2009年09月25日

人気欧州コンパクトモデル試乗その1 〜BMW MINIONE〜

今年はoldMINIが登場して50年目の記念すべき年。いまでは実質的なBMW開発主本のFFスペシャリティモデルとなっており、世界的にアイドル的人気を集めているのはご承知の通り。

02年に登場したそんな次世代newMINIも、現在では2代目へと進化。見た目は「超」キープコンセプトながらも、エンジンや足回りなどに大幅なアップデートが図られました。そんなMINIのロングランテストを行う機会を得たので、レポートしたいと思います。

テストしたのは、ベーシックモデルであるONEの6速ATモデル。テスト車両には通常の鉄っちんホイールではなく15インチアルミホイールが装着されているなど、多数のオプションが装着されていました。ONEの区別の仕方として他には、グリルやリアガーニッシュがブラックとなり、ルーフがボディ同色になるなど。確かにクーパーのほうが見た目の高級感は確かに上ですが、個人的には鉄っちんホイールなど、シンプルなONEの見た目に惹かれる部分も。また、年齢層や男女関係なく、老若男女問わず誰でも似合ってしまうその佇まいの良さも、新旧MINIに共通する美点といえます。

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先代モデルはクーパーだけでなくONEも1.6Lでしたが、新型は1.4L。またトランスミッションが低速域でのドライバビリティにひと癖あったCVTから、新型ではコンベンショナルな6速ATへと変更を受けたのは日本市場にとっては歓迎していいポイント。またこのベースのONEから6MTモデルが用意されているのも、インポーターに拍手!したいところです。

1.4Lエンジンの出力はたったの75ps。ゼロヨンではかろうじて20秒を切るレベルの動力性能ですが、実際運転したみた印象は「必要にして十分以上」。ゼロ発進時には多少なりとも排気量の小ささやモアパワーを叫びたくなりますが、一度走り始めてしまえばそこからの加速感やレスポンスは期待以上。トルコンの滑りをあまり感じさせずスパスパっと素早く変速を行う、クロスレシオの6速ATの効果によるところも大きいでしょう。

マニュアル操作の際のシフト側の操作ロジック(押してダウン、引いてアップ)は個人的には○ですが、ステアリングシフトもいわゆるマツダ・BMW方式と同じなので、こちらは片手でアップダウンができるという利点があるものの、一般的なパドルシフトから比べると少し慣れが必要です。

また決してスポーティとは言えないものの、重圧で安っぽさを微塵も感じさせないエンジン・エキゾーストノートも排気量の小ささを意識させない美点。できれば6速MTであればもっと軽やかに、それらしく、走る事ができるでしょう。燃費は積極的に走って13km/L程度。トルク不足を補うためにどうしても踏み込み気味となるので、もしかすると、燃費の面ではクーパーの1.6Lのほうが良好かもしれません。

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先代に対するアドバンテージは、その乗り味の向上っぷり。いわゆる「ゴーカートフィーリング」というクイックな操縦性を残しつつ、乗り心地や快適性をグッと引き上げたのが2代目最大の進化ポイント。また、クーパーに比べてよりしなやかなサスセッティングが施されたONEは、その魅力がさらに分かりやすいものに。タイヤサイズは175/65R15とクーパーと共通ながら、このサイズは唯一ランフラットでない点の恩恵も当然受けています。

その分絶対的な比較ではクーパーに劣るかもしれませんが、このONEだけを乗ってしまえば操縦性はこれでも十分刺激的。車庫入れでのロックtoロックの少なさからも分かる通り、ステアリングに対するノーズの反応はとにかくクイックかつ正確で、ワインディングでの身のこなしは軽快そのもの。もちろんそれらの刺激性はリスクを伴うセッティングで実現されているのではなく、同セグメントでは圧倒的とも言えるボディ・フロア剛性と、これまた素早いノーズの動きに対してどこまでも追随してくるリアのスタビリティ性能の高さの上に成り立っています。また、4輪の接地性の高さを常に実感でき、ガツンと踏んでもビクともしないブレーキ性能の頼もしさなど、MINIがBMWブランドのFF車として生まれ開発された事をまざまざと実感させてくれる一因と言えます。

