2010年12月25日

新型ソリオが発表されました 2

車の概要の説明が長くなりました。というか正直注目度の低い車で、これだけ書きたいことが思い浮かぶソリオって凄いです(笑)。

インテリアはパレットによく似ていますが、登録車という車格もあってなのか質感はなかなかです。室内の横方向のゆったり感やシートの幅は幅が狭いこともあってか、やはり若干狭い感じです。

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ワゴンR以来の伝統でもある助手席下のバケツも装備

リアシートは1765mmの全高を生かしており、3710mmという全長を考えれば文句なしの広さです。1つ要望を挙げれば乗降性が悪いわけではありませんが、Bピラーに乗り込む時に使うアシストグリップがあるとお年寄りが乗る時にさらに使いやすいのではないでしょうか。これはスライドドアでなまじ開口部が広いせいなのかもしれません。

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シートスライドも付くリアシート

これだけ広いのだったら、リアシートに3人座った時に厳しいという懸念があるかもしれませんが、昔たまに走っていたファンカーゴのタクシーのようにソリオも料金の安い小型タクシーに使えないかと思ってしまいます。

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ラゲッジスペースも文句なしの広さ

パワートレーン系は4気筒の1.2リッターエンジンに副変速機付きCVTと、スイフトと同じです(車重がスイフトとほぼ変わらないせいかファイナルの変更もなし)。

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スイフトと車重が変わらないと書きましたが、車重は1000kgから4WDの1090kgと、スライドドア車としては非常に軽いですし、パレットの3気筒エンジンを積むターボ車と比べてサイズが大きくなって、気筒数が増えているのに(ターボにするのも重くなりますけど)50kgしか重くなっていない点も注目です。

サスペンションは形式こそ軽自動車と同じながら、至るところに変更が加えられているそうで、軽の大改良版といったところです。ちなみにフロントのスタビライザーは、3グレードあるうちのベーシックなSにだけ付きません。「パレットでも全車にスタビが付いているのに」と思うところなのか、「あった方がいいけど、なくても大丈夫」というところなのかちょっと気になるところです。

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タイヤは低転がりの横浜ゴムのアスペック(サイズは全車あまり見ない気がする165/65R14)、アルミホイールが社外品みたくてカッコ良くありませんか?

グレード体系と価格は安い順に

S/138万2850円(なんとスライドドア左側の自動ドア付き!)
X/150万9900円(Sに対してエアロパーツ、カッコいいアルミホイール、サイドエアバッグ、オートエアコン、フロントスタビライザーが追加)
S/162万4350円(Xに対しHIDライト、革巻きステアリング、ミラーウインカーなどが追加)

となっています。正直、先代ソリオのイメージで見ると結構高いように思う部分もあるのですが、そもそもある意味マニアックなジャンルの車なので比べる車がすぐには浮かびません。ちょっと考え、動力性能も考慮しパレットのターボ車の価格を引き合いに出すと、パレットの標準タイプのターボ車はソリオGに対し若干豪華な方向に装備差はあるものの138万6000円と意外にもソリオより高価です。

さらにスライドドアという観点で見ると1300ccのポルテが約140万円から、ラウムも1500ccなのを考慮するにしても160万円からと、自動ドアが付いているのも考えれば結構買い得感のある車だと思います。

バイヤーズガイド的には、買うなら140万円を切る絶対的な価格や車重が1000kgなので上のグレードより重量税が安く済むGしかないように初めは思いましたが、装備と価格をよく見るとエアロパーツとカッコいいアルミホイール(しつこいですね 笑)とその他が13万円ほどで着くなら、Xの買い得感も捨て難いところです。

趣味性と無縁のようなソリオですが、私はサイズのことや今までにないジャンルの車でもあるのが妙に気に入っているようで、街中での使い勝手や取り回し、遠乗りでどのくらい使えるかなど、ソリオにかなり注目しています。そういうメディアは少ないでしょうけど・・・・・・。個人的には当面スズキが立てた販売目標をかなり上回る台数が売れるような気がしています。

