格帯の車にしてはなぜかそれほど強い印象のない車でした。車好きだと「期待よりは」というケースもあるかもしれません。しかし、保守的な人が多いと思われるユーザー層を考えるとこのあたりが適切なところなのかもしれません。

同時に高級感やリアシートの広さをそれほど求めなければ「プリウスでも十分かな」と思わせるプリウスの強さや、300万円中盤クラスまでのハイブリッドセダン軍団に加えてオーソドックスな車らしさという強い魅力を持つマークXも用意できるトヨタの総合力の強さを改めて感じさせられました。SAIそのものには乗り心地と燃費向上のためバッテリーの性能向上に期待したいところです。

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2009年12月12日

SAIに乗りました 1

先週、河口湖で行われた試乗会でトヨタの新しいハイブリッド専用セダン「SAI」に乗りました。SAIは成功作とは言えませんでしたが、かつてトヨタが小さな高級車として世に出したプログレの意思も受け継ぐ車で、チーフエンジニアもプレグレの開発に携わっておられた加藤さんです。

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トヨタブランドらしくというかレクサスHSより親しみやすい印象のスタイル

バリエーションは標準的なS/338万円と豪華版のG/380万円それぞれに、レーンキーピング付きレーダークルーズコントロール、プリクラッシュセーフティ、エアロパーツなどが加わる“ASパッケージ”のトータル4種類。SとGの機能的な主な違いはタイヤサイズ(S/16インチ、G/18インチ)くらいです。ちなみにプリウスほどではないにしろ正式な発売前から人気を集めているSAIの下取り車種は、トヨタのセダンが中心で車種はクラウン、マークU、マークX、プリウスなど様々だそうです。

インテリアは豊富なカラーも選べるレクサスHSに比べればシンプルですが、それでも質感、装備内容は価格相応を余裕で上回る満足度。スピードメーターも年配の方を狙っているのか大きて見やすく、こんなところでもプログレの意思を感じさせます。ただ、トヨタの大きめのFF系乗用車ではお決まりになりつつあるアーチ状に近いセンターコンソールは、各操作スイッチの配置の都合くらいしか浮かばないメリット(というか事情?)を考えると「そこまでこだわるべきものかな」と感じます。

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写真は木目のステアリング、パネルが付くG

リアシートは当然ですがレクサスHSと同等の広さで、頭上空間が決して広くはないプリウスに比べると格段に楽で十分くつろげます。レクサスHSとSAIのリアシートに座ると、中身はプリウスでこのくらいの広さを確保したタクシーにも使えるハイブリッドカーがあってもいいのかもと思います。
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