5ナンバー枠に収まるといえども、はっきり言って実用性はほとんど皆無。ワゴンボディであるクラブマンであっても、所詮毛が生えた程度であり、それらをこの車に期待する事はハナから間違いです。ようは見た目重視、雰囲気重視。加えて、いざステアリングを握ってみれば、圧倒的なレベルの高さと個性的な味付け。外装部品がほとんどこのクルマ専用であることを考えれば、そのクオリティとの兼ね合いも考えて、220万円程度の価格は日本車との価格差を考えても、正直バーゲンプライスに思えます。ターボモデルのクーパーSを始めとして、さらに強力なユニットを積むシリーズもどんどん拡大していますが、加速はドン亀、しかしそれをシャシー性能でカバーするというこのONEの感覚とポジションこそ、「MINIらしさ」を一番感じるグレードではないでしょうか。

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先日のフランクフルトでは、2シーター仕様のクーペ・ロードスターも登場。さらにSUVモデルなど、これからも派生車種はどんどん拡大していくようです。見た目や雰囲気だけで指名買いしても良し、かと言って単なるそれだけのクルマではなく、その走りの個性に惚れても良し。世界的に好調なセールスを実現するMINIの商品性の高さを改めて実感したテストでした。

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レポート:岩田 和馬
posted by 親方 at 00:21| Comment(3) | TrackBack(0) | 岩田和馬 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年09月08日

アウトバック3.6試乗レポート

以前レガシィの試乗レポートの際に乗りそびれていた、アウトバックに乗る機会を得る事ができました。幸運にも試した個体は、こちらもまだ未体験である3.6Lモデル。簡単ではありますがレポートしたいと思います。

高められた車高の影響で、アイポイントはグッと高め。シートやステアリングの調整量が大きいおかげでドラポジはキチッと決まります。ただ、やはりレガシィのアイコンである「自発光式メーター&MOMOステアリング」という2大アイテムが失われたのは、返す返すも大変残念。特にステアリングは、別にブランド命というわけでなく、採用しないならしないで、純正でももう少し気合いを入れて開発すべきパーツでしょう。オプションのマッキントッシュオーディオは音質はもちろんの事、インパネの見た目も向上させてくれる極めて身力的なアイテム。ナビの画面も大きく非常に視認性に優れています。

アイドリング時のエンジンの振動はほぼ皆無で、走りださずとも6気筒の恩恵を感じる事ができます。まずはSI−DRIVEをデフォルトの「I」モードでスタート。この時はかなりアクセルに対する反応が落ち着いており、発進は実にジェントル。ただこの状態だとせっかくのこの排気量の余裕が感じられないのも事実。個人的にはこの3.6Lでは「S」モードをチョイスしたいところです。

そのSモードでは、アクセルを踏むと同時に実に頼もしい低速トルクを体感でき、少し発進時のかったるさが感じられた先代の3.0Lモデルからの+600ccのゆとりを実感することができます。また大陸的なのんびりとした性格と思いきや、低回転だけではなく、中〜高回転域のパワーの盛り上がりも実にナチュラルかつパワフル。そしてボクサー6の真骨頂とも言える振動のなさと吹けのスムーズさ、ブン回した時のサウンドの良さ。このジェントルな振る舞いとスポーティなフィーリングのバランスは国産エンジンの中でも随一。

4Lクラスと同じ税金である事など、この車にこれだけ大きなエンジンが必要かどうかと考えると「?」マークがつくところであり、この排気量でレギュラーガス対応という事を声高に叫んだとして、さほど大きなアピールになるとは思えません。しかし、そういった能書きを横におけば、間違いなくこのボクサー6ユニットは魅力的。今後もスバルが国内市場でも拡大化志向を貫くならば、この3.6LエンジンにMTを組み合わせたスポーティな追加グレードがB4やTWのほうに展開するのも1つの手法でしょう。