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2010年12月24日

新型ソリオが発表されました 1

今日は「スズキからのクリスマスプレゼント」とばかりに、新型ソリオの発表会がありました。

ソリオと聞いてもすぐに頭に浮かばない人が多いと思いますが、ソリオは元々ワゴンRワイドの車名を使っていた、車名の通りの1000ccエンジンを搭載したワゴンRの拡大版でした。以前のモデルではワゴンRプラス、ワゴンRソリオ、ソリオとして販売され、今回なんと12年に近い11年振りのフルモデルチェンジを受けました。

ちなみにワゴンRワイド一族の派生車にはスズキ生産のシボレーMWもあり、MWは今も売っています。父と車に同乗している際にスズキディーラーの前を通り、父が「こんな小さいシボレーがあるんだなあ」と言い、60歳過ぎでシボレーに対する憧れも昔持っていたと思われる父に、その時私は何も言えませんでした(笑)。

そんな余談はさておき、新型ソリオはこうなりました。


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スライドドアで、見れば誰もがパレットのワイド版と思う車です。しかし、ワゴンRワイド一族が本当に軽自動車の拡大版だったのに対し、新型ソリオは軽自動車との共用部分もあるものの、かなりの部分が新規に作られた「新」プラットホーム(ホイールベースもパレットより50mm長い2450mm)を採用しており、今までとはかなり力の入り方が違います。

そして注目したいのが1620mmという全幅です。この全幅は軽自動車との関連性という都合でこれが限界という理由もあるのかもしれませんが、登録車でこの全幅というのは絶対数は多くないとしても、狭い道の多い都市部や過疎部ではそれなり需要があるように思います。私個人も元々幅の広い車が億劫に感じるタイプで、峠道でAE86に乗ったり、5ナンバー車で狭い道を走ると「やっぱり日本の道は5ナンバーだな」とよく思うので、このサイズは貴重です。そう考えると、マイナーだけどサイズを気にする人や「とにかく軽は嫌だ(あまり深い理由はないにせよ、確かに私の親族にもそういう人います)」という人から需要がそこそこあったからこそ、ワゴンRプラス一族がなくならずフルモデルチェンジされたのも納得できます。もっと言えば、輸出が中心となりどんどん5ナンバー車がなくなって行く日本で、新型ソリオこそがいま一部で望まれている「日本に目を向けた車」なのではないでしょうか。

また、新型ソリオの開発エピソードもなかなか面白いので紹介すると、新型ソリオは国内営業部からの要望というか提案で開発がスタートしたそうです。さらに開発のスタートは何と2年前!だそうで、開発スピードの猛烈な速さや2年前ならばリーマンショックの影響による不況が始まった直後でもあり、おそらく世界初のリーマンショック後に企画され世に出た車という意味でも注目できます。

おまけに新型ソリオの販売目標台数は月1000台、年間でも1万2000台。ワゴンRプラス一族と同様に長い期間販売して数を稼いで元手をペイするのでしょうけど、それにしても数を売らなくてはならないコンパクトカーをこの台数で、しかも新規のプラットホームまで作って販売できることにスズキの凄さと摩訶不思議さを深々と感じます。もしかすると将来的には若いファミリー層向けに中国などの新興国への投入もあるのかもしれません。

ちなみに新型ソリオは我々が思っている以上に力が入っているのか、CMキャラクターはギャラが高そうに見えるジャニーズ事務所のアイドルグループKAT−TUNです。ますますよく分からないというか、分からないから面白いです。

そんなことを考えていたら、発表会の資料に「新型ソリオは来年春から三菱に月800台程度OEM供給される」というプレスリリースが入っており、台数に関する疑問は若干解けたのと同時に、最近日産と関係を深めた三菱、現状スズキと相互OEMで関係のある日産、そしてスズキの3社による日本の自動車業界再編もあり得るのかなとも思ってしまいます。



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2010年12月20日

広州ショー速報!

広州ショーのプレスデイが終わりました。取り急ぎ広州ホンダの独自ブランド「理念」として発表されたS1と中国ではサニーの名前で販売されるティーダ後継車の情報をお伝えします。

まず「理念S1」はフィット系をベースにした4ドアセダンです。スタイルは

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ご覧の通りというか、特にどうということはありません。しかし、そんなことよりも広州ホンダが何かをベースという条件付きながらついに独自で車を作ったということが大事なのではないでしょうか。

S1についてはプレスカンファレンスで写真を撮っただけなので、続報が入りましたら再度お伝えします。

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続いてサニーです。サニーはCセグメントとしては小さいサイズのセダンで、コンセプトを簡単に言うと「安くて広くて燃費がいい」です。

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サイズは長く見える割に全長4426mm×全幅1696mmと日本にもジャストサイズ、なかなかカッコいいです

そんなコンセプトだけに、燃費はエンジン形式こそ今までのHR15で同じながら、エンジンや各部の大改良により中国の混合モードでリッター17.2km(CVT車)。価格は8万2800元から11万2800元(日本で約116万円から158万円)と非常にリーズナブルで、開発陣は「中国にこんな車はありません」と胸を張っていました。さらに新規のプラットホームを使っており、その恩恵か車重は中級グレードのCVTでティーダより約60kg軽い1069kgと車格の割には非常に軽量です。

しかしその反面、インテリアはかなり安っぽいです。

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具体的にはダッシュボードがペッっとした感じで、マーチと非常によく似ています。価格コンシャスに走ったのでしょうか。その割にグレードによる差もあるかもしれませんが、タイヤはブリヂストンで、ブレーキは4輪ディスクでした。

日本への導入は未定とのことですが、おそらくティーダ後継として販売されそうです。もし日本でも販売されるなら、質感や「マーチと同じく海外生産かも」と考えたり、なかなか興味深い車です。

プレスデーを終えて、去年は1日目で粗方一回りは見終えていたのですが、今年は去年よりかなり早く行ったにも関わらず何故か全体の6割程度かしか見終わっていません。明日も気合を入れないとなりません。

以上、広州からのレポートでした。
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2010年12月19日

広州に入りました

広州モーターショー取材のため、昨日から中国に来ています。今回は一人旅です。

飛行機は航空運賃の問題で、土曜日の中国南方航空を選択しました。当然エコノミーですし、あまり期待はしていませんでしたが、機内に入ると使い方はよく分からないけどUSB電源付きのモニターは付いているし、シートはレカロと意外にも好印象。

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機内食も16時の出発で1時間後の17時頃に出てくるという不満はあるものの、まずまずの内容です。

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その他で問題なのは機内の温度調整が良くない点くらいで(私もとなりの中国人と思われる男性も防寒着を着たままでした)、日系の航空会社と比べたらトータルでは劣るにせよ、往復で2万円くらい安い運賃を考えれば大満足の内容です。中国南方航空は、中国に行く際には検討する価値が十分あります。

中国時間の20時に着陸し、長い荷物待ちの後タクシーで市内へ。車種は15年くらい前のVWパサートですが、去年も思ったようにダンパー抜け抜けだし、広さ以外はクルマによる差はありません。しかしこれも去年も思ったことですが、遠慮ないパッシングやホーン攻撃、車線区分関係なしの追い越しなど、多少の怖さはあるにせよタクシーのリアシートは結構楽しいです。こういうドライビングスタイルで運転していいのなら、覚悟を決めて中国で運転するのもストレスが溜まらないという意味で面白いかもしれません。道路で見る車はホンダとVWに加え、最近中国で盛り返しているGM系のビュイックが多かったです。

ホテルは日本円で4000円台のところですが、写真のように大きなベッドだし、インターネットは無線LANがよく分からない私には有難い有線LANで、バスタブではなくシャワールームなのと部屋の温度調整が分からず少し寒い以外は納得ものです。

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プレスデイは明日からなので、今日はショーの会場へ向かい先にプレスパスをもらいに行きました。足はお金もないのでタクシーではなく地下鉄です。広州の地下鉄は分かりやすいのと去年も来たことに加え、冗談のように聞こえるかもしれませんが、遠出する際には用意周到な準備をする性格なのが幸いしてか40分程度ですんなりと会場に到着。