そのエンジンの魅力に対して、ステップ比が大きめで決してスムーズとはいえない5速ATの存在が足を引っ張ります。もちろん我慢できないほどの不満点ではないものの、新型のキャラクターと価格を考えると、やはりATが見劣る印象は拭えません。

足周りは基本的にソフトな味付け。M+Sの17インチタイヤを履く事もあって、コーナーは得意とは言えず。ゆったりとしたリズムで乗るにはバランスが取れており、乗り心地も大変優れていますが、ベースモデルと比較してしまうと、AWDらしい「走りの頼もしさ」に少し陰りがある部分が残念な点。

むしろアウトバックにも、もっとオンロードを意識したセットアップがあってもいいかもしれません。それならば本末転倒、ツーリングワゴンにすればいい…というのはごもっともですが、実際にスバルは限定車という形で、モデル末期時に2.5Lターボエンジンを搭載し、ローダウンサスを組み合わせオンロードタイアを履いたアウトバックを登場させています。別に頼もしいオフロード性能などではなく、見た目の雰囲気でアウトバックに魅力を感じるオーナーも実際多いのでしょう。国内ではそういったセットアップのアウトバックもアリかもしれません。



登場以来、個人的に新型レガシィに対して、コンセプトの変革やサイズアップではなく、その出来上がってきたスタイルに対して酷評を続けてきました。今でもやはり見慣れる事はなく、走りの素晴らしさに感慨を覚えつつクルマから降りると、今までこんなデザインの車に乗っていたという事実を消し去りたくなってしまうような嫌悪感を抱きます。3代目や4代目も決してカッコいいデザインなどとは言えなかったものの、新型はさらに中身が充実しているだけに、デザイン案の最終段階で大幅な軌道修正を図った上層部の責任は重いと言えるでしょう。

そう思いつつ、今回のアウトバックに乗った際には、不思議とそういった気分は自分でもさほど感じられませんでした。それはいわゆるこのクルマが「レガシィ」というしがらみをあまり感じさせないモデルであるからかもしれません。「アウトバック」という名前の違うクルマと考えれば、不細工なスタイリングにもなんとかギリギリ耐えれそうな気もします。北米ではツーリングワゴンではなくこのアウトバックがワゴンのスタンダードになっている風潮が、日本でも強くなってくるかもしれません。

新型レガシィに対して嫌悪感を抱くユーザーに対して、まだ受け入れてもらえるのはエクシーガかもしれません。先日マイナーチェンジを行い、一部を除き2LNAモデルにリアルトロニックCVTを搭載。排気系の見直しでパワーアップを図りつつ燃費を向上させており、またサスペンションに手を加えて操安性向上を行うあたりはさすがスバル。またVDCの設定拡大やターボモデルへのパドルシフト搭載、細かいところでいえば視認性どうこうを無視したえげつないメーター配色が落ち着いた色調へと変更を受けたのも嬉しいポイントです。また4速ATモデルであれば、特別仕様車のSスタイルは充実装備で価格は200万円以下。エクシーガのデザインも洗練されてるとは言い難いですが、このエクシーガにもストリームのように5人乗り仕様を用意し、新型レガシィに幻滅したユーザーへの対策として用意するのも可能性としてはアリかもしれません。エクシーガは今数少ない国内専用車(オーストラリアなどへは輸出予定アリ)、CMでもここに来てレガシィとの共通イメージを大きく打ち出してくるようになりました。

同時にインプレッサも年改を実施。軽自動車のほうでは、ついに「ディアス」という名前でダイハツアトレーのOEM配給が始まってしまいましたが、サンバーのバン・トラックのほうはマイナーチェンジを実施してまだまだ生き残り。国内メーカーでは今もっとも前途多難なスバルではありますが、地道に打開策を見出していってほしいところです。

今後のレポート予定
○魅力的な欧州コンパクトモデル ロングランテスト
・フィアット500
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・MINIONE
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○夏場にインサイトを改めてテスト


レポート<岩田 和馬>
posted by 親方 at 16:33| Comment(7) | TrackBack(0) | 岩田和馬 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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