プレスセンターを探すのに若干苦労しましたが、無事プレスパスを受け取りました。プレスセンターを探す途中、ショーは明日からなので必然的に準備中の会場を見る訳ですが(初めての経験)、会場は「本当に明日からショーが出来るの?」という状況。しかしながら、多分明日の朝までに準備は終わり、ショーが始まるのですから、こういう光景を見ると人間の凄さというものを感じさせられます。同時に会場の設営をしている人達が、私には生き生きと働いているように見えたのも印象的でした。

お昼は去年食欲がなく食べなかった会場内のマクドナルドです。38元(約530円)のチキンナゲット付き「スパイシーチキンバーガー」を選びましたが、日本にないメニューなのは別にして味は日本とほぼ変わりません。

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帰りにはホテル近くで3時のお茶として再度マクドナルドのデザートを食したのですが(10元、約140円)、店内は大混雑。またホテル近くのマクドナルドでは時間帯による割引もやっており、マクドナルドが混んでいるのとマクドナルドの商法は日本も中国も同じようです。

今回の広州ショーは広州ホンダの独自開発車とティーダ後継車が目玉のようですが、その他にも見どころはたくさんありそうです。ショー本番が非常に楽しみです。

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地下鉄駅内の看板。冷凍食品か何かと思われますが、真ん中の男性、ナインティナインの岡村さんに凄く似てませんか? というより中国にいると日本人も中国人もほとんど見分けつきません
posted by 親方 at 18:59| Comment(1) | TrackBack(0) | 永田恵一 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年11月30日

トレジアが発表されました 2

さて車自体ですが、一番初めに感じるのは初代ラクティスと比べて「すごく低くなった」ということではないでしょうか。私個人の話として初代ラクティスには叔母が乗っておりたまに乗るのですが、乗り心地は今一つだけどシャキシャキ楽しく走るし、クルコンも付いてるし広くて便利となかなか気に入っています。その印象で背の低くなった新型を見ると、ヨーロッパを見ているという理由もあるのでしょうけど、フィットなどとの全高の差もなくっている訳ですから、差別化かが出来るのかちょっと心配になります。

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実は個人的に愛している1台の先代ラクティス、正直なところは我が家で9年間乗り溺愛していたゴルフVをその後叔母が1年使い、ラクティスがゴルフVの後釜だから可愛がっているというのがほとんどかもしれませんが

ラゲッジスペースもリアシートのバックレストが長くなってシートとしては正しいものになった副作用なのか、ラクティスではリアシート収納時にフラットになったのが完全フラットではなくなってしまいました。

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お客さんはどう評価するか?

ちなみに新型ラクティスでは福祉車両が日本で初めて型式指定自動車になりました。このことはコスト面や納期でとても素晴らしいことなのですが、福祉車両として考えると(福祉車両を作っている開発陣にはまったく非はない前提の話です)、背が低くなったのは乗降性や車椅子のままリアシートに入れる仕様の場合の障がい者の方の居心地の部分で、若干チグハグな気もしてしまいます。

見ただけではあまり良くない印象に見える新型ラクティス&トレジアですが、スバルとの共同開発でもあることを踏まえると「乗ったらメチャクチャいい車なのかもしれない」とも思います。しかし、その期待の相当分をブチ壊しているように感じるのが価格です。具体的にはラクティスの一番安い1.3X/144万5000円、1.5S/178万5000円(ラクティスとトレジアで若干の差額あり)。1.3リッターに対し10万円高い1.5リッターエンジン搭載車ならフィットのXやハイブリッドも買えますし、1.5Sならウィッシュまでもう一息です。

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1.5リッターエンジン。屁理屈かもしれませんが、エンジンカバーもなくなってる!

元々ラクティスは結構お高い車でしたが、当初は「クルコンやパドルシフトも付いているしまあ」と何とか納得出来ました。しかし、去年フィットにXが追加されてからは客観的に見れば「背の高さが必要な人以外ラクティスを買う理由は何だろう?」と、ラクティス好きの私でも感じていました。そこをモデルチェンジでどう巻き返すか期待していたのに、背が低くなってフィットに近づいて、かつお値段も高いとなると・・・・・・。もしかするとトヨタのコンパクトカーの本命は来年出るヴィッツ級ハイブリッドカーなのかなと思ってしまいました。ならば、スバルにもヴィッツ級ハイブリッドを回して欲しいと考えるスバルファンも多いのではないでしょうか。それにしても、トレジアはOEMにしては珍しく分家の方を応援したくなる車でした(笑)。

ちなみに発表会では4台の展示車が奥から遅れて出てきたのですが、奥からの登場の際、展示車は窓を開けて外からハンドルを持った人に押されて出てきました。レースのダミーグリッドに着く前みたいでカッコいいと見るか、会場の問題とはいえ「エンジン掛けて出てきてくれよ」と取るか分かれるかもしれません。

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個人的には前者の「カッコいい」と思う気持ちが強いですが




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トレジアが発表されました 1

しばらく振りの更新になります。昨日は先週フルモデルチェンジされたラクティスのスバル向けOEMであるトレジアの発表会がありました。

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ラクティスよりカッコ良く見えるスバル顔

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スバル車と言われるとフォレスターを思い出す後ろ姿

ちなみにこちらが本家のラクティス。

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一番気になるのは「OEMでもかつてのザフィーラとトラヴィックのように違いはあるのか」という点だと思いますが、機能的な違いはほとんどありません。トレジアのトップグレードは「1.5i TYPE EURO」という名前でスバルチューンを期待してしまいますが、機能的に違うのはトレジアにはスバル基準で大部分のグレードにラクティスにはないステアリングのテレスコ調整が付くことくらいです。そう聞くと「初代ラクティスにはテレスコがあってそれが売りになっていたのに退化してないか?」と思ってしまいます。

それ以外の違いは主にグレード体系です。ラクティスとトレジアの対応するグレードとな並べると

・ラクティスのXに対するトレジアi(以下車名は省略)
・G(豪華グレード)に対するi―L
・S(スポーツグレード)に対するTYPE EURO

この3つに加えてトレジアにはラクティスにはない「足回りなどは標準だけどアルミホイールやエアロパーツが付く」i―Sが設定されます。その代わりにというか、トレジアにはラクティスの女性向け的のグレードとなるL'épiceは用意されません。その他は装備面でトレジアにはメーカーオプションのオーディオやナビがない、トレジアはこれもスバル基準なのか全グレード寒冷地仕様となるくらいです。

こう書くと、さほど期待はなかったとしてもやっぱり「同じ車かい」とガッカリされる方が多いかもしれません。しかし、ラクティス&トレジアの開発にはスバルのエンジニアが100人規模で参加しており、その意味では共同開発でありスバルの血も入っていると言える訳で、スバルスピリッツはトレジアだけにとは言えないけど、ラクティス&トレジアという形で受け継がれていると言えるのではないでしょうか。個人的にはOEMとしては珍しく本家よりカッコいいだけでも、それなり存在意義はあるのではないかと思います。

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インテリアの違いはエンブレムだけ
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2010年10月12日

少年評論家 エルグランドインプレッション!

みなさんこんにちは。小泉健です。熱烈なクルマ好きを自称する僕ですが、恥ずかしながらミニバンに本格的に試乗できたのはこの新型エルグランドが初めてでした。ですから、ライバル車との比較等はできないわけで、それを踏まえて読んで頂けたら嬉しいです。

エクステリアは『ザ・エルグランド』という感じですが、先代より躍動感がありカッコいいと思います。乗り込んでみると、内装が先代よりも豪華で完全に高級車だ!と感じます。ドアを閉めて走り出します。エンジンは2.5ℓですが振動は少なく、静粛性も高いです。CVTとのマッチングも良いのか、加速時の『かったるさ』も感じられません。乗ってみてまず驚いたのは乗り心地の良さ。荒い路面を比較的高いスピードで通過しても、ボディのビビリなどは皆無で、振動もいい塩梅に遮られていると感じました。どうやら、このクルマは小さな入力でもしっかり動く、フリクションの少ない上質な足回りを持っているようです。路面からの振動が少ないから、フニャフニャというわけでもなく、交差点を少々速いスピードで曲がってもロールはほとんど感じません。『コシのある乗り心地』ですね。

高速道路に入ります。エルグランドの走りは僕の想像していたものとかなり違っていて、ドッシリしていて非常に安心感がありました。素早いレーンチェンジを行った際も俊敏でした。リニアなハンドリングや素晴らしい安定性は足回りによるものだけでなく、旧型モデルよりも大幅に低重心になった事も貢献しているのでしょう。エンジンが静かだと気になってしまう、ロードノイズや風きり音のレベルも僕が感じた限りではかなり低かったです。

3.5ℓ車は更に素晴らしい乗り味を見せてくれるのかと思いきや、ちょっと違いました。2.5ℓ車より重い車重をちゃんと走らせるらせるために、サスペンションが固められているのが乗ってすぐに分かりました。細かい路面の凹凸も結構拾う感じです。これがスポーツカーならいいと思うのですが、乗員が快適に移動できるというのが最重要ですので、もうすこし工夫をして、乗り心地の当たりを柔らかくして欲しかったです。エンジンも六気筒だからといって、官能的なサウンド等は無く(当たり前ですが)確かに至極スムーズですが思っていたより普通でした。

その後僕はエルグランドのカットボディを見たのですが、フロント・リアサスペンション周りがしっかり補強されていたのはすごいと思いました。16インチ車は最小回転半径が5.4メートルというのも見逃せませんね。

新型エルグランドの販売が好調なのも、このようなあまり目立たない部分の性能向上もしっかり行ったからなんだとつくづく思いました。

次はもっと分かりやすくて的確な評論ができるように頑張ります。よろしくお願いします!

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2010年10月11日

インサイトが一部変更、でも迷走?

フィットシリーズのマイナーチェンジと同時にインサイトも一部改良を受けました。

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一部改良の内容は
・サスペンションの改良
・L、LSにクルコンを標準装備化、LSにオプション設定した本革シートなどを含むインテリアの質感向上
・今まで16インチだったLSのアルミホールを15インチ化

などとなっています。まあ、行った変更はいいと思うのですが、よく分からないのがGの189万円は変わらないものの、LとLSに関しては207万円と223万円と今までより2万円値上がりした価格設定です。個人的にはインサイトを拡販するにはお値段そのままで排気量アップやスポーツグレードの追加もいいけど、やはり値下げが一番効くと思うだけに「???」と感じます。その割に月間販売目標台数は発売当初より1000台しか下方修正していない4000台と、インサイトより使い勝手のいいフィットハイブリッドが出たにも関わらず案外強気です。

正直のところインサイトは189万で売っているプリウスEX(登場は7年前)と比べても「カッコいい」とか「可愛い」、「楽しい」、「ホンダが好き」、「プリウスは嫌だ」といった正当な理屈以外の部分でしか選びにくい車だと思います。しかし、今はよほど変な車を買わない限り大失敗はない時代ですから、そんな理由でインサイトを買う人がいてもまったく不思議はないですし、私自体インサイトとプリウスだったらインサイトを買ってしまう気がします。私はインサイトがカッコいいだけに「インサイト君はプリウスさんよりまったく賢くないけど、可愛いねえ」なんて言いながらワックス掛けしたり、無限のエアロなんかでカッコ良くしてインサイトに乗るのもいいかなとよく感じています。

そんな人たちがインサイトを買ってくれるようにするためにも「全車カーナビとETC付きでお値段据え置き」、実質的に15万円くらいの値下げでカーナビなしなら175万円からという価格にしてもいいのではないでしょうか。このくらいだったら、一応フィットハイブリッドとの差額もボディ違いで納得できて、2台の住み分けも出来る気がするのですが。
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2010年10月10日

マイチェンフィット登場!

 続いてはマイナーチェンジされたガソリンエンジンのフィットです。今回のマイナーチェンジではハイブリッドが追加されたこともあるのか、ベーシックな1.3リッター、昨年の一部改良で追加されたラグジュアリーな1.5X、スポーティーなRS、そしてハイブリッドという4本柱がより明確に性格分けされ、それぞれがより魅力的な商品となりました。

変更点を挙げていくと
★1.3リッター
・空気抵抗低減も狙った前後のデザイン変更
・エンジンのフリクション低減、熱効率向上による燃費アップ(リッター24kmから24.5km)
・ECONモードの追加

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その他にもパワステなどのフィーリング面の見直しなど、細かい部分の改良も多数施されています。価格は若干上がって123万円からとなりましたが、フィットならでは広さなどの内容を考えればまだまだ割安と言えるのではないでしょうか。

★1.5X
・内外装の高級化
・遮音材の追加による静粛性の向上

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ブラウン系のボディカラーがより高級感を感じさせる

このグレードは以前から余裕ある1.5リッターエンジンにクルコンが付いているなど、「ちょっと乗ってみたい」と思わせるグレードでした。今回のマイナーチェンジでは足回りが安定志向の欧州仕様のセッティングになるなど、上のクラスの車からダウンサイジングしてくるユーザーや小さくてもいい車が欲しいというユーザーの選択肢にも挙がりそうな車になりました。

★RS

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fitrsrear.jpg


・6速MT、専用マフラーの採用
・ボディ下面のパフォーマンスロッドの追加などによるボディ剛性向上
・サスペンションセッティングの変更

スタイルからして一番変わったのがスポーツグレードのRSです。やっぱり「ホットハッチはこのくらいやってくれるといいな」と素直に感じます。変更点に関してはスポーツグレードらしさを増すという意味では常套手段に思いますが、個人的に注目したいのは6速MTのギアレシオです。同じギアボックスを使うCR−Zと比べるとギアレシオ自体は1速/ローギヤード、2速は同じ、3速/ハイギヤード、4速以上/ローギヤードというものなのですが、ファイナルが約10%ローギヤードになっています。さらにタイヤの外径もCR−Zより小さくローギヤードになっていますから、ハイブリッドとエンジン車という違いはあるにせよ、小排気量車らしい高回転を維持出来るセッティングになっていることを望みたいところです。またシフトフィールも大味な部分を感じたCR−Zに比べると、カチカチというかピリリとしておりちょっと嬉しくなってしまいました。

さらにインテリアもオレンジの内装色が目立つだけでなく、ステアリングの10時10分の部分が太くなっていたり、ステアリングとシフトノブに社外品のようなステッチが入っているのもスポーツ性という意味では見逃せない演出です。

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フィットの1.5リッターは草レースをしていた際に「これで耐久レースしてみたい」と思っていた車で、新生RSには比較的安く買えるスポーツモデルとしての仕上がりに期待したいところです。ちなみになぜフィットで耐久レースをしてみたかったかというと、1つは速さはともかくとしてサーキット走行でも燃費が良さそうなこと。もう1つはフィットはセンタータンクなので給油口と燃料タンクの間のホースに凄くたくさんガソリンが入りそうな気がするので、燃料タンクの量以上にガソリンを多く持てれば航続距離が伸ばせて、給油回数を減らせればトータルで勝てるのではないかという目論見があったからです。何せ私の出ていたレースでは長丁場になると軽くて燃費がいいスターレットのNAやカローラUの1.5リッターが普通に優勝していましたから。

話は大幅にずれましたが、とにかくこのマイナーチェンジでフィットはハイブリッドや既存グレードの改良でさらに魅力的なコンパクトカーになりました。スイフトのフルモデルチェンジや今後はヴィッツとラクティスのフルモデルチェンジもありますが、王者の座は当面安泰と言えるのではないでしょうか。



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2010年10月09日

フィットハイブリッド登場

フィットがマイナーチェンジを受け、同時に待望のハイブリッドも追加されました。ハイブリッドの価格は159万円からとなっています。


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ベース車に対する外見の違いはグリルとテールランプくらい

スクープ情報の通り、モーターの出力やバッテリー容量などに代表されるハイブリッドシステムのハード的な部分はインサイトのものとまったく同じです。それだけにホンダのハイブリッドのある意味では最も特徴的な部分である、ハイブリッド化で必要な部品を収めるスペースさえ確保できれば既存車にも比較的容易にインストール出来るというメリットを一番受けた車と言えるのではないでしょうか。

スペック面で気になる車重と燃費は1130kg、リッター30km。インサイトより大人1人くらい軽い車重を考えるとインサイトと同じモード燃費というのは「もう少し良くても」と感じる部分もあるかもしれません。しかし、車内データでインサイトと燃費を比べると軽さにより40kmくらいまではフィットハイブリッドの勝ち、40kmから60kmまでは引き分け、それ以上のペースだと空気抵抗が少ない分でインサイトの勝ちという結果になるそうです。10・15モード燃費を計測する際のテスト内容に60km以上のペースになる項目が結構あることを考えれば、それなりに頑張った燃費といえるのではないでしょうか。

「ハードウェアはインサイトと同じ」と書きましたが、ハイブリッドのマネージメントなどのソフトウェア部分は結構違っており、インサイトよりもアイドルストップ時間や低速巡航時に気筒休止によりモーターのみで走行する時間が延長されているなど、街乗りペースでの燃費を重視した設定になっています。


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ハイブリッドの特徴はエンジンカバーとオレンジの配線はくらい、ちなみにハイブリッドの型式は「GE」ではなく「GP1」とちょっとカッコ良くありませんか?

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インサイトでは普通のものだったタイヤはエコタイヤ(銘柄はダンロップ エナセーブ)に

車体やシャーシも見える部分はベースのフィットとほぼ同じです。「見える部分」と書いたように見えない部分は意外と違っていて、ハイブリッド化により具体的には

・空力向上のためのアンダーカバーの追加
・重量増に対応するための車体剛性アップ部品の追加
・フロントスタビライザーの大径化、リアスタビライザーの追加

などが施されています。なお、重量増は1.3リッターのG(1010kg)を基準に考えると120kgと意外に重いですが、これはハイブリッドシステム以外部分での重量増が想像以上に重いせいなのかもしれません。

フィットで定評ある使い勝手もベース車とほぼ変わりません。違うのはベース車のラゲッジスペースにある床下収納がバッテリーとコントロールユニットを置くスペースになっているくらいです。

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床下収納のないハイブリッドのラゲッジスペース、それでも広い

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ベース車のラゲッジスペース

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キャビンは同じなので高さのあるものを積めるトールモードもそのまま

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インテリアもほぼ同じ、クルコンは標準装備

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ハイブリッドのメーター、個人的には減速時の回生メーターがもっと大きくてもいい気も

ここまで書いてきたようにフィットハイブリッドはハイブリッドであることによる違いが極力分かりにくくした感もある、好意的に解釈すれば「車両価格に160万円出せる人が、どのフィットがいいだろう」と気軽な気持ちで選べるハイブリッドカーです。実際カタログを見ても特に特別扱いはされておらず、既存のグレードと同じようなボリュームで紹介されています。

159万円からという価格に関しては、ベース車の基準を1.3リッターのGスマートセレクション(135万円)を基準に装備内容を揃えて考えれば、おおよそ20万円なのでリーズナブルではあると言えると思います。ただ、1年後くらいに先代プリウスのシステムを使ったヴィッツベースのハイブリッドカーが出たら・・・・・・、という不安は付きまとってしまいますが。

ホンダとしてはフィットシリーズのうちの4割と見込んでおり(月間販売目標台数は1万4000台)、すでに1万4000台を集めた予約注文では1万台がハイブリッドだそうです。この好調が1年先、1年半先まで続いているか非常に気になるところです。


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